Sonosは、ワイヤレス接続対応のアクティブスピーカー「Sonos Five」を2020年秋に発売します。価格は58,800円(税抜)。ブラックとホワイトの2色展開。
現行機「Sonos Play:5」(同価格)の後継機。
「Sonos Five」と「Sonos Play:5」を比較しての違いも踏まえつつ、「Sonos Five」の特徴をご紹介します。
「Sonos Five」と「Sonos Play:5」は基本的な内容や機能はほぼ同様。内蔵メモリの増加、処理性能の高速化、ワイヤレスエリアの拡大など、おもに動作の速度や快適性に関わる部分です。
それだけ、従来からの完成度が高いという自信の表れかもしれません。
以下の「Sonos Five」の内容や特徴も、ほぼ「Sonos Play:5」を踏襲したものになっています。
外形寸法は364W×203H×154Dmm、質量は6.36kg。スピーカーは横にも縦にも置けますが、1台で使う時は横に置くことで広がり感に優れたステレオ再生が楽しめます。また、本機を2台用意してそれぞれ縦置きすると、それぞれが右チャンネルと左チャンネルの音声をモノラル再生することで、より本格的なステレオ再生が楽しめる仕組みにもなっています。
1台で手軽にステレオ再生を楽しむことも、2台用意してさらに音質を追求したサウンドも堪能できるようにもなっています。
スピーカーは低音の締まりに優れた密閉型を採用。とかくコンパクトなスピーカーの多くは低音感を増そうと、バスレフ型が多いことを考えると特筆できます。
ユニットは3基のウーファーと3基のトゥイーターを搭載しており、一体型スピーカーでも音の広がり感を高められるフェーズドアレイ配置を採用しているのも特徴です。
内蔵アンプは高効率なD級。しかも、6つのユニットそれぞれに6つのアンプで駆動するという贅沢な仕様。ピュアオーディオでいうマルチアンプ駆動に準ずる内容と考えられ、サイズや価格を考えると非常に凝った構成と言えます。
ネットワークは、Wi-FiはIEEE 802.11b/g(2.4GHz)に対応。また10/100Mbpsのイーサネットポートも備えています。基本的にWi-Fi対応のネットワークオーディオプレーヤーであり、iPhone/iPadなどアップルのデバイスから音声コンテンツをWi-Fi経由でキャストできるようになるアップルのAirPlay 2にも対応しています。Alexaと連携する音声コントロール機能も搭載しています。
3.5mmのライン入力端子も搭載しているので、一般的な有線接続タイプのアクティブスピーカーとしても使えます。
iOSデバイスのマイクを使って、部屋の音響特性を測定したのち、部屋や再生する音楽などに合わせて音を自動チューニングする「Trueplay」機能も搭載。後述の専用アプリにて音質の詳細なマニュアル調整も可能。
操作は、専用スマホアプリ「Sonosアプリ」で行えます。本機では最新の「S2アプリ」での操作に対応。多彩なストリーミングサービスへの対応と自在で洗練された操作系によって、多機能を簡単に操れます。本体にはタッチセンサー対応の操作部も備えています。
Sonosはとにかく、アメリカをはじめとした海外で急速に人気を高めているオーディオメーカー。いわゆるピュアオーディオ志向ではなく、ほどほどの価格で勝負しているメーカーですが、ストリーミングサービスへの対応度の高さや専用アプリの機能性・完成度、高品位で簡単な自動音場補正機能、Sonos機器どうしを複数台連携しての拡張性の高さなどが相まって、存在感は高まるばかりです。
雰囲気としては往年のBoseが最新のストリーミングやスマホアプリの機能性や洗練を身に着けたようなイメージもあります(Sonosに人気があるということは、Bose自身がそれをうまくできなかったとも言えましょう)。
あまり物理的なスペックや数値を発表しない点もBoseに似ているようです。本機も内蔵アンプの出力やスピーカーの再生周波数範囲なども見当たりませんし。
それでも、最新の高品位サウンドバー「Sonos Arc」ではドルビーアトモスやハイレゾ再生対応を謳うなど、オーディオ的な高性能化も進んでいるように見えます。
「Sonos Five」も、一般的なホームオーディオ用スピーカーとしては十分な機能を音質を備えているように思えます。音にうるさい本格的なオーディオ愛好家にとっても、サブ機やリビング用にもできそうです。
なぜか、普及度の高いBluetoothには対応していないのはメーカーの見識なのかもしれません(アクティブスピーカー+Sonos)。