パナソニックは、ブルーレイディスクレコーダーの「プレミアム高画質・高音質モデル」として、ディーガ「DMR-ZR1」を2022年1月28日に発売。
同社レコーダーのプレミアムモデルとして、「ディーガ史上最高グレードの高音質・高画質設計」による “究極のレコーダー” を追求したハイエンドモデル。最上位の再生専用プレーヤー「DP-UB9000」と同様の高剛性・低重心筐体を使用するほか、新開発の電源・デジタル回路を採用。Ultra HD ブルーレイの再生もサポート。
4Kチューナーを3基搭載し、4K放送を含めた3番組同時録画が可能。内蔵HDDは6Tバイトで、4K/DRモードで約390時間の録画ができます。録画モードも新たに4Kの1.3倍が追加。このモードを使うと25GバイトのBDメディアに約2時間が収まります。
また、昨秋の4Kディーガで採用された新機能を各種搭載。ドラマ・アニメの90日間「お録りおき」、表示領域や情報量をアップした「ジャンル別録画一覧」、1.3/1.6倍速再生を備えています。また、4K解像度のお部屋ジャンプリンク、4Kお引越しダビングに対応。
視聴中の操作GUIのデザインを最適化したほか、「DP-UB9000」同様に、バックライト付リモコンも付属。
映像機能については、原画のフレームに戻して出力できる「4K/24p or 30p変換出力」を初搭載。4K放送では4K60pで番組が送られてしまいますが、これを映画であれば24p、ドラマであれば30pといったかたちに、ユーザーが好みで選択できます。4:4:4で出力するため、DIGAのクロマアップサンプリング性能をフルに活かすことも可能。同機能はHDDやブルーレイディスクに記録した放送番組の再生時に対応。放送視聴時、インターネット動画視聴時、および市販のブルーレイディスク再生時には非対応。Amazon Prime Videoのみ24pでの映画出力に対応。
暗い部屋で暗いシーンを観たときに “字幕が眩しい” という問題を解決する機能として、新開発の「映像字幕の輝度低減機能」を搭載。独自処理で映像の中の字幕を検出し、字幕部分のみ明るさを抑えてられます。「切/弱/強」の3段階が選択でき、字幕の明るさは映像によって自動調整されます。
今回、映像をリアルタイムで分析することで、4K放送でも明るさが調整できるようになっています。また、ダイナミックレンジ/システムガンマを連動して最適に調整する設定も新たに追加されました。
HDRではHDR10+やDolby Visionもサポート。ディーガのレコーダーとして初めてドルビービジョンの再生に対応しました。
「DP-UB9000」に搭載した高精度「HDRトーンマップ」技術(新4K衛星放送のHDR番組[HLG映像]には効果がない)も搭載しています。
4K/HDRのインターネット動画配信サービスも楽しめます(YouTubeは非対応)。
音声面では、MPEG-4AACストリーム出力(2/5.1/22.2ch)に対応。さらに、4K放送の22.2chをDolby Atmosに変換する機能を業界で初めて採用。現状、22.2ch対応のAVアンプは少ないが、この機能でDolby Atmosに変換することで、多くの機器でイマーシブサウンドの再生が行えるようになるのがメリットです。
ハイレゾ音源の再生にも対応。出力できるフォーマットはWAV、FLAC、DSD、ALAC、AIFFで、ロッシーであればMP3、AAC、WMAにも対応済み。DSDは最大11.2MHz、WAVとAIFFでは384kHz/32ビットのファイルまで対応。対応DACやAVアンプなどとの組み合わせで高音質を楽しむことができます。
筐体については、UB9000と共通で、2層構造のトップパネル、センタードライブ構成の3層構造ドライブベース、7mm厚フロントパネル、4層構造ベースシャーシを採用。専用ドライブベースでHDDの振動を大幅に低減するとともに、新開発の強力な電源回路(デジタル・ドライブ独立型)と、クロック精度を高めつつノイズ対策を徹底した新デジタル回路を搭載。全体構成は大きく変更がなされ、UB9000と同様の4ブロック独立構成を採用しつつも、アナログ専用電源とアナログオーディオ基板を削除して、デジタル/ドライブ系に集中投下しています。
デジタル系のクロックにも配慮。超低ジッターPLLとローカルレギュレーター、チップフィルムコンデンサーを採用。システム用には超低位相ノイズ水晶発振器を採用。DP-UB9000から約15dBの改善が達成されています。
「DP-UB9000」で使われていたUSBパワーコンディショナー(ルビーマイカコンデンサーと炭素皮膜抵抗で構成)を、フロントとリアのUSB端子にそれぞれ1個、さらにセパレートHDMI出力端子にも各1個の合計4個を内蔵。
外形寸法についてはUB9000同様で、430W×87H×300Dmm。質量はUB9000より重い13.6kgとなっています。
主な仕様は、HDD容量が6TB。チューナー数がBS4K/110度CS4Kチューナー×3、地上/BS/110度CSデジタルチューナー×3。
出力インターフェイスは、HDMI映像・音声出力×2(映像・音声×1[4K/60pまで]、音声×1[1080/60pまで])、同軸デジタル音声出力×1、光デジタル音声出力×1を装備。
「DP-UB9000」と比較しての違いは、上記の解説でもいろいろと触れていますが、まずは、再生専用の「DP-UB9000」に対して、「DMR-ZR1」は録画機能が追加されているのが大きな違い。それによって、HDDが内蔵されているのも違いです。
「DMR-ZR1」は映像レコーダーながら、上記のように、「DP-UB9000」にも搭載されていない高画質化回路(「4K/24p or 30p変換出力」新開発の「映像字幕の輝度低減機能」)が搭載されているなど、明らかに「DP-UB9000」を超える映像プレーヤーも狙っている意欲作です。
また、「DP-UB9000」はアナログ音声出力が搭載されていましたが、「DMR-ZR1」ではデジタル音声出力専用という思い切った仕様となっています。そのため、本機の音声を聴くには、何らかのデジタル音声入力(HDMIだと映像と音声を一緒に入力)機器が必要になります。
音声系の機能では「DP-UB9000」には搭載されていない、4K放送の22.2chをDolby Atmosに変換する機能もポイントです。
DP-UB9000で使われていたUSBパワーコンディショナー(ルビーマイカコンデンサーと炭素皮膜抵抗で構成)を、フロントとリアのUSB端子にそれぞれ1個、さらにセパレートHDMI出力端子にも各1個の合計4個を内蔵。これによりノイズ抑制効果が向上し、回路全体のS/Nも改善できたとしています。
HDMI端子のノイズ対策も改善。DP-UB9000では2系統のHDMI出力に対し、電源高周波ノイズ低減用のチップビーズを1基あてがっていましたが、DMR-ZR1では映像/音声用に2個、音声用に1個の合計3個。また、それぞれの出力端子の近くにチップフィルムコンデンサーを追加。この回路構成により、映像/音声用HDMI端子から音声用HDMI端子に回り込むノイズが低減できるとしています。
同軸デジタル端子にも専用出力トランスを追加、シャーシのグラウンドから分離することで純度の高いデジタル信号の出力が可能になっているとしています。
このように、「DP-UB9000」からシャーシ自体は継承していますが、機能、内容面では別物となっています。