ECスタイルは、中国のオーディオブランド「QoA(Queen of Audio)」製品の日本国内での取り扱い開始を発表。その第一弾として、カナル型イヤホン「Vesper(ヴェスパー)」を7月15日より発売します。価格は9,273円(税抜)。なお、販路はヨドバシカメラ、ビックカメラとなっています。
QoAは、中国のオーディオメーカー・KineraのCEOの妹が2019年に設立したというブランド。自社の製品開発拠点と生産工場を有した上で、Kineraの技術も有効活用してイヤホンを開発できるという恵まれた態勢をブランド設立当初から実現しているため、新興といっても、最初から高い実力が期待できます。
また、QoAの製品名にはカクテルの名前を採用することが特徴としていて、Vesperもヴェスパー・マティーニが由来になっているとのことです。本国では他に「Mojito」「Pink Lady」というモデル名の製品があります。こちらの日本上陸も期待されます。
Vesperは、Knowles(ノウルズ)製BA型ドライバーと10mm径ダイナミック型ドライバーを1基ずつ搭載するハイブリッド型構成再生周波数帯域は20Hz-20kHzで、インピーダンスは16Ω、感度は116±2dB。特にハイレゾ対応を謳うような広帯域ではなく、また、エントリークラスのDAPやスマホでも十分な音量が取れそうないわゆる鳴らしやすいスペックにまとめています。
2pinコネクタを採用してのリケーブルにも対応。製品には高純度OFC +シルバーコートのケーブルを付属。重さは片側が約4gで、本体とケーブル全体で約28g。
筐体はクリスタルエポキシレジン素材を3D出力して製作。UVレジン素材のフェイスプレートにはゴールドで製品名のVesperの文字が印字。カラーはグレーとグリーンの2種類。いずれも光沢と滑らかな模様により美しい仕上がりです。
女性が設立、モデル名にはカクテル、といったいかにもおしゃれで女性ユーザーも狙いそうな印象に割には外観はそこまで女性向けやファッション性を追求した印象はなく、イヤホン愛好家が音質重視のイヤホンとしても違和感なく受け止められるようなデザイン性にも感じます。
だからといって、イヤホン愛好家向けのいかにもメカ的な雰囲気ではなく、やはり一定以上のおしゃれ感やスタイリッシュさも十分に感じさせます。
つまり、従来のイヤホン愛好家にも、機械としてのイヤホンに興味がなく、あくまで音楽を聴く道具としてのイヤホンとしてとらえる一般的な女性の両方にもうまくアピールできるようなデザインに感じるということです。
女性向けを謳うイヤホンも他のメーカーにもありますが、デザインにしろカラーにしろ、あまりにも意識しすぎている嫌いがあり、男性のイヤホン愛好家は買いにくいといった状況にもなることを考えると、QoAはかなりうまく幅広いユーザーにアピールできるように思います。
中国のイヤホンメーカーは増えていますが、日本国内で幅広い知名度を持つメーカーは多くありません。また、現在はリーズナブルなワイヤレスイヤホンか、数千円クラスの有線イヤホン、数万円クラスの有線イヤホンの3つのゾーンにメーカーが力点を置く分布が分かれている印象もあります。
そんななか、QoAは1万円程度の有線イヤホンという、音質的にも品位的にも幅広いユーザーに高音質なイヤホンのよさを知らせるのに重要なゾーンに登場。知名度はありませんが、ヨドバシカメラ、ビックカメラという非常によい販路をいきなり得ていることから、品物さえ良ければ、日本国内での人気も高まるのではないでしょうか(中華イヤホン+Vesper)。