Shure(シュア)は「AONIC 215完全ワイヤレス高遮音性イヤホン 第2世代」を9月24日に発売しました。税込みの実売予想価格は税込29,920円前後。トランスルーセントブラック、トランスルーセントブルー(スペシャルエディション)の2色をラインナップ。
従来モデル「AONIC 215」(第1世代)の後継機。
従来機「AONIC 215 第1世代」と比較しての違いを交えつつ、「AONIC 215完全ワイヤレス高遮音性イヤホン 第2世代」(以下「AONIC 215 第2世代」)の内容や特徴をご紹介。
両機とも基本的に、有線イヤホンの超定番モデル「SE215」にMMCX接続タイプの完全ワイヤレスイヤホンアダプターを付属しているモデル。
「AONIC 215 第2世代」では完全ワイヤレスイヤホン化するアダプター部分(「RMCE-TW2・完全ワイヤレスセキュアフィット・アダプター 第2世代」として単売にも対応・税込み実売価格は2.5万円程度)が新しくなっており、多くの改良や機能向上が図られています。
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Bluetooth機能は前モデルと同等で、Bluetooth 5.0を採用。コーデックはSBC/AAC/aptXに対応。そのほか、内蔵DACとヘッドホンアンプ部についても同等で、基本的な音質は同一とされています。
ヘッドホンアンプ部については、Bluetoothレシーバー機器で一般的なSoCチップ内蔵の流用ではなく、シュア自身が設計した外付けアンプを搭載しているため、同様製品のなかでも高音質であることが魅力となっています。
連続再生時間は約8時間。付属のケースに入れて3回分の充電ができ、合わせて最大32時間使用できます。このあたりのバッテリー持ちも同様。
第2世代では15分の充電で約1時間再生可能な急速充電にも対応しています。
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第1世代で不安定とされることもあった、充電の安定性と、ワイヤレス接続の安定性を改善したと謳っています。
ワイヤレスアダプター部に物理ボタンを備え、音楽の再生/停止や曲送り、音量調整などの各種操作が可能。この操作系の基本は同様。
ただし、ボタン操作のコントロールのパターンが増えており、操作できるコマンドが多彩になっています。第2世代では、プッシュ回数ごとにシングル/ダブル/トリプルプッシュで割り当てられ、さらにシングルプッシュ+長押し(左イヤホン操作で音量ダウン、右イヤホン操作で音量アップ)が加わることで、従来機ではできなかった音量調整が可能となりました。また、通話中のマイクミュートもボタンで行えるようになりました。
また、このボタン操作に割り当てる機能を専用アプリから任意に変更できるようになりました。左右それぞれ3種類ずつ、合計で最大6種類の操作を割り当てることができます。
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外音取り込み機能も引き続き搭載。外音取り込み機能は従来同様にアプリから効果のレベルを調整することもできます。また、音楽再生を停止すると自動で外音取り込みがオンになる「PausePlus機能」が新搭載となっています。
通話機能も強化。左右各2基ずつ計4基のビームフォーミングマイクを搭載し、新たに両耳から通話できる「ステレオコール」に新対応。また、左右どちらかだけを装着して通話することもできるようになりました。従来は通話は右側イヤホンのみの対応でした。通話品質そのものも向上しているとしています。
新たにIPX4防滴性能を装備。汗や水などの影響を受けず、ランニングなどに使用できるとしています。イヤホンをケースから取り出すだけですぐ使える、自動電源オン機能にも新たに対応。
従来からスマートフォン用アプリ「ShurePlus PLAY」により、外音取り込みのオンオフ、ボタン操作のカスタマイズ、EQ(イコライザー)設定などが行えましたが、上記のようなアプリ対応機能の追加に加えて、EQ機能が大幅に強化。
一般的なグラフィックイコライザーとは異なり、“パラメトリックイコライザー” を採用。これはShure製品の中ではフラグシップモデル「KSE1500」などにも用いられていて、より高度な音響調整が行えるのがメリットです。
また、アプリで設定したEQ値をイヤホン(ワイヤレスアダプター)本体に送信して保存・適用するため、例えば音楽ストリーミングサービスなど、ShurePlus PLAYアプリを通さない外部プラットフォームでもEQ値が有効な状態で音楽を楽しめるのも大きな特徴です(アップデートで対応予定)。
音声ガイドの言語・音量などをカスタムできる「ShureTones」機能も新搭載。音声ガイドの音量に不満を覚えることは少なくないのでありがたく実用的な機能と言えるでしょう。
従来機の第1世代モデルは、シュア初の完全ワイヤレスイヤホンとして大きな注目を浴びました。また、MMCX端子を活用した合理的な設計もシュアならでは。ところが、音質以前に初期ロットで不具合がありリコール(回収)などのゴタゴタがあり(のちに再発売)、少々残念な結果となっていました。
不具合がなくとも、本体でボリューム操作ができない、接続安定性に欠けるという感想などもあり、今一つ、という印象もあったかもしれません。
そんな中での第2世代機。見た目はほとんど変わっていないように見えますが、機能、使い勝手面では第1世代で気になったところを悉く改善し、隙がないほどの出来に見えます。
両機の比較ではやはり第2世代を選びたいところです。
第2世代機を最新の完全ワイヤレスイヤホン単品で見ると、もう少し最新コーデックに対応して欲しかったかもしれません。LDACは無理でもaptX Adaptive対応機は低価格品機でも他社では出てきていますから、シュアにも対応はして欲しかったところです。
なお、シュアは「AONIC 215 第1世代」と、アダプター部分の第1世代機・RMCE-TW1を、第2世代の発売を記念して値下げしました。税込みの実売価格はイヤホンが23,100円前後、アダプターが18,920円前後です。