中国のS.M.S.L.は、据え置き型のDACプリアンプ「SMSL D300」を45,600円で国内発売開始しています。
USBをはじめ、SFDIFやBluetoothワイヤレス入力にも対応するDACプリアンプ。本体サイズ:208x185x41mm、重さ:1.05Kg。
出典:Amazon
本機の最大の特徴は、DACチップにローム(日本)のフラッグシップチップ・「BD34301EKV」を採用していること。現代最高峰の性能を有する高性能チップですが、まだほとんど製品への搭載例がないなかでの登場。
「BD34301EKV」を採用している既存機は、ラックスマンのSACDプレーヤー「D-10X」(120万円)という高額機のみのなか、わずか4万円台の本機に搭載されていることも話題となっています。
なにしろ、「BD34301EKV」はサンプル価格で1個9,000円、評価ボード込みでは10万円という高価なチップであり、その価格を考えると「SMSL D300」は相当な価格破壊機であることだけでも大いに話題になっています。
数万円から10万円以内のDACでもAKMやESSの最上位チップを搭載した中国メーカー製DACが溢れている状況もあり、既存の定番チップ以外の高音質なDACチップの音を聴いてみたいという(愛好家的なマニアックな)ニーズのうえでも注目です。
出典:Amazon
DACチップ以外の本機の内容としては、
入力:USB/光/同軸/Bluetooth
出力:RCA/XLR
で、USBプロセッサー「XMOS XU208」を搭載することで、USB接続時は32bit/768kHzのハイレゾPCMとネイティブDSD512のデコードに対応しています。MQAには対応していません。
対応OS(USB接続):Window7/8/8.1/10/Mac OSX10.6以降/Linux/Android(otg)/ios(AppleLightning-USB camera kit)と幅広い機器とUSB接続が可能。
クアルコム社製Bluetoothチップを搭載し、LDAC、AptX HD、AptX、AAC、SBCコーデックの受信に対応しています。
また、新開発のクロック処理回路「CK-03」を搭載。USB、同軸、光などすべてのインターフェースにおいて、超低ジッターを実現しています。
アナログ音声出力は、固定ボリューム(ラインアウト)と可変ボリューム(プリアウト)を選択可能。デジタル入力専用のプリアンプとしても使えます。
リモコンも付属。手元から入力切替やボリューム調整、そのほかの設定が可能です。
性能の目安となる各種物理スペックは以下のとおり。非常に優秀です。
THD+N:0.00015%(-116dB)
ダイナミックレンジ:XLR:127dB RCA:125dB
SNR:XLR:127dB RCA:125dB
出力インピーダンス:XLR:200Ω RCA:100Ω
購入者の音質レビューでは、やはり、「BD34301EKV」ならではの音質を求めて本機を購入したというユーザーが多いようで、すでにAKMやESSのチップを積んだDACを使っている、使ったことがある人が多いもよう。
そんな耳の肥えた、DAC機器も使い慣れている手ごわいユーザー相手でも、本機は、その特有の音質で高い評価を得ているようです。
具体的には非常に癖が少ないながら、奥行きや響きの美しさを特筆する人がおり、オーソドックスながらも美音調の方向性が感じ取られます。ラックスマンが「BD34301EKV」をフラッグシップSACDプレーヤーで採用したのも頷けるような感じです。