ゼンハイザーは、ノイズキャンセリング機能を搭載したBlueoothワイヤレスヘッドホン「HD 450BT」を2020年3月3日に発売します。オープン価格で、予想実売価格は税抜き22,000円程度です。
2017年に発売され、現在は税込み実売価格が22,000円程度の「HD 4.50BTNC」の後継機です。
両機を比較しつつ、「HD 450BT」の特徴やおすすめユーザーを探ってみたいと思います。
「HD 450BT」と「HD 4.50BTNC」はどちらも、ノイズキャンセリング機能を搭載したBlueoothワイヤレスヘッドホンであることが基本的な内容。ゼンハイザーは開放型ヘッドホンを得意としていますが、ここでは、ノイズキャンセリングヘッドホンとしては一般的な密閉型構造を採用しています。
伝統のゼンハイザーサウンドを実現するとともに、定評ある素直な効果のノイズキャンセリングにより声や楽器の質感を損なわない自然な音楽再現が可能と謳います。
ノイズキャンセリングはオン・オフ可能。また、Bbluetoothによるワイヤレスによる接続に加え、付属ケーブルにより、通常の有線ヘッドホンとしても使えます。周波数特性は18Hz~22kHz(-10dB)、感度は108dB。
どうやら、ヘッドホンとしての基本設計や、ノイズキャンセリング部分の性能などには手を入れていない印象です。
デザイン自体は黒を基調にしたシックなカラーに、超ロングセラーヘッドホン・HD 600を密閉型にしたようなシンプルなデザイン。ゼンハイザー愛好家にとっても、ごく一般的なユーザーにとっても特に違和感は感じないでしょう。ホワイトカラーも用意されています。
Bluetoothヘッドホンとしては違いがあります。「HD 4.50BTNC」ではBluetoothのバージョンは4.0で、通信範囲の広さを示すclassの表記もありませんでした。「HD 4.50BTNC」ではワイヤレス通信範囲は10mとしていました。
一方、「HD 450BT」では、Bluetoothのバージョンは5.0と新しくなり、送信機器側が5.0以上の場合は、4.0を上回るワイヤレス通信の安定性が期待できます。
また、Bluetooth Class 1と明示。最大100mの範囲でワイヤレス接続できるようになりました。
対応コーデックも追加。「HD 4.50BTNC」でのSBC/aptXに加えて、新たにaptX LLに対応。aptX LL送信機器との組み合わせにより、動画視聴時にも気にならない程度の低遅延での受信が可能です。また、AACにも対応し、iPhoneをはじめとするiOSデバイスとの親和性も高まりました。
NFC、マルチペアリングといった従来からの便利機能は継承しています。もちろん、スマホでのハンスフリー通話や、各種リモコン操作も可能です。
Bluetooth接続時やノイズキャンセリング使用時に気になるバッテリー性能は、「HD 450BT」では大幅に向上。
「HD 4.50BTNC」ではBluetooth+ノイズキャンセリング使用時で19時間、Bluetoothのみなら25時間の使用が行えるとしていました。
「HD 450BT」ではBluetooth+ノイズキャンセリング使用時で30時間と大幅に伸びています。
充電時間はどちらも2時間ですが、「HD 450BT」では急速充電に新たに対応。充電端子も「HD 450BT」では新たにUSB-Cになっています。
バッテリー性能の影響なのか、本体重量は「HD 4.50BTNC」の225gから、「HD 450BT」では238gとわずかに重くなっています。
「HD 450BT」ではゼンハイザーが独自に開発した「Smart Control」アプリに新たに対応。イコライザーによるサウンドのカスタマイズや、ファームウェア更新ができるようになっています。
「HD 450BT」がおすすめなユーザーは?
価格上昇はあまりないにも関わらず、総じて改良された部分が多い印象です。これから買いたい人で「HD 450BT」と「HD 4.50BTNC」で迷っている人は「HD 450BT」を選ぶので良さそうです。特に、iPhoneユーザーや動画視聴に使いたい方が向いています。
Bluetoothやノイズキャンセリング使用はメインではなく、密閉型の有線ヘッドホンとしての使用がメイン、というのであれば、今後、「HD 4.50BTNC」が安くなるのであれば、あえて狙うのも悪くはないかもしれません。
ゼンハイザーは他のメーカーに比べて、クラシックをはじめとするアコースティック系音楽の再現性が高いことが特徴です。一方、ノイズキャンセリングの性能や、Bluetooth接続時に音源を高音質化する機能のような、高性能さの誇示や凝った回路は搭載していません。
それでも、ゼンハイザーが人気メーカーなのは、やはり、その音楽性の高い再生能力によるところが大きいようです。自分の良く聴く音楽ジャンルも加味した上で、他のメーカーとも比較して選ぶのがゼンハイザーをうまく使いこなすコツになりそうです(ノイズキャンセリング・Bluetoothヘッドホン+SENNHEISER)。