SONY HT-A3000 ワンボディタイプのサウンドバー 定価8.8万円
ソニー(SONY)のサウンドバー・HT-A3000は2022年9月10日に、ソニーストア価格8.8万円で発売されました(2023年現在の税込み実売価格は約6.3万円)。本機の内容とレビュー・音質情報をお届けします。
HT-A3000は外形950×128×64mm(幅×奥行き×高さ)のワンボディタイプのサウンドバー。重量は4.6kg。
3基のフロントスピーカーとデュアルサブウーファーを搭載し、シングルバータイプの細身な形状ながら3.1ch構成を実現。
「360 Reality Audio」と「360 Spatial Sound Mapping」に対応
音楽コンテンツ向け立体音響技術である「360 Reality Audio」再生と、ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に対応しているのが大きな特徴です。
リアスピーカー「SA-RS5」「SA-RS3S」と組み合わせることで360 Spatial Sound Mappingが利用できます。
360 Spatial Sound Mappingとは?
360 Spatial Sound Mappingは、独自のモノポールシンセシス技術と音場最適化技術によってファントムスピーカーを理想的な位置に自動で生成し、サラウンド空間を創出するという技術。「SA-RS5」は左右ともにマイク2基を備え、サウンドバーとリアスピーカーの両方でキャリブレーションを実施。「SA-RS5」本体を移動して設置した場合でも、本体天面にあるオプティマイズボタンを押すだけで、簡単に音場を最適化できます。
これまではソニーのホームシアターシステムで、4本のワイヤレススピーカーで構成された「HT-A9」でしか利用できなかった技術ですが、「HT-A7000」とワイヤレスリアスピーカー「SA-RS5」、あるいは同じくワイヤレスリアスピーカー「SA-RS3S」との組み合わせでも利用できるようになったものです。今回さらに安価なHT-A3000と「SA-RS5」or「SA-RS3S」の組み合わせでも利用できるようになり、いっそう身近になったものです。
3.1ch構成のシンプルなスピーカー構成
HT-A3000はフロントスピーカーをセンターと左右に1基ずつ計3基搭載。センターのユニットを挟むようにサブウーファー×2基を備え、全て楕円形のX-Balanced Speaker Unitを採用。オブジェクトオーディオ用のイネーブルドスピーカー(上向きスピーカー)などは搭載しないシンプルなスタイルです。
アコースティックサスペンション型を採用したフロントスピーカーのユニットサイズは46mm×93mmで、3基ともサイズは同じ。2基搭載されたサブウーファーのユニットサイズは45mm×108mm。独自のデジタルアンプ「S-Master」で実用最大出力は、合計250W。最大出力はフロントが50W×2、センターが50W、サブウーファーが50W×2。省電力なデジタルアンプの採用により、大出力ながら消費電力は50Wと抑えられています。
HDMI出力1系統のシンプルなHDMI端子
インターフェイスは、テレビのHDMI入力と接続するHDMI出力、光デジタル音声入力が各1系統。HDMI端子は、eARC/ARC信号をサポート。HDMI端子は出力のみのため、8K、4K/120p、3D、HDRの信号には対応していません。ステレオミニのアナログ音声入力も1系統備えています。そのほかUSB端子からの音源入力やWi-Fiにも対応。
サラウンドフォーマットはDTS:X、Dolby Atmos、リニアPCM 7.1ch(最大24bit/192kHz)まで対応
サラウンドフォーマットはDTS:X、Dolby Atmos、リニアPCM 7.1ch(最大24bit/192kHz)まで対応。
フロントスピーカーだけでサラウンド環境を作り出す「S-Force PRO フロントサラウンド」と、トップスピーカーやイネーブルドスピーカーを置かずに3次元の立体音響を実現する「Vertical Surround Engine」を同時に駆動させることで、リアルなサラウンド音場を生成するとしています。
部屋の音響特性を自動測定し補正をするソニー独自の自動音場補正技術D.C.A.C.(Digital Cinema Auto Calibration)機能搭載。視聴環境に合わせて最適な音声バランスを自動で実現してくれます。
「アコースティックセンターシンク」機能も搭載
ソニーの4Kテレビ・ブラビアをセンタースピーカーとして用いる「アコースティックセンターシンク」機能も搭載。サウンドバーでのサラウンド再生時にセンターチャンネルの音がテレビの内蔵スピーカーから再生されます。
別売りのサブウーファー追加に対応
別売りのサブウーファー「SA-SW5」or「SA-SW3」を追加して、低音の迫力を増大させることもできます。
Bluetoothやハイレゾ再生関係
USBメモリからの音源再生や、ホームネットワーク上の音源を再生するネットワークオーディオ機能(DLNA)を搭載しています。DSDマルチチャンネルを含むハイレゾ音源再生にも対応。
各種ネットワークサービス、Chromecast built-in、Spotify Connect、Music Serviceボタン 、Works with Google アシスタント、Airplay2に対応しています。Bluetooth 5.0準拠で送受信に対応。コーデックはSBC、AAC(送信のみ)、LDACに対応。
CDやMP3など非ハイレゾ音源を高音域などの音を再現しハイレゾ相当の品位に補完再生する「DSEE HX / DSEE Extreme」を搭載しています。
SONY HT-A3000 レビューサイト
SONY HT-A3000 各種レビューから読み取れる評価・傾向
SONY HT-A3000 各種レビューから読み取れる肯定的な評価のまとめ
ソニーのサウンドバー・HT-A3000の各種レビューから読み取れる肯定的な評価をまとめてみます。
10万円未満のサウンドバー単体のパフォーマンスとして、じゅうぶんに立体感のある音場やダイナミックなサウンド、低音の迫力などが評価されています。また、さまざまな音楽ジャンルや映画のシーンでの再生能力が高く、オーディオエクスペリエンスを向上させることができると評されています。
別売りのワイヤレスサラウンドスピーカーを追加した場合のサラウンドパフォーマンスへの評価が高いのも特徴です。サラウンドエフェクトのリアリティやベースの豊かさなど、空間的な面だけでないリアスピーカー追加のメリットがうかがえます。
また、操作性や多機能性、接続性の良さなども称賛されています。使いやすいリモコンや接続性の良さも評価されています。
以上のレビューから、ソニーのサウンドバー・HT-A3000は、立体感のある音場、ダイナミックなサウンド、豊かな低音、リアルなサラウンドエフェクトなどの音質面で高い評価を得ていることが分かります。また、操作性や多機能性、接続性の良さなども称賛されています。
SONY HT-A3000 各種レビューから読み取れる否定的な評価のまとめ
ソニーのサウンドバー・HT-A3000の各種レビューから読み取れる否定的な評価をまとめてみます。
このサウンドバーの価格が高いと感じるという指摘があります。また、一部の音楽ジャンルや映画のシーンにおいて、音の分離やバランスが改善できる余地があるとも指摘されています。一部のユーザーがサウンドバーの音量レベルが高すぎると感じているという意見も見られます。
また、リモコンの操作性に関して改善の余地があるという意見も述べられています。デザインに関して好みが分かれる可能性も指摘されています。幅の広さから設置に制約があると感じるという指摘もあります。
別売りリアスピーカー追加での360 Spatial Sound Mapping対応化の重要性?
多くのレビューでは、HT-A3000のサラウンド性能をより発揮させるために、別売りのリアスピーカー「SA-RS5」か「SA-RS3S」を追加して360 Spatial Sound Mappingを利用できる環境にした場合のレビューも掲載しています。
追加されたリアスピーカーによる音質的評価は以下のような印象です。
サラウンドエクスペリエンスの向上: リアル設置されたリアスピーカーによって音が背面や側面から再生されるため、より広がりのあるサウンドステージが形成されます。映画や音楽のサラウンドエフェクトがよりリアルに再現され、没入感が向上します。
環境音の再現:リアスピーカーは環境音や効果音の再現にも貢献します。例えば、映画のシーンでの雨音や鳥の鳴き声など、より自然な環境音が再現されることで、映像と音声の一体感が高まります。
立体感と定位の向上:リアスピーカーの配置により、音の位置と動きがより正確に再現されます。音源の位置や動きがリアルに再現されるため、映画のアクションシーンや音楽の演奏において、より立体感のあるサウンド体験を楽しむことができます。
音質に直結する発展性をどうとらえるかが、本機の評価(購入検討)の際のポイント?
総じて本機は、ソニー製の単体サウンドバーとして、価格に見合ったサラウンド再現性や音質、機能性を有した優秀モデルであるということは言えるようです。組み合わせるテレビの適性サイズとしては、43V型から50V型程度とされています。
一方、本機単体でのサラウンド再生能力には限界があり、別売りのリアスピーカー「SA-RS5」か「SA-RS3S」を追加して、360 Spatial Sound Mappingを利用できる環境にして、サラウンド性能を向上させて使えば、本機のポテンシャルを最大限発揮できるような設計になっているようです。
さらに、低音を充実させるために、別売りのサブウーファー「SA-SW5」or「SA-SW3」が用意されていることは、本機単体での低音再生能力の不足を感じる場合もあることも示唆しています。
発展性や伸びしろのあるサウンドバーと言えますが、バータイプ1本の単体で完結させたい向きには中途半端な感覚が残る可能性もありそうです。
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