ティアックは、小型ブックシェルフ型スピーカー「LS-101」を1月下旬に発売します。オープン価格で、予想実売価格はペア1.1万円程度。
片チャンネルの本体サイズが幅116mm、高さ182mm、奥行き167mm、重さが1.7kgという手のひらに乗るくらい小さなパッシブスピーカー。
ブックシェルフという名前の通り、本棚にも置けるとしていますが、PC脇に置いても邪魔にならないデスクトップスピーカーとしての使用も想定しています。
20mm径のソフトドーム型ツイーターと、70mm径ペーパーコーン型ウーファーを搭載した2ウェイ構成。エンクロージャー素材はMDF。リア・バスレフタイプなので、後方の壁からの距離は適度に取りたいところです。離しすぎると低音が弱くなり、壁に近づけすぎると低音が変に響いてしまう恐れがあります。
バスレフポートは不要な風切音が発生しない滑らかな形状を採用したとしていて、メーカーもそのあたりのことはわかっています。
ツイーター正面にはディフューザーを搭載。これにより、デスクトップなどでの近接聴取時にステレオ的な広がり感が損なわれないよう、指向性を広くしています。
ウーファーは、ナチュラルな中低域再生を可能にするというペーパーコーンを採用。柔らかいラバーエッジを採用することで、f0(最低再生周波数)を低くできたとしています。このあたりは価格やサイズを考えると、まずまず頑張っていると言える内容でしょう。
周波数特性は75Hz~25kHz。クロスオーバー周波数は12kHz。低音側はサイズを考えるとこんなものであり、かなり健闘しているスペックと言えます。高音側は最近はリーズナブルなスピーカーでもハイレゾ対応の40kHzをクリアしているモデルが多い中、意外にも伸ばしていません。むやみなスペック競争よりも、実際の音の聴こえのよさを取ったということでしょうか。
最大許容入力は35W、定格入力は25W、インピーダンスは4Ω。入力感度は87dB/W/m。コンパクトな割に能率は低くないのは注目点。アンプを選ばない傾向のようです。ただし、インピーダンスは4Ωなので、念のため、安価なアンプに多い4Ω非対応のモデルとは組み合わせないほうがいいでしょう(実際には問題が起こることはほとんどないでしょうが)。
許容入力は大きくないので、あまりハイパワーなアンプで大音量再生させるのもやめたほうがいいでしょう。スピーカー端子はスクリュー式で、バナナプラグにも対応したシングルワイヤリング型。
総じて、ニアフィールドリスニング的な使い方で、数十W級までのアンプとの組み合わせがよさそうです。
具体的に合わせるアンプはTEACが出している一連のコンパクトなモデルがいいのでしょうが、できるだけコンパクトなモデルとなれば、中国メーカー製や、つい最近、新モデルに切り替わったFOSTEXのAP05およびmk2あたりもマッチしているのではないでしょうか。
型番的にはLS-101HRというスピーカーがTEACにはあり、そのバリエーション的なモデルのようです。ただ、LS-101HRは、ミニコンポとして発売されたHR-X101(2016年発売。発売時実売価格約8万円)のスピーカー部として発売されていたスピーカーで、国内で単品発売されていたか不明です。海外では単体発売されていたようです。
LS-101HRはサイズやユニット径は似ていますが、周波数特性は65Hz~40kHzとよりハイスペックで、エンクロージャーの仕上げも上質、スピーカー端子もバナナプラグ対応と、LS-101よりもハイグレードなモデルに見えます。ツイーターもバランスドーム型と異なっていますし。
いずれにしても、手頃な価格で小型のパッシブスピーカーに国内メーカーから注目機が出たことには変わりありません(スピーカー+TEAC)。