サンバレージャパンは、TaoTronicsブランドのBluetoothトランスミッター/レシーバー「TT-BA09 Pro」を1月31日に発売しました。オープン価格で、税込み実売価格は4,000円前後。
2016年に発売され、AmazonのBluetoothトランスミッターカテゴリーを代表するベストセラーモデル・「TT-BA09」の後継機。よりバッテリー持続時間が長くなり、使い勝手も向上するなどの改良が施されています。
テレビやパソコンなどから入力した音声を、Bluetooth化し、Bluetoothヘッドホンなどにワイヤレス送信するトランスミッター機能を搭載。その逆に、スマホなどからBluetoothでワイヤレス受信した音を、アナログ/デジタル音声で出力するレシーバー機能も搭載しています。使用しているBluetoothチップセットはCSR8670です。
インターフェースは、3.5mmのアナログ音声入出力兼用端子、光デジタルの入力・出力端子を各1系統搭載。外形寸法は約6×6×1.9cm(縦×横×厚さ)で、重量は約44gと軽量・コンパクトです。
充電式のバッテリーを内蔵しており、約24時間の連続再生が可能。充電時間は約2時間。対応コーデックは、送信時がSBC・aptX・aptX LL、受信時がSBCに対応しています。また、2台のワイヤレスイヤホン・ヘッドホン、スピーカーなどに同時送信も可能で、同じ内容の音楽や動画などを2人で一緒に楽しむことが可能です。
低遅延のaptX LLに対応しているのも特徴で、一般的なコーデックでは難しい、動画観賞や、内容にもよりますが、ゲームプレイ時にも違和感を感じない程度のタイムラグに抑えることができます。
充電用端子はUSB Type-C。現在の接続状態が一目でわかるインジケーターも搭載。接続範囲は13 m(送信時) 、11 m(受信時)。
3.5mmステレオミニケーブル、RCA(2pin) to 3.5mmアダプター、光デジタルケーブル、USB Type-Cケーブルが付属。日本語説明書も付いています。
このように、「TT-BA09 Pro」は最新のBluetoothトランスミッター/レシーバーとして、充実した内容を備えています。
では、従来機にして、これまでのベストセラーモデル・「TT-BA09」と比較して、どこが違うのでしょうか。
まず、バッテリーも、従来モデルの350mAhから620mAhへと大容量化。これにより、バッテリー持続時間が15時間から24時間への大幅に伸長しています。
次に、aptX LL接続時にも2台同時接続が可能になりました。従来はaptX LL以外のコーデックでなければ2台同時接続できないという制約がありました。これにより、動画やゲームを2人で楽しめるようになったのは大きなメリットです。
また、接続切り替えが簡略化され、操作がより楽になりました。具体的には、側面にあるTXモード(送信)かRXモード(受信)かをスイッチで選択するだけで、接続されているケーブルを検知して、自動的に入出力を行います。なお、両方のケーブルが接続されている場合は、ラインケーブルが優先されます。
さらに、充電ポートがUSB Type-Cになりました。これにより、USB入力による充電の汎用性が高まっています。
本製品は、基本的に、単体ではBluetooth送信ができないテレビやパソコン、音楽プレーヤーなどに接続して、手持ちのBluetoothイヤホン・ヘッドホン、スピーカーなどからワイヤレスで音を出したいという用途に向いています。
また、これはあまりメインにはならないでしょうが、Bluetooth送信可能な機器のワイヤレス信号を受けて、本機のアナログ・ラインか光デジタル出力から外部のBluetooth入力非対応のアンプやDACに接続するという使い方に対応しています。
以上の用途向けのBluetoothトランスミッター/レシーバーとしては、価格を考えると十分な内容を備えています。
本機をBluetoothトランスミッターとして使うユーザー層は、ごく一般的なライトユーザーを中心にした幅広い層が考えられます。なかでもテレビに接続して放送、動画、ゲームをワイヤレスで楽しみたい人に向いています。
Bluetoothレシーバーとしては、単体のアンプやDACを持っているようなユーザーが向いていると言えましょう。Bluetooth入力に対応していないけれども、高品位なアンプやDACの素性を生かした再生をしたいという用途になりましょう。
なお、ステレオミニのライン出力は搭載しているものの、本製品にはヘッドホンアンプは内蔵されていません。ステレオミニ接続のイヤホンやヘッドホンを本製品に直結して使うことはできません。ご注意ください。
最近は高品位なBluetoothトランスミッターやレシーバーも他社からさまざま発売されています。それらとの違いとしては、BluetoothトランスミッターとしてはLDACやaptX HDといった、ハイレゾ相当の伝送が可能な高品位コーデックには対応していない点が挙げられます。
また、Bluetoothレシーバーとしても受信コーデックが少ないことが弱点として挙げられます。送受信ともに、iOSデバイスで使われるAACコーデックに対応していないことも挙げられます。さらに、ヘッドホンアンプを内蔵していない点もあります。
こうした点は、音質重視のややマニアックな用途のBluetoothトランスミッターやレシーバーに求められることであり、用途が違うものとしてとらえることができるでしょう。
たとえば、音質重視のレシーバーとしては「FiiO BTR5」や「HiBy W3」などがおすすめできます。考えてみたら、音質重視のBluetoothトランスミッター兼レシーバーというのはあまりありません。音質重視タイプはBluetoothレシーバーに集中しているのが現状です(Bluetoothレシーバー+TaoTronics)。