SteelSeries初となるゲーミングスピーカー「Arena」シリーズ。2023年3月に3シリーズが発売。
フルレンジのステレオスピーカー「Arena 3」(19,990円)、サブウーファー付き2.1chサラウンドゲーミングスピーカー「Arena 7」(43,970円)、5.1chサラウンド対応の5.1ch構成の「Arena 9」(80,270円)の3モデル。
ここでは最上位の「Arena 9」をご紹介。
L/Rスピーカーは4インチウーファーにドーム型トゥイーターを加えた2ウェイ2スピーカー構成、ダブルウーファー+ドーム型トゥイーターの2ウェイ3スピーカー構成センタースピーカーと、フロントL/Rより一回り小さいサイズのウーファー+トゥイーターを搭載した2ウェイ2スピーカー構成のリアスピーカー、6.5インチユニットが下向きに搭載されたサブウーファーもセット。
入力端子は、サブウーファー背面にUSB Type-Cと3.5mmアナログ入力、光デジタル入出力を搭載。ドルビーデジタル等のデコード機能は備えていないので、デジタル入力はリニアPCMのみの対応(光デジタルは2chまで、USB Type-Cでは5.1chまで)。Bluetoothワイヤレスでの入力にも対応。
画面上のアクションや音楽に反応する1,680万色のRGBイルミネーションを搭載。
ゲーミングPCなどとUBS Type-Cでつないで使うことを前提にしており、PCにSteelSeriesの専用アプリ「Sonar」をインストールしていれば、Sonarのアップミックス機能が活用可能。その場合は2chソースを5.1chで再生できます。一方、光デジタル入力信号は全て2chステレオでの再生。センターやリアスピーカーからも音は出ません。
専用アプリ「Sonar」にて、高精度なイコライジングによりプレイするゲームに合わせてオーディオ設定を変更することが可能。
SteelSeriesの初となるゲーミングスピーカーであり、サラウンド用のスピーカーセットもはじめて手掛けたということもあってか、汎用的なサラウンド用スピーカーセットとしては機能・性能面で弱い印象です。HDMI入力はなく、光デジタル入力はあっても、ドルビーデジタルのようなシアター・テレビ向けの一般的なサラウンド信号のデコードに対応していないのですから。
ただ、ゲーミングPCとUBS Type-Cでつないで使うことが前提であり、この場合は専用アプリ「Sonar」にて全ソースを5.1ch化して再生できます。「Sonar」にて、高精度なイコライジングによりプレイするゲームに合わせてオーディオ設定を変更することが可能ということもあり、ゲーミング用のサラウンドシステムとしてはしっかりとしています。
ゲーミングスピーカーというと、派手で細部の表現力に欠けた迫力重視のサウンドというイメージもありますが、「Arena」シリーズは違うようで、フロントスピーカーの再現性はGENELECを思い起こさせるというレビュー表現からも、オーソドックスでナチュラルな素性を感じさせます。サラウンド効果も国内でのレビューの範囲ではおおむね好評です。
レビューで気になったのは、スピーカーからのノイズが酷いという人が複数いたこと。全ての環境で起こるとは限りませんが、あるいは外部からのデジタル系ノイズに弱いのかもしれません。
Steelseries Arena 9 JPは、ゲーミング用途でのサラウンド再生をメインに、ステレオでの音楽再生をPCなどと接続して行うといった使い方が向いているような気がします。この用途で8万円をかけてもいい、リアスピーカーやサブウーファーを設置するスペースがあるといった要件も必要ですが。
あと、キーボード、マウス、ヘッドセットなど、ゲーミングPC用の各種デバイスをSteelseriesで揃えているような人でしょう。ゲーミングデバイスでは好みのメーカーで揃えている人も多いので、この理由での購入者は少なくないのでしょう。そう考えると、本機を単独で論評してもあまり意味はないかもしれませんが。