Panasonic VIERA LX800 スタンダードクラスの4K液晶テレビ
パナソニックは、AI技術による自動画質調整を搭載した4K液晶テレビ「LX800」シリーズを2022年7月8日に発売します。サイズは75・65・55・50・43型を用意。
4K液晶ビエラ「LX800」
・75型「TH-75LX800」 約29万円 7月8日発売
・65型「TH-65LX800」 約22万円 同上
・55型「TH-55LX800」 約19万円 同上
・50型「TH-50LX800」 約16万円 同上
・43型「TH-43LX800」 約14万円 同上
上位となる「LX950/LX900シリーズ」から一部簡略化することで低価格化
同社4K液晶テレビのスタンダードモデル。上位となる「LX950シリーズ」「LX900シリーズ」から一部内容を簡略化することで価格を抑えています。
「LX800」シリーズの内容を上位と比較しつつご紹介
「LX800」シリーズの内容を、「LX950」「LX900」シリーズと比較しての違いを交えつつご紹介します。
「LX800」シリーズはサイズラインナップが豊富
「LX950」「LX900」シリーズのサイズランナップと価格
4K液晶ビエラ「LX950」
・75型「TH-75LX950」 約41万円 6月24日発売
・65型「TH-65LX950」 約31万円 5月27日発売
・55型「TH-55LX950」 約28万円 同上
4K液晶ビエラ「LX900」
・49型「TH-49LX900」 約19万円 6月17日発売
・43型「TH-43LX900」 約18万円 同上
以上を見ると、「LX800」シリーズは「LX950」「LX900」シリーズの両方でカバーする43型から75型のサイズを一つのシリーズでカバーしています。サイズの選択肢が豊富なシリーズと言えます。
「LX800」シリーズのパネル性能(等速・VA)
「LX800」シリーズは4K/3,840×2,160ドットの等速パネルで、広色域タイプのVA液晶を採用。
「LX950」「LX900」シリーズともに、4K/3,840×2,160ドットの倍速パネル。LX900の43型のみVA液晶で、ほかのサイズははすべてIPS液晶を採用。「倍速」「IPS」といった高画質テレビのポイントは「LX950」「LX900」シリーズとは「LX800」シリーズは異なることがわかります。
「4Kファインリマスターエンジン」「AI HDRリマスター」など上位と共通の高画質機能
「4Kファインリマスターエンジン」「AI HDRリマスター」といった高画質化機能は上位機LX950/LX900同様に進化させたものを搭載。
「LX800」シリーズの「オートAI画質」は「LX950」より簡略化
「オートAI画質」は、AI技術により最適な画質に自動調整する機能。100万を超える映像のシーンから学習用データベースを構成しているAI(人工知能)によりシーンに応じて自動的に最適な画質に調整をします。
LX950シリーズでは「オートAI画質/音質」と音質も自動調節しますが、「LX800」シリーズでは画質のみとなっています。
また、LX950では環境光センサーを新搭載し照明の色もセンシングすることで、部屋の光の環境も考慮に入れた画質調整を行いますが、本機には環境光センサーは非搭載。
「LX800」シリーズのパネル制御とHDR対応も上位から一部簡略化
そのほかLX950/LX900との違いでは、パネル制御が「エリアコントラスト制御PRO」(LX950/LX900は「Wエリア制御」)であったり、HDRのDolby Vision IQに非対応である点などが挙げられます。「LX800」シリーズのHDR規格はHLG、HDR10、HDR10+に加え、HDR10+の画質を最大限に引き出すという新技術HDR10+ ADAPTIVEに対応しており、一般的には十分な対応となっています。
「LX800」シリーズは「4K120p入力」「ALLM」非対応
「LX800」シリーズのHDMI入力ははPS5やXbox Series X、PCなどの4K高画質かつ、ハイフレームレートのゲームが楽しめる「4K120p入力」や、入力機器からの情報に連動して自動的に低遅延モードに切り替わる「ALLM」は対応していません。4K60pまでの入力対応です。
LX950/LX900では全機種で対応しているだけに対照的な機能です。
「LX800」シリーズのチューナー数
チューナー数は、LX950/LX900が地デジ/BS/110度CSチューナーを3基搭載しているのに対し、本機は2基となっています。BS4K/110度CS4KチューナーはLX950/LX900同様に2基搭載しています。
「LX800」シリーズは「転倒防止スタンド」非採用
スタンド部はLX950/LX900がテレビ台に吸着して倒れにくくする「転倒防止スタンド」であるのに対し、本機は通常のスタンドとなっています。
「LX800」シリーズはドルビーアトモス対応
「LX800」シリーズはLX950/LX900同様に立体音響のドルビーアトモス(Dolby Atmos)に対応。
テレビ本体のスピーカーのみで立体音響を再生。従来のステレオ音声も立体音響に変換できます。
LX950シリーズのアンプ構成は計60W(15W+15W+15W+15W)。スピーカー構成はフルレンジ2基に加えて、イネーブルドスピーカー2基を搭載の「360立体音響サウンドシステム」を搭載しています。イネーブルドスピーカーは、音を天井に反射させることで立体的で臨場感ある音を生み出すことに寄与。
LX900シリーズのアンプ構成は30W(15W+15W)にスピーカーはフルレンジ2基と、小規模になっています。
「LX800」シリーズのアンプ構成は20W(10W+10W)にスピーカーはフルレンジ2基と、さらに小規模になっています。
同じドルビーアトモス対応ではありますが、3シリーズの間にはそれなりのグレード差が付けられています。
そのほか、LX950/LX900と共通の内容についてはLX950/LX900シリーズを解説した記事も参考にしてみてください。
「LX800」シリーズ そのほかの特徴
・映像エンジンについては、高画質技術「へキサクロマドライブ」を搭載。パナソニックの4Kテレビではおなじみの回路
・4K放送から地デジ、ネット動画などの映像を4K高精細化する独自の「4Kファインリマスターエンジン」
・BS4K・110度CS4Kチューナーを2基、地上/BS・110度CSチューナーを2基搭載
・お部屋ジャンプリンクを使った4K放送番組の受信に対応
・スピーカーは総合出力20Wで、ドルビーアトモスにも対応
・ゲームに特化したユーザーインターフェイス「ゲームコントロールボード」
・HDMI入力は3系統で4K60pまで対応で、機能としてはALLM、eARC/ARCをサポート
・動画配信サービスに豊富に対応
・Bluetoothリモコンも付属。動画配信サービスのダイレクトボタンが従来の6個から、8個になった新リモコンとなっています
・従来のビエラ音声操作に加え、Google アシスタントとAmazon Alexaに対応
HDMIの他には、ビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン×1、LAN×1、USB×2を備える。USB1端子のみUSB 3.0に対応。無線LANを内蔵
【スタンドを含めた外形寸法と重量】
・TH-75LX800:167.3×36.5×103.6cm(幅×奥行き×高さ) 約32.0kg
・TH-65LX800:145.3×31.8×91.2cm(同) 約21.5kg
・TH-55LX800:123.4×26.9×78.7cm(同) 約16.0kg
・TH-50LX800:112.0×26.9×72.0cm(同) 約11.5kg
・TH-43LX800:96.5×21.9×61.7cm(同) 約9.0kg
Panasonic VIERA LX800を選ぶポイント
倍速駆動の有無、高画質化回路の内容・グレード差による画質の品位の違いは相応にあるはずですが、その差を大きいと思うか、小さいと思うかは、主に見るコンテンツの種類や視聴環境、主観にも左右されるとは思います。
HDMIの「4K120p入力」「ALLM」有無については、PS5やXbox Series X、PCなどと接続して「4K120p」のゲームをハイレベルな画質で楽しみたいかによって必要性が異なります。このテレビではこれらを楽しまないというなら不要です。
以上のように見てみると、LX950/LX900シリーズとLX800シリーズはおもに画質面が異なるものの、そのほか、音質面や機能面ではそれほど違いはありません。
基本的に同じパナソニックの中で比較検討するならどれだけ画質にこだわるのか、サイズや予算との兼ね合いも含めて考えることになるでしょう。あとはデザインや転倒防止機能の有無でしょうか。
他社との機能面での比較で言えば、ソニーやシャープ、東芝の一部のようにAndroid OSは搭載していないので、多機能性やアプリ追加の自由性は少ないのは弱点ですが、非Android OSテレビのほうが動作が全体的に早いと言われており、テレビに多機能性よりも普段の操作性の速さを求める向きにとっては必ずしも悪い話ではありません。東芝の2022年モデルの一部でAndroid OSを止めているのも判断材料のひとつになりそうです。
対応機器から4K録画番組を4K解像度のまま受信・再生できる高度なDLNA機能はパナソニックのアドバンテージなので、その点も比較検討のポイントになるでしょう。
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