IC-CONNECTは、同社取り扱いブランドのOSTRYから、インナーイヤー型イヤホン“KC08シリーズ”のエントリーモデル「KC08A」を2月19日より発売します。オープン価格で税込12,000円前後での実売を想定しています。
“KC08シリーズ”の上位モデルで、2018年に税込み実売18,000円程度で発売された「KC08T」の弟機的なモデル。また、2016年に税込み実売12,000円程度で発売された、シリーズ第1弾モデルの「KC08」の後継機と見ることもできます。
「KC08」をグレードアップさせた「KC08T」をうまくコストダウンして品位を保ったモデルというのが今回の「KC08A」のようです。
従来モデルのデザインを踏襲しながらも設計の見直しを図り、全体に金属パーツを採用、かつ、構成パーツ数を減らすことで、シンプルかつ高耐久の筐体と低価格化を実現したとしています。また、サウンド面では音ヌケなどを改善し、従来モデルよりも音場を拡張したとしており、一部は「KC08T」よりも上回っているような印象です。
ドライバーユニットは新開発の15.4mm 第3世代ダイナミックドライバーを搭載。これまでの2モデルではいずれも16mm口径としていました。世代は最新となっており、新モデルならではのアドバンテージが期待されます。
人間の鼓膜のように振動するという厚さ2ミクロンの極薄振動膜「EBT(Eardrum Bionic Technique)」の採用は本機だけの内容のようです。
CCAWコイル、強力な磁気回路については「KC08T」同様のようです。
「KC08T」ではドライバーの振動膜の加工方法にアルミトップ構造を採用。これにより従来のKC08のドライバーと比較して、音の定位と解像度を向上、ハウジング内部の特殊な磁気構造にも改善を施し、KC08と同様に量感のある低域を維持しつつ、全体的によりクリアな音と、広い音場を実現、ハウジングの外観はチタンコーティングを施し、より剛性を高めて音の締まりを向上
ケーブルは従来モデル同様、プラグからスプリッター部分にかけて布製網組チューブでシールドし、手触りや絡みにくさを向上。加えて、被覆の素材をゴムからTPUに変更し、従来モデルよりも劣化しにくく長期に渡り使用できるよう改善したとしています。
再生周波数帯域は20Hz – 20kHz、インピーダンスは40Ω、感度は105dB。ケーブル長は約1.2m、プラグ形状はストレートタイプの3.5mmステレオミニ。マイク付きリモコンなどはなくシンプル。また、リケーブル機構もありません。
物理スペックについては「KC08T」と全く同一。「KC08」はインピーダンスは32Ωで他は同じ。
イヤーパッドは、全面を覆うタイプと高域の減衰や籠もりを抑える加工を施したタイプの2種類が付属。また、手触りのよいファブリック素材と出し入れしやすい大きな開口部を備えたケースも同梱。
「KC08」シリーズは、もともと、最高のインナーイヤーを目標にOSTRY開発陣が約3年の歳月をかけ、4回以上のデザイン設計の見直しを経て誕生したイヤホンということであり、「KC08」の時点でデザインに対する完成度の高さには自信があったようで、今回もデザインを踏襲しています。
大型ダイナミックドライバーがインナーイヤータイプには珍しい量感のある低域を再生できる、というのもシリーズ共通の売りであり、この基本サウンドが受けて高音質なインナーイヤー型イヤホンの定番になった流れがあります。
「KC08T」ではさらに、解像度の高さを追求しており、いっそうの高音質となったようです。
今回の「KC08A」は「KC08T」的な音をできるだけ安く実現しようという意図に思えます。最新のイヤホンとして、マイク付きリモコンはともかく、リケーブルに対応していないのもコストカットのための大胆な工夫に思えます。
インナーイヤー型イヤホンには根強い人気と需要があるようですが、かつてあれほどイヤホンの標準タイプであったにも関わらず、現在インナーイヤー型イヤホンの製品数は激減したままです。また、製品があったとしても、やけに安いか、数万円もする高級機に二極分化しており、1万円くらいのインナーイヤー型があまりないのも残念な状況です。
そこに本機が登場。この価格でどこまでの音が出せるのか大いに注目したいですし、1万円程度のインナーイヤー型だけでなく、価格帯のイヤホン全体の定番機になるくらいの活躍を期待したいところです(イヤホン+OSTRY)。