オウルテックは、完全ワイヤレスイヤホン「Samu-SE05(OWL-SAMU-SE05)」を2020年春に発売します。実売予想価格は5,980円前後。カラーはブラックとホワイト。
イヤホン本体、充電ケースをコンパクトなデザインにまとめたという完全ワイヤレスイヤホン。
イヤーピースも薄型タイプを採用し、装着時にしっかりと耳に固定できるだけでなく、耳への負担も少ないとしています。水滴がかかる程度やスポーツ時の汗に耐えられるIPX4の生活防水に対応。
ドライバーは6mm径のダイナミック型。感度は94dB。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。インピーダンスは32Ω。
Bluetooth 5.0に対応し、コーデックはSBCとAACをサポート。プロファイルはA2DP、AVRCP、HSP、HFPをサポートしスマホなどでのハンズフリー通話に対応します。音楽の再生や停止・ボリュームなどの操作ができるボタンも備えています。
連続再生時間は、単独で最長約4.5時間。充電ケースと併用して最長約27時間使用できます。充電時間はイヤフォンが約1.1時間、充電ケースが約1.2時間。充電ポートはUSB-Cを採用。
5、6千円程度までの完全ワイヤレスイヤホンは、おもにアマゾンで売られているような中国メーカー品が強く、それらとの比較では、なかなか機能、スペック面では対抗が難しい印象です。さりとて、販売元がしっかりしているというだけでも今はなかなか売りにはなりません。
それでも、本機はイヤホン本体、充電ケースがコンパクトというのを売りにしています。たしかに、このクラスの製品としてはケースは小さいようです。その分、バッテリー容量は減っていますが、再生時間を見ると、たしかに長くはありませんが、絶妙な程度の時間は確保しているように感じます。
また、本機は音質面でも特徴を打ち出しています。低域から高域までバランスのよいナチュラルなサウンドのチューニング、と一見、万能型のようでいて、EDMやJ-POP、アニソンなどにも合うように作ったとしていて、完全ワイヤレスイヤホンの若年ユーザーが多く好みそうなジャンルに合いそうなアピールをしています。
実際、この価格で、どれほどの音質チューニングができるかは疑問。まして、オウルテックはパソコン周辺機器パーツやスマートフォン・アクセサリーがメインで、オーディオ専業メーカーでもありませんし。土台、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンはもともと、それほど音質に過度な期待は持てず、たとえば、アコースティック音源であるクラシック音楽を本格的に聴こうというのは無理があります。
おそらく、そのようなどのモデルでもぶつかる音質上の限界を、「EDMやJ-POP、アニソンなどにも合う」という方向性で、うまく話を持っていっているような感じでしょうか。つまりは、人工的な傾向の強い現代的な音源であれば、イヤホンに高度にリアルでナチュラルな再現性はなくとも、うまく聴こえさせることができそうということです。安いイヤホンでもほどほどに楽しめるジャンルということでしょうか
ただ、価格の限界や音質はしかたないとしても、オウルテックがずいぶんと完全ワイヤレスイヤホンに力を入れているのは確かなようで、各所でみかける紹介記事やインタビューなどにも表れています。PC周辺機器メーカーでいうと、エレコムが一時、高音質なイヤホンメーカーとして名を高めた例もありますし、オウルテックも今後、もっと伸びる、あるいは大化けすることもあるかもしれません
(完全ワイヤレスイヤホン+Owltech)。