TANNOY Reveal 402は、スタジオモニターとして設計された2ウェイ・アクティブスピーカーです。国内での税込み実売価格は2本で3万円程度。本機の内容・特徴とレビュー・音質情報をお届けします。
Reveal 402は、2つのドライバーを搭載した2ウェイ・バイアンプド・ニアフィールド・モニタースピーカーです。
片側のサイズ・重量は240mm x 147mm x 212mm(H x W x D)、5.2kgと、プロ用途も意識したモニタースピーカーとしては小型であり、いわゆるニアフィールドでの使用を意識しています。エンクロージャー素材はMDF木材。
Reveal 402には、高品質の3/4インチソフトドームツイーターが搭載されています。これにより、高域のクリアな音が再生できます。高域再生範囲は48kHzまでとハイレゾ対応要件を軽く超えるハイスペックを実現。最新録音の超高域の再生もこなします。クロスオーバー周波数は2.8kHz。
低音用には4インチのペーパーコーン・ウーファーを採用。小型でそれなりの口径のウーファーということもあり、スペック上の低音再生能力は58Hzからと控えめになっています。ただし、能率の良いユニットを採用しており、再生される低音の質にはこだわっています。
エンクロージャーの形式は低音再生能力を高めやすいバスレフ型。バスレフに必要なポートはフロントポートを搭載しています。これにより、壁に近づけて設置しても、低域の正確な再生が可能です。
ニュートラル/ハイブースト/ハイカット(+/- 1.5 dB HFブースト/カット)で選択できる高域用イコライザーを搭載。設置環境や好みで高音の出方を調整できます。
ボリュームをはじめ、各操作系は背面に集約して搭載。1台ずつの単売品で、左右の別はありません。そのため、一台ごとにAC電源に繋ぐ必要があります。また、ボリュームも一台ごとに調節する必要があります。左右を同時に同じ音量で調節するのには外部プリアンプか、ライン出力可変型のプレーヤーとの組み合わせがおすすめです。
スタジオモニタースピーカーとしては小型かつ安価ながら、内蔵アンプは高域と低域を分けて駆動するバイアンプ方式を採用しており、それぞれの帯域の干渉と帯域ごとの再生音の最適化が図られています。内蔵アンプ出力は高域・低域合計50W(1ch)。
入力に関してはXLR(バランス)とTSフォン(アンバランス)、AUXとして3.5mmステレオミニ。プロ用に多いXLR(バランス)とTSフォン(アンバランス)のみではなく、3.5mmステレオミニも搭載しているため、ごく一般的なユーザーでもすぐに機器を接続して使えます。ステレオミニケーブルも付属しています。
TANNOY Reveal 402のレビューから読み取れる傾向をまとめると、以下のようになります。
多くのレビューで、TANNOY Reveal 402は高品位な音を提供すると評価されています。とくに中高音域の再現がクリアであり、低音域もReveal 402のサイズからは想像できないほどの迫力があると言及されています。また、フロントポートを搭載しているため、背面が壁でも低域の正確な再生ができる点も好評です。
Reveal 402は、安価ながらシンプルでスタイリッシュなデザインであり、多くのレビューで好評を博しています。
Reveal 402は、スタジオモニターとしては比較的低価格帯に位置しています。多くのレビューで、その価格に対して高品質な音とデザイン、機能性を提供すると評価されています。つまり、コストパフォーマンスの高さも評価されています。
Reveal 402は、スタジオモニターとしての性能が高く、音楽制作やミックスダウンに適していると評価されています。さらに、コンパクトなサイズも評価され、スペースが限られた環境でも使用しやすいとの意見が多くあります。
Reveal 402は、比較的小さなドライバーを備えているため、ある程度以上の大音量で使用すると歪みが生じることがあるとの意見がいくつかあります。しかし、一般的なスタジオモニターとして使用する場合は、この点はあまり問題にならないとも言われています。また、ごく一般的な環境で音楽鑑賞用としてコンシューマー使用する場合は大音量での問題は気にしなくてよさそうです。
TANNOY Reveal 402はとにかく、その価格とサイズからは想像もできないほどの高音質なアクティブスピーカーということが、ネット上だけでも多くの声があるモデルです。
それはDTMなどのデスクトップモニターといった本来的な用途はもちろん、音楽・オーディオ愛好家が使うPC用スピーカー、さらにはオーディオ用のメイン用途にまで広がっています。
上記のような、いかにもモニタースピーカー的な評価は全て備えたうえで、オーディオ再生用のスピーカーとしての評価にも驚くべきものがあります。
たとえば、ハイエンドオーディオまで幅広く扱う「逸品館」や、オーディオ評論家の村井裕哉氏(残念ながら若くして亡くなってしまいましたが)のネット上の評論でも極めて高い評価を得ており、はっきり言って、本機で本格オーディオ用のメインスピーカーとして使えるという意見となっています。それはアマゾンなどのユーザーレビューでもオーディオ用メインスピーカーとして使っているというユーザーが少なからずいることからもうかがえます。なかには数百万のシステムをやめてこっちにしたという人もいるくらいです。
その理由として、本機はこんなに小さく、価格も安いのに、クラシック音楽ソースが持つような生楽器のリアルで自然な再現性を質感、情報量、レンジ感のいずれもをうまく満足させて持っているからというのが大きいようです。これこそが本格オーディオでクラシック音楽を聴くのに欲しい要素ですが、これをこのサイズ・価格のアクティブスピーカーが持っているとは他にはあまり聴きません。たとえば、他社ならクリプトンのアクティブスピーカーが似たような実力を持っているかもしれませんが、10万円くらいします。
また、モニターに必要な音場再現性も高く、収録現場の奥行き感や楽器の定位感にも優れていると言われます。これもオーディオ再生でも重要な要素であり、本機の総合力を高める一因でしょう。
非常に音質面での評価は高い本機ですが、弱点もあります。左右で電源が必要とかボリュームが背面で左右別とか不便な点です。ボリュームについては外部プリアンプかライン出力可変機器との組み合わせが欲しいところです。外部プリアンプの使用については音質向上効果もあると村井裕哉氏は述べています。
ただ、スピーカーに近づくと残留ノイズが聴こえるという感想が結構あります。スピーカーからは少し離れて聴くと気にならない・聴こえなくなるということですので、スピーカーからやや離れてリスニングできるほうがよさそうです。どうもメーカーが言うニアフィールドよりも本格的なオーディオリスニングに適しているというのはこういうところもあるようです。
そのほか、機器との接続はすべてアナログとなりますが、そのケーブルの選択によっても音質をコントロールできるとの意見があります。これも非常にマニアックですが、それだけ個々のケーブルの音質差を描き分けるだけの基本性能をこんなに安いスピーカーが持っていることの証左にもなるのでしょう。