ソニーは、新開発の“認知特性プロセッサー”「XR」を搭載する4Kテレビ「BRAVIA XR」シリーズを発表。
そのうち、液晶テレビの2シリーズ「X95J」「X90J」について、比較しての違いを交えながら内容・特徴をご紹介。
■X95Jシリーズ
・XRJ-85X95J(85型)605,000円前後 6月12日発売
・XRJ-75X95J(75型)473,000円前後 6月19日発売
・XRJ-65X95J(65型)352,000円前後 7月31日発売
■X90Jシリーズ
・XRJ-75X90J(75型)385,000円前後 5月22日発売
・XRJ-65X90J(65型)297,000円前後 5月1日発売
・XRJ-55X90J(55型)264,000円前後 5月1日発売
・XRJ-50X90J(50型)209,000円前後 4月24日発売
今回、ソニーは有機ELテレビ、および4K液晶テレビの上位シリーズ(「X95J」「X90J」)において、映像エンジンを一新。新プロセッサー「XR」を搭載しています。人の認知特性に基づく分析も行う「XR Picture」、映像とともに音も同時に処理できる「XR Sound」から構成。
この「XR」プロセッサーを搭載しているテレビをBRAVIA XRとして従来から差別化し、従来以上の高品位をアピールしています。
新プロセッサー「XR」は人間の認知特性を取り入れた処理を行うようになったことを特徴としています。
「現実世界で人がものを見たときに脳で行われる認識や、音を聞いたときに立体的な音響を感じ取るプロセスを目指した処理を行う」としていて、要は、従来の処理が機械的なものであったものを、より人間が自然に感じ取れる処理に高度化したということのようです。
従来は色やコントラストといったような映像信号を個別に処理していたものを「XR」ではまるで人の脳のように映像信号を横断的に分析するという原理だそうです。
「XR」プロセッサーの効果は画質だけでなく、高音質化にも寄与しているというのも従来までのプロセッサーとは異なります。
倍速120Hz駆動のパネルを採用。バックライトは直下型で部分駆動にも対応。入力遅延が8.5ms。HDRのHDR10/HLG/Dolby Visionの表示に対応。明るさセンサーも備えています。
「XR」プロセッサーは、サウンドも処理。高級オーディオにも採用されるDSPも新搭載。それぞれのスピーカーに最適な帯域を割り振ることで、定位感の向上を実現したとしています。あらゆる音源を臨場感あるサウンドにする「XR Sound(エックスアール サウンド)」として高音質化をアピールしています。
Dolby Atmosに対応するため、対応コンテンツでは3次元的なサウンドが楽しめることに加え、2chステレオ信号も独自のアップミキサーで、5.1.2chへアップスケーリング可能な「3D サラウンド アップスケーリング」機能も新搭載。
音声面では、「Acoustic Multi-Audio」を両シリーズとも昨年モデルから引き続き搭載。まるで画面から音が出ているかのように音像を定位させられます。
音質を環境に応じて自動調整する「音場調整」機能も搭載しています。リモコンに搭載されているマイクを使用する本格的なものです。
ソニーの近年のテレビというとAndroid OSによる多機能性も魅力ですが、今回はGoogleの最新スマートテレビOS「Google TV」を新搭載(Chromecast with Google TV相当の機能を内蔵)。基本的にAndroid OSであることに変わりはありませんが、YouTubeやNetflixなど各サービスのアプリが並んでいた従来のUIから、各サービスを横断してコンテンツをレコメンドしてくれる新UIになるなど、より使い勝手の向上を図っています。サービス会社別ではなく、「番組」「映画」といったコンテンツ別で表示されるので、好みの動画にすばやくアクセスできるメリットがあります。また、Googleアシスタントを搭載し、音声での操作が可能です。
Chromecast built-in、Apple AirPlay 2、Apple HomeKit、Amazon Alexaに対応。
購入特典として、BRAVIA XRシリーズ専用コンテンツサービス「BRAVIA CORE(ブラビアコア)」も提供。ソニー・ピクチャーズの最新作や過去の名作などを配信で視聴できます。最大4K HDRの高画質で2年間見放題で見放題対象外の最新映画など10作品が見られるチケットが貰えます。
新4K衛星放送チューナーおよび地デジ/BS/110度CSチューナーを3基ずつ搭載。外付けUSB-HDDへの4K放送2番組同時録画も行えます。2K/4K放送を問わず2番組同時録画と1番組の視聴が可能です。
HDMI端子はHDMI 2.1に規定される各項目のうち4K/120p、VRR(可変リフレッシュレート)、ALLM(自動低遅延モード)、eARCに対応。なおVRRは発売後のソフトウェアアップデートでの対応を予定しています。PS5などの最新ゲーム機への対応はこれで万全です。
なお、4K/120Hz入力対応になっているのはHDMI入力3と4だけです。
明るい部分を、より明るく映し出すための回路である「XR Contrast Booster」の性能を表す数値が、X95Jでは「XR Contrast Booster10」、X90Jでは「XR Contrast Booster5」となっています。
「X95J」シリーズでは、新たに低反射パネルによる「X-Anti Reflection」を採用。明るい環境下において正面から視聴している時に、暗いシーンが白っぽくなることや映り込みを防げるようにしています。なお、本仕様は85型と75型への搭載で、65型は採用していません。
また、「X95J」シリーズのみ、独自の高視野角技術「X-Wide Angle」を投入、液晶テレビの弱点であった視野角を改善しています。
両シリーズともに、音声回路自体は同等ですが、X95Jシリーズはアンプを3個搭載の実用最大出力が50Wで、スピーカー構成がミッドレンジ×2(10+10)ツイーター×2(10+10)サブウーファー×1(10)となっています。
一方。X90Jシリーズはアンプを1個搭載の実用最大出力が20Wで、フルレンジ×2、ツイーター×2(10+10)(フルレンジとツイーターが1組で10W×2)と、アンプ、スピーカーの規模が異なっています。
X90Jシリーズはフルレンジで低中高音を引き出せるという「X-Balanced Speaker」という新形状の振動版を搭載。X95Jシリーズはマルチウェイスピーカー化することでワイドレンジ再生を実現しているため不要となっており従って、「X-Balanced Speaker」は搭載していません。
「X95J」シリーズのほうがスピーカー再生におけるレンジ感やパワー感が優れていると言えるでしょう。
「X95J」シリーズの85/75型には、画面の両端/中央寄り/サウンドバー設置用に画面の高さを上げるという3通りの設置が可能な3wayスタンドを、65型には中央寄りポジションを省いた2wayスタンドを採用。
「X90J」シリーズは50型を除いて他サイズに、画面の両端または中央寄り設置が可能な2wayスタンドを採用。
設置バリエーションの多さは「X95J」シリーズと言えるでしょう。サウンドバーとより併用したいのは、本当はスピーカー構成を落としている「X90X」シリーズなのですが、サウンドバー設置用に画面の高さを上げられるのは「X95J」シリーズのみであることに注意しましょう。
サイズ展開は「X95J」が85型、75型、65型で、「X90J」が75型、65型、55型、50型。85型は「X95J」のみとなっています。とにかく大画面を!という方は「A95J」ということになるでしょう。逆に最小サイズの50型なら「A90J」となります。
外形寸法と重量は、X95Jの85型が188.8×45×109.8cm(スタンド外側時)で51.2kg。75型が、166.7×39×97.4cm(標準スタイル)で39.1kg。65型が144.3×33.8×84.8cm(標準スタイル)で28.5kg。
X90Jの75型が167.5×41.5×103.4cm(スタンド外側時)で35.4kg、65型が145.2×35.4×90.3cm(スタンド外側時)で24.6kg、55型が123.3×32.4×78.3cm(スタンド外側時)で18.7kg、50型が111.9×29.6×71.3cmで14.7kg(4Kテレビ+SONY)。