ゼンハイザージャパンは、完全ワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」を7月8日に発売します。オープン価格で税込み17,380円程度での販売が予想されます。カラーはブラックとホワイトの2色。
2020年9月に発売された「CX 400BT True Wireless」(発売当初の税込み実売価格28,500円程度、現在は17,000円程度)の後継機的位置づけとなるモデル。
音質重視設計で、アクティブノイズキャンセリング機能は搭載していない「CX 400BT True Wireless」の内容を踏襲しながら、IPX4相当の防水性能や、低音を増強するBASS BOOST機能、片耳モードなどが新たに搭載され、より使い勝手を向上させています。
両機の内容を比較し、同じところと違うところがわかるように紹介します。
音質をもっとも左右するドライバーには「CX 400BT True Wireless」同様、完全ワイヤレス最上位モデルの「MOMENTUM True Wireless 2」と同等の7mmドライバーを搭載。ドイツ・ハノーファーの本社で開発したというこだわりのドライバーであり、イヤホン用ドライバーとしてはどちらかというと小型ですが、音質上の理由から、あえてこのサイズにしたという自信作。
「CX 400BT True Wireless」もこのドライバーのおかげか、音質評価の高いモデルでした。「CX True Wireless」も引き続き高音質が期待できそうです。
なお、「CX True Wireless」の再生周波数帯域は5Hz~21kHz、感度は110dB。「CX 400BT True Wireless」も周波数帯域は同じですが感度が107dBと少し違います。後述のようにSoCチップの変更や、省電力化が行われているので、「CX True Wireless」のほうが感度を上げる設計にした可能性があります。
イヤホン本体は、「CX 400BT True Wireless」とまったく同じデザインを採用。装着感に影響する内側のノズル部分の造形についても同じ。ユーザーの評価も高く、完成度が高いと判断したことからの継続でしょう。また、これにより、新たに型を起こさずに製造できるのであれば、全く新デザインの新モデルを開発・製造するよりもコストの抑制が期待され、「CX True Wireless」の内容の充実にもつながっているものと思われます。
タッチパネル操作部も「CX 400BT True Wireless」と共通。
なお、「CX True Wireless」ではタッチパネル部の表面加工が変わり、サラサラとした手触りに変わっています。このあたりはユーザーからのフィードバックを参考に、より使いやすいように変更したものでしょう。
ドライバーと並んで完全ワイヤレスイヤホンの性能や音質を左右するBluetoothチップ(SoC)は、どちらもQualcomm(クアルコム)社製SoCを採用していると発表しています。ただし、型番はどちらも非公表です。
これについては、それぞれ違うチップと思われます。というのも、「CX True Wireless」ではBluetoothのバージョンは最新のBluetooth 5.2となり、イヤホン片側だけで利用できるようになるなどの機能も追加されたことなど、チップに依存する内容の変化があるためです。
Bluetoothチップが異なると、内蔵されているDACやヘッドホンアンプの音質も異なることが普通なので、両機の音質がこのチップの影響で若干違う可能性はあります。
また、チップの変更により通信性能が向上。「CX 400BT True Wireless」に搭載されていたLDSアンテナが廃止され、コスト低減につながっています。LDSアンテナが無くなっても「CX True Wireless」の通信性能は「CX 400BT True Wireless」同等以上としています。
コーデックはSBC、AAC、aptXのサポートし、Class 1出力に対応。これは両機同様。
Bluetoothのバージョンは「CX 400BT True Wireless」が5.1で、「CX True Wireless」が5.2。
ビームフォーミング対応の2マイクも共通。通話品位も同等と思われます。
バッテリー性能はイヤホン単体で「CX True Wireless」が最大9時間(「CX 400BT True Wireless」は7時間)、ケース併用で最大27時間(「CX 400BT True Wireless」は20時間)へと伸びています。
「CX True Wireless」ではゼンハイザーでは初めて左右関係なく片耳利用が可能。Androidだけでなく、iPhoneでも左右関係なく片耳利用ができます。
また、「CX 400BT True Wireless」では非対応だった防水にも「CX True Wireless」ではIPX4準拠で対応。屋外やスポーツ時の使用の親和性が高まっています。
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」は共通して使えます。各種設定やイコライザー調整が行えます。
「CX True Wireless」のみ、「BASS BOOST機能」が追加。簡単に低音を強調したサウンドが楽しめます。
専用ケースのデザインも「CX 400BT True Wireless」をほぼ踏襲。LEDインジケーターはフロント側に移動。
重さはイヤホンが左右合わせて12g、ケースが37g。USB Type-Cチャージングケーブルやイヤーピース(XS/S/M/L)が付属。重さや付属品については両機同じです。
基本的に「CX 400BT True Wireless」の音質を維持したうえで、バッテリー性能、重低音ブースト、防水、片耳使用など、使い勝手の向上がポイントのようです。
「CX 400BT True Wireless」の後継機として十分に納得できる内容に感じます。