シャープ(SHARP)は、ハイトスピーカーを搭載しながら、横幅520mmのコンパクトサイズに抑えたDolby Atmos対応サウンドバー「HT-SB700」を、2023年11月25日に発売。税込み実売価格は30,000円前後。
「HT-SB700」は、サウンドバー単体で2.0.2chを実現し、別体のサブウーファーは付属しない1本バータイプのサウンドバーです。横幅52cm×高さ7.2cm×奥行き11.3cm、重さ1.7kgという、軽量・コンパクトな筐体設計を実現しています。そのため、テレビの前に置いても圧迫感を与えず、設置が容易です。
サウンドバー本体に、音を天井に反射させるハイトスピーカーを搭載しています。これにより、サウンドバー単体で高さ方向の音も再現することができます。
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)とは、メインスピーカーのほかに天井スピーカーなど、複数のスピーカーから音を出すことで、頭上や背後からの音も再現する立体音響技術です。HT-SB700は、Dolby Atmosに対応しており、映画やゲームなどのコンテンツを、より臨場感あふれる音で楽しむことができます。
HT-SB700のドライバー構成は、出力20Wのフロントスピーカー×2、同15Wのハイトスピーカー×2の合計4基で、いずれもフルレンジです。フロントスピーカーには、バスレフダクト構造を採用し、低域の表現力を高めています。
サブウーファーは別体ではありませんが、フロントスピーカーとハイトスピーカーの組み合わせにより、低音から高音までバランスの良い音を再現することができます。
対応音声フォーマットはDolby Digital/Dolby Digital Plus/Dolby TrueHD/Dolby Atmos/MPEG-2 AAC/PCM(最大7.1ch)。DTS系には対応していません。
HT-SB700は、MUSIC/CIEMA/DIRECT/NEWS/NIGHTといった、コンテンツや好みに合わせて5つのサウンドモードが選べます。
MUSICモードは、音楽をより豊かに楽しめるモードです。CIEMAモードは、映画やドラマなどの映像コンテンツをより臨場感あふれるサウンドで楽しめるモードです。DIRECTモードは、原音に忠実なサウンドで楽しめるモードです。NEWSモードは、ニュース番組などの音声をより聞き取りやすく楽しめるモードです。NIGHTモードは、夜間にテレビを見たり音楽を聴いたりするときに、音量を下げても音声が聞き取りやすく楽しめるモードです。
HT-SB700は、ワイヤレス機能として、Bluetooth 5.3に対応しており、音声コーデックはSBC/AACの再生が可能となっています。スマートフォンやタブレットなどのBluetooth搭載機器から、ワイヤレスで音声を再生することができます。
HT-SB700は、テレビ「AQUOS」のリモコンでも操作できる「AQUOSファミリンク」にも対応しています。AQUOSファミリンク対応のテレビと組み合わせることで、テレビのリモコンでサウンドバーの電源のオン/オフや音量調整、サウンドモードの切り替えなどを簡単に行うことができます。
HT-SB700には、テレビのリモコン受光部がサウンドバー本体で隠れてしまっても、テレビリモコンの操作を可能にするという拡散シートが付属しています。テレビのリモコン受光部を拡散シートで覆うことで、テレビリモコンの赤外線がサウンドバー本体に遮られずにテレビに届くようになります。
HT-SB700の主な入出力端子は、HDMI×1、光デジタル音声入力×1、ステレオミニ×1です。HDMI出端子は、eARC/ARCに対応しています。
HT-SB700はコンパクトながらもDolby Atmosに対応しており、立体的で臨場感あふれるサウンドを楽しむことができたという評価が見られます。
純粋な音楽再生用としても自然さと迫力を両立したサウンドで、とくに薄型テレビの内蔵スピーカーとは比較にならないほどの実力を備えていると評価されています。
コンテンツや好みに合わせて音質を調整できる点や、ワイヤレス機能やAQUOSファミリンクに対応しており、使い勝手が良いことも評価されています。
Dolby Atmos対応モデルとしては軽量・コンパクトな筐体設計で、設置が容易なことも評価を高めているポイントです。とくにDolby Atmos対応サウンドバーは幅80cm前後のモデルが多いなかで本機の幅52cmは特筆できるコンパクトさです。
一方、HT-SB700は、別体のサブウーファーは搭載されていません。そのため、低音の迫力に欠けるという評価があります。
HT-SB700は、音を天井に反射させるハイトスピーカーを搭載しています。しかし、天井に十分な反射がなければ、高さ方向からの音が十分に感じられないという評価があります。つまり、設置環境や状況によってはうまく音の立体感が感じられない場合があるということです。
また、リアスピーカーや天井スピーカーを実際に設置したサラウンド環境とは立体音響の再現性に差があるという感想もありますが、これは価格や製品の形式を考えればやむを得ないところで、無い物ねだりと言えるでしょう。
フロント完結型のサウンドバーの中には、追加で別体のサブウーファーやリアスピーカーを追加できるタイプもありますが、本機では対応していません。そういう意味では拡張性はあまりないモデルと言えるでしょう。
そのほか、機能面ではWi-Fiやネットワークオーディオ、USB入力などに対応していない、簡単な壁掛けに対応していないといったところを欠点に捉える向きもあります。
HT-SB700は、以下のようなユーザーにおすすめです。
テレビの音質を3万円程度の予算で向上させたい人
コンパクトなサウンドバーを探している人
シャープの液晶テレビと連携性の高い外部スピーカーを求める人
Dolby Atmosの立体音響を3万円程度の予算で一本バータイプのサウンドバーで楽しみたい人
3万円程度のサウンドバーの予算でハイトスピーカー搭載にこだわりたい人
使い方としては、テレビでの映画やドラマなどの視聴に最適です。ハイトスピーカーによる高さ方向からの音響により、Dolby Atmosコンテンツを臨場感あふれる音を楽しむことができます。また、テレビの再生音を大きく底上げできるため、テレビでの音楽やゲームの再生にもおすすめです。
しかし、低音の迫力やハイトスピーカーの効果を重視する人は、別体のサブウーファーや、リアや天井に追加スピーカーを設置できるサウンドバーを検討するとよいでしょう。その分予算も高くなります。
HT-SB700は3万円でこれだけできる、という意味では十分にコストパフォーマンスの高い実力機と言えるでしょう。