オッポジャパンは、OPPOブランドから完全ワイヤレスイヤホン「Enco W51」と「Enco W11」を8月上旬に発売します。税込み価格は「Enco W51」が15,800円、「Enco W11」が5,800円。
OPPOブランドによる初の完全ワイヤレスイヤホンとして海外発表されていたモデルが日本国内でも発表されました。
2つのモデルの共通する特徴や比較しての違いも交えて、「Enco W51」と「Enco W11」をご紹介します。
おおざっぱな違いはアクティブノイズキャンセリング機能の有無と、形状です。「Enco W51」がアクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、形状はAirPods類似のいわゆる「うどん」タイプ。「Enco W11」は完全ワイヤレスイヤホンの主流となっている楕円形のカプセルのような形状。その他にもイヤホン部の違いやバッテリー持ちなど、細かい違いがあるので詳しく解説します。
どちらの機種も対応コーデックはAACとSBCで、Bluetoothのバージョンは5.0。通信距離は10m程度。左右同時転送方式の採用により、接続安定性を高めています。
操作はタッチ式。タッチ操作での音声アシスタント機能の起動にも対応。ハンズフリー通話用のマイクを搭載しており、通話時のノイズキャンセリング機能によりクリアな通話が可能としています。
「Enco W51」のみアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。イヤホンの内外に収音用マイクをそれぞれ搭載し、フィードフォワード制御とフィードバック制御を備えたハイブリッドノイズキャンセリング方式を採用。強力な騒音低減効果を謳うノイズキャンセリングイヤホンで使われる方式ですが、この採用により、最大35dBという高い騒音低減効果を謳っています。
また、ノイズキャンセリング性能が強力なイヤホンではありがちな、ノイズキャンセリング機能のオン・オフでの音質の違いを独自の「音質補正アルゴリズム」によって回避しているとしています。
ノイズキャンセリング性能は、大手メーカーでさえも効き具合と耳への負担感、音質のバランスを取るのが難しいと言われているので(そのためか、アップデートごとに頻繁に効果や音質が変わるなどと言われるイヤホンもあるくらい)、OPPOがどのような手腕を見せるのかは注目です。
音楽鑑賞用の道具としてのイヤホン部の内容です。
「Enco W51」はダイヤモンドよりも硬い性質をもつグラフェンでコーティングしたダイナミック型振動板を7mm径で採用。音の立ち上がりと反応のよさを打ち出したサウンドとなっているようです。
「Enco W11」は、チタンでコーティングしたダイナミック型の8mm径振動板を採用。パワフルな低音や、音の伸び、ディテール表現力に優れた音質傾向だとしています。
基本的には価格がずっと上で、上位である「Enco W51」のほうが音質はよさそうですが、ノイズキャンセリング分のコストや、回路が不要な「Enco W11」も、再生音質だけならかなり健闘している可能性もあります。
「Enco W51」のバッテリー持続時間は、ノイズキャンセリングオン時にイヤホン単体で最大約3.5時間、付属充電ケース併用で最大約20時間。約15分の充電で最大9時間再生できる(ケース併用時)急速充電に対応。さらに、ワイヤレス充電「Qi」、スマホからのリバース充電にも対応するなど、充電関係の機能が充実しています。
「Enco W11」のイヤホン単体でのバッテリー持続は最大約5時間、充電ケースと併用すれば最大約20時間の再生が可能。15分の充電でも最大1時間再生可能な急速充電に対応。「Enco W51」のようなワイヤレス充電やリバース充電には対応していません。
「Enco W51」はIP54、「Enco W11」はIP55の防水・防塵性能を備えています。どちらも日常やちょっとした雨・一般的なスポーツでの使用にも耐えられるレベルですが、「Enco W11」のほうが防水性という点では優れています。
なお、Enco(アンコー)という名前は、「何度でも聴きたい」という意味のアンコールから名付けたとしています。日本国内では早速、アンコーとは読まずに、エンコ―と呼んだうえで、小指やら援交やらといった言葉で茶化している人がいます。
内容を見ると、メーカーの完全ワイヤレスイヤホン第1弾としてはまずまずの印象です。ただ、海外発表時に「Enco W51」は70ドル程度であったので、日本国内価格が倍くらいになってしまっています。海外発表を知っていた日本人の方々は、国内価格の高さに落胆している声が見られます。
また、今どきの完全ワイヤレスイヤホンにしてはイヤホン単体でのバッテリー持続時間が短いのが弱点ですが、「Enco W51」については、アクティブノイズキャンセリング機能の性能次第では高い評価が得られるかもしれません。
海外価格に少し上乗せしたくらいの価格で、「Enco W51」を日本で出せていれば、ノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホン市場で一気に存在感を示せたような気がしますが。残念です。
それでもOPPOはこの価格でも日本では勝算があると踏んでいるのか、あるいは、完全ワイヤレスイヤホンなんて本業からすればどうでもいい製品だという表れなのかはわかりません。
ただ、アップルにとってもAirPodsの存在は小さくないのは知られていることなので、そう完全ワイヤレスイヤホンを軽んじることもできないと思いますが。まあ、アップルの完全ワイヤレスイヤホン市場の寡占状況を崩すのが難しいという現実的判断もあるのかもしれませんが。
それでも、発売後に実売価格が一気に下がるといったことがあれば、とくに「Enco W51」については一躍完全ワイヤレスイヤホンの人気モデルに躍り出るかもしれません。それだけのハイコスパな潜在能力はあると思います(完全ワイヤレスイヤホン+OPPO)。