Sonos(ソノス)は、手持ち機器をネットワークオーディオ化できる単品コンポ「Sonos Port」を発売開始しました。直販価格は46,800円(税抜)。
ネットワーク機能非対応のアンプなどでもネットワークオーディオプレーヤー機能を追加できることに加え、音楽配信サービスを利用できるようにしたり、CDプレーヤーやアナログプレーヤーなどからのアナログライン信号をワイヤレスでBluetoothスピーカーに送信/再生するなどといったことができる多機能コンポ。
サイズが41 x 138 x 138 mm、重量は0.472 kgと軽量・コンパクト。端子類にはライン(RCA)入出力と同軸デジタル出力、LAN端子、12Vトリガー端子を装備。802.11b/g、2.4GHzのWi-Fi接続にも対応します。
アナログ出力を活用する際は、従来からある単体ネットワークオーディオプレーヤーと変わりませんが、同軸デジタル出力を活用してデジタル入力機器と接続すれば、ネットワークトランスポートとなります。
また、一般的なネットワークオーディオプレーヤーとは異なり、アナログ入力があるのも特徴。入力されたアナログ信号をBluetoothで飛ばせるため、Bluetoothヘッドホンやスピーカーなどとの組み合わせでワイヤレスリスニングが楽しめます。
ネットワーク設定など各種操作を行えるスマートフォン向け無料アプリ「Sonos」に対応。ネットワークオーディオプレーヤーとしての多彩な機能を使いやすく操れます。
Apple AirPlay 2にも対応。iPhoneやiPadからサウンドをストリーミングしたり、Siriに声をかけてApple Musicを再生したりすることができます。
AlexaやGoogleアシスタントにも2020年中に対応予定。
Sonosは、欧米では人気の高いオーディオメーカーです。新興メーカーながら、最新のオーディオ事情に通じた機能性と専用アプリを軸にした洗練された操作系、コスパに優れた音質により急激に台頭してきました。
Wi-Fi接続対応のワイヤレススピーカーが得意で、Spotifyや、Apple Music、Google Play Music、Amazon Music、TuneInなど、100種類以上のストリーミングサービスに横断的に対応し、アプリ経由で簡単に再生ができる点が支持されている要因のひとつです。家庭内に設置した複数のスピーカーに配信が行えるのも特徴です。
スマホアプリを使ってビームフォーミングを使用した「Trueplay」と呼ばれる音場補正機能もあり、音質面も侮れません。
要は急激に普及しているスマートスピーカー領域で、既存の大メーカーよりも機能性にも音質にも優れるのがSonosの魅力と言えましょう。
日本にも2018年に上陸。何機種がスピーカーを中心に発売しています。ただ、欧米のようにはまだ日本では人気は高まっておらず、認知度を高める段階にあります。
海外の家屋の部屋数が多く、部屋も広いという条件のなかで、マルチルーム再生が支持されている面もあり、住宅事情や音楽再生事情が異なる日本ではこの点で苦戦しているのかもしれません。
また、日本でも音楽ストリーミングサービスも広がってきていますが、たくさんのサービスに対応している必要を感じないユーザーが多いことも関係しているでしょうか。複数のサービスを横断的に検索して聴くという習慣もあまりないようですし。
音声操作可能なスマートスピーカー機能も搭載していますが、これも日本ではプラットフォームを提供しているメーカー自身のスマートスピーカーを使う人が多いこともあります。
Sonosのコンポは、間違いなく機能面では国内メーカーにはないような利便性と完成度の高さがあり、日本でもちょっとしたきっかけで人気が出る可能性はあります。Sonosの今後にも注目したいところです。
「Sonos Port」に対しては、あえて言えば、USB出力を搭載し、USB-DACをネットワークオーディオプレーヤー化できる機能があればなお面白かったかもしれません。これがあれば、USB入力を備えた高級なDACをSonosのコンポ化できます。
USB出力を備えたネットワークオーディオプレーヤーは技術的な理由からか少ないのですが、Sonosならできるはずです。
ただ、Sonosは、いわゆるオーディオマニア的な機器ではなく、スマートスピーカーをはじめとする、一般的なホームオーディオ的な機器を重視しているように見えるので、たとえ技術力があっても、あまりマニアックな使い方をするような方向性の機器は出さないのかもしれません(ネットワークオーディオプレーヤー+Sonos)。