SHANLINGはブックシェルフスピーカー「JET1」を2023年6月23日に発売。オープン価格で税込みの実売価格は8万円程度。
外形寸法は241×203×156mm、重量は片側で3.75kgのパッシブスピーカー。インピーダンスは4Ωで、推奨アンプ出力は25~50W。周波数特性は、65Hz – 25kHz(±3dB)、感度は84dB(1m @2.83V)。
ツイーターには、AMT(Air Motion Transformer)を採用。いわゆるハイルドライバー方式の発音構造で、強磁場設計とフィルムを蛇腹状に折りたたんだ振動板を組み合わせたもの。一般的なダイナミック型に比べて歪みが少なく、精巧な空間表現とスピード感のある緻密で繊細なサウンドを実現できるとしています。
ウーファーには4.5インチ(11.5cm)ユニットのコーン型を採用。「パワフルで豊かな低⾳と中音を表現し、タイトでバランスに優れた、サウンドを実現した」としています。
温度変化によるサウンドへの影響を排除するため、エンクロージャーには、密度管理を徹底した高密度MDF材を採用。堅牢な構造で共振を抑え、ナチュラルなサウンドを実現したとしています。フロントバッフルはアルミ製で品位感と音質に有利な制振性を備えています。
バスレフ型で、ポートは背面に搭載。
内部配線には厳選した14AWGハイブリッドカッパーケーブルを採用。スピーカーターミナルにもハイクオリティなパーツを使っているとしています。
スパイクが付属し、スピーカー接地面への振動伝達を抑制・制御する。スパイクは着脱式。ほか、マグネット式サランネット、スピーカーケーブルを2個ずつ同梱。
「JET1」はパッシブスピーカーですから、音を鳴らすためには外部のアンプが必要です。本機は一般的なスペックとスピーカー端子を備えていますから、どのようなアンプでも音は鳴らせるでしょうが、メーカーが本機との組み合わせを想定した推奨機器も同時発売しています。
それが「オールインワンミュージックセンター」の「EA5 Plus」。
要はコンパクトな(外形寸法は238×188×55mm)DAC/ネットワークオーディオプレーヤー内蔵プリメインアンプ。ただ、似たような機能の製品もあるなかで違うとすれば、カスタマイズされたAndroidをOSとして搭載していることによる機能性や利便性でしょう。多機能なAndroid DAPを内蔵したプリメインアンプといったところでしょうか?
機能性はともかく、「JET1」に最適化された音質チューニングのDACアンプと言えるでしょうから、「JET1」に組み合わせたい機器はまずは「EA5 Plus」ということでいいのではないでしょうか?
スピーカー駆動用のアンプは、デンマークICEpower製のアンプモジュール「100AS2」を採用。100W×2(4Ω)と出力も十分です。
AMT(Air Motion Transformer)、いわゆるハイルドライバー方式のツイーターを搭載していることが最大の特徴でしょう。低歪みで繊細さや透明感の高さが魅力のツイーターであり、本機のサウンドの全体的な性格を特徴づけているようです。
一方、低域は通常のコーン型を採用し、11.5cm口径とそれほど大きくなく、小口径でも低域のスペックを欲張るような設計も採っていないため、低音は不足気味に聴こえやすいようです。
ただ、低域を欲張らない分、能率が低くなりすぎないこともあり、小型スピーカーとしてむやみにアンプにパワーを要求しない点もあるので、組み合わせる機器の選定の幅は広そうです。
Shanlingはもともと単品コンポのノウハウや実績のあるメーカーだけに、コンパクトな単品コンポとしてうまくまとめた印象です。最近のポータブルオーディオに注力したShanlingしか知らない人には意外な存在かもしれませんが。