パナソニックによるワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「RP-HD600N」と「RP-HD610N」。
型番からすると、「RP-HD610N」が「RP-HD600N」の後継機のように見えますが、両機の関係は「RP-HD610N」が「RP-HD600N」の上位という関係で、両機は2020年現在も併売されています。
「RP-HD600N」は2018年発売で、2020年現在の実売価格は税込み約1.7万円、「RP-HD610N」は2019年発売で、実売価格は税込み約2.5万円
「RP-HD600N」と「RP-HD610N」を比較しての違いも交えながら、両機の内容や特徴をご紹介。
両機は、ヘッドホンとしての音質面の性能やBluetooth部分やノイズキャンセリング部分の性能や機能は同一です。
「RP-HD600N」と「RP-HD610N」の違いはおもに3つ。
全て「RP-HD600N」に対して「RP-HD610N」が内容が追加・向上する形になっています。
1つはGoogleアシスタントへの対応。ハウジング部のボタンを押しながら話しかけることで、音楽やニュースの再生、検索、スケジュール管理、メッセージの送信、リアルタイム翻訳機能などといったGoogleアシスタントの機能が使えます。iOS 9.3以上およびAndroid 6.0以上のOSに対応しています。
2つ目は、スマートフォン/タブレット向け専用アプリ「Panasonic Audio Connect」連携の追加。Bluetoothのペアリングや再接続設定、接続中のコーデックの表示、音質優先・接続優先設定の切り替え、ノイズキャンセリングのモード設定、オートパワーオフ設定、バッテリー残量確認などが行えます。
3つ目はバッテリー持続時間の増加。連続再生時間が「RP-HD600N」の20時間から「RP-HD610N」では24時間に向上しています。
また、サイズやスペックは同一ですが、本体重量が「RP-HD600N」の268gから、「RP-HD610N」では275gにわずかに増えています。おそらく、バッテリー分の増加ではないかと推測されます。
カラバリは「RP-HD600N」がブラック、オリーブグリーン、マルーンブラウンの3色、「RP-HD610N」はブラックのみ。
ここからは両機に共通の内容です。
ヘッドホンは密閉型オーバーイヤー構造を採用した本格的なもの。
超多層フィルム(MLF)振動板を採用した40mm径のHDドライバーを搭載。MLFは不要な残響を残さない利点を備えているので、高い応答性と高解像度再生を実現できるものです。また、新制振構造・制振材料のフレームを採用。低音の締まりの向上や空間性の広がりが期待できます。
BluetoothコーデックはSBCに加えAAC・aptX・aptX HD・LDACコーデックをサポートし、幅広い送信機器で低遅延と高音質が楽しめます。国内ではほかにソニー、海外メーカーではシュアくらいしか対応していない、aptX HDとLDACの両方のハイレゾ相当伝送コーデックに対応しているのも大きなポイントです。
Bluetoothのバージョンは4.2、対応プロファイルがA2DP、AVRCP、HSP、HFP。
ノイズキャンセリングは集音用マイクを、ハウジングの外側に配置するフィードフォワード方式とドライバーユニット側に配置するフィードバック方式を組み合わせたハイブリット構成。ハイレベルな騒音低減性能が期待できる方式で、ノイズキャンセリング性能に定評のあるソニーやボーズなども採用しています。
騒音低減の強度は騒音環境に合わせて3つから選択できます。電車の車内アナウンスなど周囲の音を聴きたいときに、ヘッドホンを付けたまま、周囲の音を聴くことができるボイススルー機能も搭載。
充電時間は4時間。ノイズキャンセルON、SBC接続時の使用時間は「RP-HD600N」が20時間、「RP-HD610N」が24時間。充電端子はmicroUSB。
ワイヤレス使用に加えて付属ケーブルを装着して有線でも使用できます。
有線接続時の再生周波数帯域は4Hz~40kHzとハイレゾ対応の広帯域。音圧感度は99db、インピーダンスは38 Ω。最大入力は1000mW。
また、人間工学に基づく3Dボールジョイント機構と、3Dイヤーパッドの採用により装着感を高めています。スイーベルおよび折りたたみにも対応するので、モバイル使用にも適しています。
さて、2020年現在、両機の売れ行きは「RP-HD600N」のほうが大幅に上回っているようです。この内容の差の場合、より安くて、音質上は上位と全く同一となる「RP-HD600N」がお得と考えられているようです。
ソニーやボーズのようなノイズキャンセリング性能の高さに定評のあるメーカーよりは騒音低減性能は弱いというのがたいていの評価のようです。
一方、aptX HDとLDACの両方のハイレゾ相当伝送コーデックに対応していることと、有線接続時にハイレゾ対応していることは大きなポイントです。ソニーでも対応していますが、「RP-HD600N」ではこの内容をより安く実現できていることが魅力でしょう。ただし、ソニーのような細かな音質調整機能はありません。
カラバリは「RP-HD600N」は3色、「RP-HD610N」はブラックのみと見た目の選択肢は「RP-HD600N」が優勢で、カジュアルさやファッション性では「RP-HD600N」のほうが対応力は高いと言えるでしょう。
総じて、「RP-HD600N」は、ワイヤレスでも有線でもハイレゾ相当の高音質を、より手軽に楽しみたいユーザーに適しているような印象です。
「RP-HD610N」は「RP-HD600N」に対しての追加内容にこの差額を出せるかが選択のポイントでしょう(ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン+Panasonic)。