ゼンハイザー(SENNHEISER)は、1台で5.1.4chの立体音響を実現する世界初のサウンドバーとして
を、7月27日に発売すると発表しました。オープン価格で税込みの実売価格は36.5万円程度。
欧州最大の研究機関「フラウンホーファー」との共同開発によるバーチャルサラウンド技術により「リアリティ溢れる立体サウンドを自宅で気軽に体験」できることを目指して、サウンドバー一本で新次元の3Dサウンド環境を提供できるという意欲作。
「AMBEO」とは、3Dオーディオの技術とノウハウを研究、開発、製品の提供を行なうゼンハイザーの立体音響プロジェクトのこと。
海外ではすでに発売されていたものの、幅約126.5cmと日本向けの製品としては大きいのではないかということで、発売を見合わせていたものの、日本発売への問い合わせが多かったことや、ソニーの360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)の国内展開、Apple Musicの空間オーディオ対応が日本で始まったことなどの状況もあり、日本発売に踏み切ったとのこと。
つまり、本機は360 Reality AudioとApple Musicの空間オーディオ(Dolby Atmosのこと)に対応したサウンドバーということ(注意:現時点ではApple Musicの空間オーディオそのものはHDMI入力する方法がないため非対応です。一般的なDolby Atmosには対応しています)。
ともに、映画用サラウンドというよりも音楽向け、しかもサブスクのストリーミング向けの規格ということで、これからのサウンドバーが注力すべきジャンルが見えてきたような印象です。
どうやら本機は世界初の360 Reality Audio対応サウンドバーのようで、本家のソニーの先を越してしまったようです(ソニーにも試作機はあるようです)。なお、360 Reality Audio対応アクティブスピーカーという括りならソニーのSRS-RA5000やSRS-RA3000、AmazonのEcho Studioがあります。
「AMBEO Soundbar」は13基のユニットを内蔵した一体型サウンドバー。ドライバーにはゼンハイザーがドイツ本社で自社開発したハイエンドドライバーを使用していると謳っています。13基のドライバーすべてが稼働し、ビームフォーミングテクノロジーにより立体サウンドを作り上げます。また、別筐体のサブウーファーを使うことなく30Hzからの低音を再生できるというハイスペックも備えています。スピーカーの再生周波数帯域は30Hz~20kHz(-3dB)。内蔵アンプはD級で総合500Wと強力。
いわゆる自動音場設定機能も搭載。同梱のキャリブレーションマイクを使用し、3分ほどで音の反射に重要な壁との距離を正確に測定、その環境に応じた適切な音響調節が自動で行なわれます。
対応する立体音響フォーマットはDolby Atmos(Appleの空間オーディオと同義)、DTS:X、MPEG-H、360 Reality Audio。1台で5.1.4chを実現します。さらにステレオや5.1chサウンドを3D音響にアップミックス可能。
Bluetooth 4.2やWi-Fiにも対応。BluetoothコーデックはSBCとAACをサポート。NFCも搭載。
入力はHDMI×3系統に加え、光デジタル、AUXを装備。出力はeARC対応のHDMI2.1×1、モノRCAのサブウーファープリアウト×1。
ゼンハイザーの専用アプリ「Smart Control」に対応し、電源オン/オフや上述のサウンド設定などが行える。リモコンや本体上部のボタンから操作も可能。
外形寸法は約126.5W×13.5H×17.1Dcm、質量は約18.5kg。
世界初の1台で5.1.4chを実現するサウンドバーを売りにしていますが、世界初の360 Reality Audio対応サウンドバーであるように、音楽系の立体音響再生システムとして期待大。
ただ、ソニーとは設計思想が違うようで、スピーカーの再生スペックや機能から見ても、ハイレゾ再生には注力していないような印象。この価格ですから、そのあたりの手当ては欲しかったところです。といってもサラウンド規格とのからみで、おそらく再生フォーマットとしては24bit/192kHz程度までのPCMは再生できるでしょうが。DSDは無理だろうということです。
とにもかくにも、今後の急速の普及が考えられるオーディオ系の立体音響に対応するサウンドバーとして注目です。
筐体サイズはともかく、価格面で高額なのは否めないので、もっとリーズナブルな下位モデルの登場もお願いしたいところです。