SOUNDPEATS(サウンドピーツ)は、フラッグシップ・完全ワイヤレスイヤホン「Opera 05」の先行予約販売を応援購入サイトのMakuakeで実施(現在は終了・一般販売待ち)。製品が届くのは2023年6月末頃の予定。一般販売予定価格13,999円。
「SOUNDPEATSが得意とするバランスの取れたリアルサウンドをベースに、さらに臨場感と立体感を追求し、ブランド初の試みである3基のドライバーを贅沢に搭載したプレミアムモデル」と位置づけ。
12mm径のダイナミックドライバー×1基と、バランスドアーマチュアドライバー×2基を搭載したハイブリッド構成のドライバー設計を採用。
音質面で影響の大きいノズルにこだわっているのも特徴。高級イヤホンでの搭載が多いメタルノズルを採用。3基のドライバーと一体化させることで、不要な音の振動や澱みを抑えたクリアな音を実現したと謳っています。
筐体は光沢感のある鏡面仕上げと艶消しのマット仕上げを組み合わせ。ブラックの本体カラーに、傷がつきにくい亜鉛合金を含む5つの素材を使用。PVDコーティングや真空メッキなどの11の塗装を施しています。イエローゴールドのアクセントも特徴。イヤホン本体はIPX4防水。
対応コーデックはSBC、AAC、LDAC。日本オーディオ協会によるハイレゾ認証を取得済み。BluetoothプロファイルはHSP、HFP、A2DP、AVRCP。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を備え、騒音低減効果は最大-30dB。外音取り込み機能も搭載。マイクも備え、ハンズフリー通話が可能。本体操作はタッチ式。
専用アプリ「SOUNDPEATS」を用いて、サウンドのイコライジングも可能。アプリ内では「ロック」「クラシック」など8種類のイコライザーに加え、ユーザー自身での調整も可能。
10分の充電で約1時間の再生が可能。バッテリーの持続時間はイヤホン本体だけで最大9時間、充電ケースの併用で最大33時間。充電端子はUSB-C。
リーズナブルで高性能・高機能なハイコスパモデルを得意とするSOUNDPEATSのフラッグシップ完全ワイヤレス。価格の安さが売りということもあり、フラッグシップながら一般価格1万円台前半という手ごろさ。
この価格でLDAC対応は珍しくありませんが、BAとダイナミック型のハイブリッド構成、しかもBAはマルチドライバーとなるとかなり安いという印象。そもそも、完全ワイヤレスイヤホンでのハイブリッド構成モデル自体少なく、価格に関係なく希少な存在です。
SOUNDPEATS Opera 05 再生音質に関しては、肯定的なものが大半です。音質傾向としては、ワイドレンジで情報量の多いサウンドを基本に、低音、高音ともに明瞭でクリアであるというもの。ハイブリッド構成によるワイドレンジ化や、BAドライバーの採用による高域再生能力の高まりが功を奏しているものと思われます。
LDACコーデック使用時には、音の情報量の高まりもしっかりと感じられるようで、本機のポテンシャルを生かすためにも、ハイレゾ音源をLDAC接続で使いたいところです。
SOUNDPEATSのような高くても1万円台までの完全ワイヤレスイヤホンをメインにリリースしているメーカーの音作りにはありがちですが、本機も、他社の高級機に比べるとフラットな感じよりは高音・低音ともにやや強調されているような、いわゆるドンシャリ的な傾向はあるようです。また、他社の数万円クラスの高級機とは、楽器の質感や音の厚み、細かな表現力や陰影感などで差はあるようです。ただ、その差が価格差ほどではないという印象になるらしく、音質面での本機のコストパフォーマンスは高いという総体的な評価につながるようです。
価格に対する音質のコストパフォーマンスについては、多くのレビューで賞賛されており、「1万円台の完全ワイヤレスイヤホンでは音質面では最高のハイコスパ機」という内容の評価が多数見られます。
一方、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能や外音取り込み機能に関しては際立ったものではなく、実用レベルという評価が主です。メーカーもANC性能については騒音低減効果は最大-30dBとしており、際立った数値ではないだけに、この項目はそれほど期待するところではなさそうです。
音質重視モデルやハイブリッド構成を採った完全ワイヤレスイヤホンは、バッテリー持ちが悪い傾向がありますが、本機の場合は十分で、ここはSOUNDPEATSの設計力の高さを感じさせます。
SOUNDPEATS Opera 05 機能面や使い勝手、装着性の評価ではマイナス点も
機能面では本体タップ操作や多彩なイコライザー機能が使える専用アプリなど、まずまず好評です。
そのほか、機能面については、
ワイヤレス充電非対応
マルチペアリング・マルチポイント接続 非対応
装着検出非対応
が残念という声が複数聞かれます。これらは、販売価格との兼ね合いで搭載していないものと思われます。機能性よりは音質面でのアピールを中心にしたいという意図もあるのでしょう。ただ、最近は安価なモデルでもマルチポイントには対応しているものが多いので、ここは残念かもしれません。
また、使い勝手面では
ケースからイヤホンが取り出しづらい
イヤホンサイズが大きめ
イヤホンサイズが大きめという評価が多いです。これは音質重視モデルでよくある傾向です。また、ドライバー数の多いハイブリッド構成タイプだといっそう大きくなる傾向があります。音質を取るのか、小型・軽量を取るのかといった二者択一的な面もあり、難しいところです。
装着性については、イヤホンサイズが大きめという声が多いだけに、人によってはやや装着しずらいという面もあるようです。長時間使用で疲れるという人もいるようです。
デザインについても、価格にしては高級感があり優れているという声が多いです。アクセサリーのようだという感想も観られます。ただ、黒にゴールドというカラーリングの組み合わせや塗装の感じが、下手をすると下品な印象にもつながりかねないという指摘をする人もいます。シンプルなデザインよりは派手目な方向であり、個人の好みの問題で気に入らない人はいるかもしれません。
総じて、もともとコスパの高い完全ワイヤレスイヤホンを得意としているSOUNDPEATSが、1万円台前半の価格でもっとも高音質なモデルを目指して開発したという印象。つまり、この価格のなかで音質に全振りした設計を採り、そのほかの機能性や本体の小型化などはあまり気にしないというスタンス。
幅広いユーザーや使い方に適した汎用性の高いモデルとは言い難いかもしれませんが、1万円台前半でもっとも音質のよい完全ワイヤレスイヤホンというなら、有力な選択肢になれそうです。