TCLの4K液晶テレビのエントリークラス機、C635シリーズが2022年に国内発売されました。基本的にアマゾンなどのECサイトで販売されているモデルのようで、ラインナップは43V型、50V型、55V型、65V型を展開。発売当初の税込み実売価格(定価に近い感覚)は43型から順に79,800円、89,800円、99,800円、119,800円。実際の実売価格はそれらから2万円から2.5万円ほど安いのが実情です。
どうやら本機は、2021年に同じくECサイト専売で発売されたP635シリーズの上位機のようです。基本的な内容や機能はほぼ同じですが、「QLED」(量子ドット)技術を採用することで、画質面での向上が図られています。
C635シリーズの内容をP635シリーズと比較しての違いも交えながらご紹介します。
まず、サイズラインナップが違います。C635シリーズは43V型、50V型、55V型、65V型で、P635シリーズはこれらに加えて75V型もラインナップと、4Kテレビとしては比較的小型のサイズから大型まで幅広くラインナップされています。
C635シリーズのみ「QLED」(量子ドット)技術を採用。「QLED」技術とは、バックライトに青色LEDを採用することで、よりあざやかで豊かな色彩を表現できる技術。これにより、色域が広がり、画質の暗部から明部まで的確に表現。豊かで深みのある、現実により近い色鮮やかな映像を楽しめます。
また、「QLED」技術を採用したC635シリーズはP635シリーズの上位ということもあり、実売価格もP635シリーズの同一サイズの約2万円高いということになっています。
P635シリーズは43V型、50V型、55V型、65V型、75V型を展開。税込み実売価格は43型から順に59,800円、69,800円、79,800円、99,800円、149800円。
上記以外の基本的な内容や機能は両シリーズで共通なようです。
画質を左右する映像エンジンに、TCLが開発した『Algoエンジン』を搭載。繊細さ、色彩、コントラストなどの補正を行うことで放送、ネット動画に関わらず高画質を実現する高性能チップです。
3,840×2,160ドット/4K解像度のVA液晶を搭載。バックライトは直下型LED。駆動は等速(60Hz)。画面を1,296のゾーンに分割し映像情報を詳細に分析する「マイクロディミング」機能を備えているのが大きな特徴。繊細な部分まで明暗をくっきり分けることで、「風景の奥行き感」をよりリアルに映し出します。
4Kテレビのエントリークラスですが、通常、このクラスではコントラスト性能の向上を図るための「ローカルディミング(部分駆動)」技術は、コストや上位との差別化などの点から搭載されていないものです。この「マイクロディミング」機能は部分駆動の一種であり、このクラスに搭載されているのは驚異的と言えるでしょう。
ゲームが接続されたことを検知すると、自動的に遅延が少ないモードに切り替わるALLM(自動低遅延)対応。HDMI1080p/60Hz 入力時は映像遅延時間が4msまで短縮されます。(HDMI 4K/60Hz入力時の映像入力ラグが約8ms)
そのほか、2K画質を4K画質で表現する「4Kアップスケーリング」機能、ノイズ映像を正しく分析し、画質の精細感を再現する「ノイズ低減(De-Contour&DMS)機能」、HDR映像を解析し、幅広い輝度レベルに柔軟に対応。 暗いシーンでも映像の明暗を忠実に表現し、よりリアルな高画質を実現する「HDR マッピング」機能などの高画質化回路を搭載しています。
新4K衛星放送で採用されているHLG規格や、UHD BDやネット動画配信サービスで採用されているHDR10、Dolby Vision、立体音響技術のDolby Atmosに対応。
内蔵チューナーはBS/CS 4K放送×2、地上・BS・110度CSデジタル×2。外付けHDDを接続することで番組録画も可能。裏録画対応。
Android OSベースの多機能OS、Google TVを搭載。スマホやタブレットのAndroid端末並みにさまざまなアプリを使って、多機能に使いこなせます。また、YouTube、Amazonプライムビデオ、Hulu、Netflix等豊富なネット動画サービスにも対応。2.4GHz/5GHzのデュアルWi-Fiにも対応。
Googleアシスタントに単体で対応、リモコンのボタンを押して話しかけるだけで、 見たい映像を簡単検索できます。また、クロームキャスト機能も内蔵。スマホの映像をテレビで楽しめます。
HDMI入力は3系統(43型のみ2系統)。うち1系統はHDMI2.1 eARCに対応。テレビを経由しても Dolby TrueHD 5.1chで オーディオ機器から音声を出すことができます。HDMI入力は4K/60Hzまでの対応。PS5などの4K/120Hz信号は入力できませんのでご注意ください。
そのほか、ビデオ入力端子やLANポート、ヘッドホン出力、光デジタル出力なども備えています。
C635シリーズは日本メーカーとは異なるハイコスパな内容(TCLと同じ中国メーカーであるハイセンスは対抗できるコスパですが)。やはりTCLが世界2位(出荷台数)のシェアを誇るテレビメーカーであるという現実が影響しているのでしょうか。