(株)エム・エス・シーは、新ブランド「SOUNDSOUL」の第1弾として、完全ワイヤレスイヤホン「E1」を9月11日に発売しました。オープン価格で税抜5,900円前後での実売が予想されます。
「SOUNDSOUL」は、日本の「M-SOUNDS」と、中国「SOUNDPEATS」との協業によって誕生したオーディオブランド。
M-SOUNDSがもつ開発力やノウハウと、世界最大級の技術力と生産能力をもつというSOUNDPEATSの長所の双方を活かすことを狙って立ち上げられたそうです。
また、日本人が好む音、装着感、品質を追求するのも特徴で、どうやら日本国内向け専用のブランドとなるようです。
イヤホンとしては、片耳3.9gという業界最軽量クラスの軽さを大きな特徴としており、これによる「装着感を感じさせない “付け感ゼロ” の使い心地」を売りにしています。イヤホンの外形寸法は17.4W×27.3H×21.3Dmm。小型・軽量化により、女性の使用も意識しているものと思われます。
M-SOUNDSスタッフによるメールでのアフターサポート体制も特筆点で、アマゾンでよく売られている中国メーカーのアフター体制(つまり、中国人スタッフのために意思疎通が時にうまくいかないこと)を意識したアドバンテージを打ち出しています。
また、アフターサポートの充実により、初めて完全ワイヤレスイヤホンを買うユーザーにも訴求しています。
また、音質面では新開発の7.2mm径バイオセルロース振動板を採用しているのが特徴。バイオセルロース振動板は、別記事でも一部触れていますが、国内の大手メーカーが高級ヘッドホンに数々使用してきた高音質素材ですが、イヤホン、とくに完全ワイヤレスイヤホンでの使用実績の少ない素材です。
SOUNDPEATSは以前からバイオセルロース振動板の完全ワイヤレスイヤホンを出していましたので、そのノウハウをここでも生かしたものです。今回はさらに、M-SOUNDSがもつ技術や音質に関わるノウハウも加わっているので、既存モデル以上の高音質が確実に期待できるでしょう。
Bluetoothイヤホンとしての音質や性能に大きく関わるSoCチップについては、非常に実績のあるQualcomm「QCC3020」を採用。
これにより、対応コーデックはSBC、AAC、aptXをサポート。左右の信号を個別に送信する「TrueWireless Stereo Plus」にも対応します(送信側の対応も必要)。
また、高感度アンテナを搭載することで、電波干渉の多い街中でも安定して音楽を楽しめるとしています。
本体での連続再生時間は約7時間で、充電ケースとの併用で最大24.5時間の使用が可能。本体でのロングバッテリーには省電力な「QCC3020」のメリットが現れています。充電端子はUSB MicroB。ここはちょっと残念ですが、コストダウンにつながっているのでしょうか?
本体はIPX5相当の防水性能。操作系はタッチセンサー式。当然、スマホなどでのハンズフリー通話や、接続機器の各種操作も可能です。
価格と内容のバランス、アフター体制などを総合的に考えると、大いに期待が持てるモデルです。完全ワイヤレスイヤホンとしては、バイオセルロース振動板による音質がどれほどのものかがポイントです。
はじめて完全ワイヤレスイヤホンを買うような人も含めて、幅広いライトユーザーがターゲットでしょうが、その場合は、やはりアマゾンでの販売が主になるのでしょう。
アマゾンではもはやSOUNDPEATS自体が有名な大手メーカーになっています。本機がよくわからない新メーカー・新ブランドだと思われたらかえって不利な気がします。SOUNDPEATSの高音質ブランドのようなイメージで打ち出していくのでしょうか?
ANKERもSOUNDCOREなどといって、少し音質重視のブランド性を打ち出していますが、結局、モバイルバッテリーで有名なANKERというブランドイメージが強いような気がします(完全ワイヤレスイヤホン+SOUNDSOUL)。