パナソニックは、Technicsブランドの完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「EAH-AZ40M2」を2023年10月19日に発売。オープン価格で実売価格は税込み1.5万円程度の見込み。
2021年に同程度の価格で発売された「EAH-AZ40」の後継機。「EAH-AZ40」同様に、Technicsブランドの完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデルの位置づけですが、新たにアクティブノイズキャンセリングを搭載したほか、BluetoothのLDACコーデックも新たにサポート、3台マルチポイントに新対応するなど大幅に機能を強化しています。それでいて、従来からの小型ボディやブラック、シルバー、ローズゴールドのファッショナブルなカラーリングは維持。価格はほぼ据え置きということで、パナソニックの戦略モデルとなっています。
「EAH-AZ40M2」の詳しい内容を「EAH-AZ40」と比較しての違いを交えながらご紹介。
アクティブノイズキャンセリング機能を新たに搭載。上位モデルのようなデュアルハイブリッドノイズキャンセリングではありませんが、静かな環境で音楽に没頭できるレベルだと謳っています。また、従来から搭載している外音取り込みモードも向上。フィルター性能を向上させたことで、高域の音も聞き取りやすくなり、より自然な音を取り込めるようになったとしています。
BluetoothコーデックはSBC、AACに加え、新たにLDACをサポート。24bit/96kHzでのハイレゾ伝送が可能です。
EAH-AZ40M2は3台マルチポイント接続が可能になりました。従来機のEAH-AZ60では2台までのマルチポイント対応でした。なお、3台マルチポイント接続はLDAC接続時には使用できません。
2マイクとビームフォーミング技術を搭載し、通話も可能。「EAH-AZ40」で搭載していた、通話品質向上を図る独自の通話音声処理技術「JustMyVoice」テクノロジーは非搭載になりました。「JustMyVoice」テクノロジーに含まれていた「ビームフォーミング」と「風切り音対策」は搭載しているので、通話品質の維持はそれなりになされているようです。
スマホ用アプリ「Technics Audio Connect」もアップデート。充電ケースが無くてもイヤホンの電源OFFが簡単にできるようになったほか、操作のガイダンス音量を調整できるようになり、通知音にも変更可能になりました、接続ガイダンスも「〇〇に接続しました」と、接続先のデバイスが分かりやすくなりました。アプリではプリセットイコライザーや5バンドイコライザーも引き続き利用可能。
充電ケースにイヤホン本体/ケースそれぞれの充電状態を示すLEDを搭載するほか、Windows PCでのクイックペアリング機能「SwiftPair」にも新対応。
テクニクスでは「音に味付けをせず、アーティストの表現をそのまま再現」することを「良い音」だとしており、その実現のため6mm径PEEK振動板や独自技術「アコースティックコントロールチャンバー」「ハーモナイザー」を用いた音響構造はそのまま踏襲。
PEEK振動板は、小口径ながら全帯域で強調感、不足感のないクリアな音を再生。レンジ感、厚みのある本格的なサウンドを再生できるとしています。
「アコースティックコントロールチャンバー」はドライバーの後端に配置され、空間と調整通気孔を設けることで空気の流れを精密にコントロールし、中音域の中だるみや低音域の伸びを改善。リアルなボーカルと力強く正確な低音を再現するとしています。
アコースティックコントロールチャンバーと一体型のモジュールで、小口径ながらエネルギー感にあふれ、クリアかつ厚みのあるサウンドを実現。
「ハーモナイザー」は、ドライバー前の空間形状の最適化のことで、高音域の凹凸を抑えて伸びを改善。自然な高音再生を可能にするとしています。
従来機のEAH-AZ40ではサウンドモードをオフにした時でも、フラットなイコライザーブロックを信号が通っており、若干音質が劣化していた点を解消。イコライザー回路を経由しない「ダイレクトモード」を搭載したことで音質の劣化を低減することができるようになったとしています。
筐体はしずく型形状の小型ボディで、前モデルを踏襲。耳穴にスッキリと収まり、ピアスやイヤリングを邪魔しない設計。ピュアブラック/シルバー/ローズゴールドというカラーラインナップも前モデルと同様。IPX4相当の防水性能も引き続き装備。
質量はイヤホン片側が約5g、充電ケースは約30g(イヤホン本体の重量は「EAH-AZ40」と同じ。充電ケースは5g増加)。
内外で硬度を変えた独自のシリコン製丸形イヤーピースを採用。中心部は硬くすることで軸を安定させて遮音性を確保し、外側の周辺部は柔らかくすることで、耳に優しくフィットするとしています。サイズはXSからLまで4サイズを付属。
再生時間(イヤホン単体/ケース充電込み)はノイキャンON、AAC接続時が約5.5時間/約18時間、ノイキャンON、LDAC接続時が約3.5時間/約12時間。約15分の充電で約60分の再生(ノイキャンON、AAC接続)が可能な急速充電にも対応。ワイヤレス充電には対応していません。
EAH-AZ40M2は、EAH-AZ40の後継機種として、以下の点で優れています。
EAH-AZ40M2は、LDACコーデックの新規採用や「ダイレクトモード」の新搭載などにより、音の解像度も向上しており、より繊細な音も楽しめるようになりました。
EAH-AZ40M2は、ノイズキャンセリング機能も新搭載。騒々しい環境でも以前よりも音楽に没頭できます。外音取り込みモードも自然な音質で楽しめるようになりました。
EAH-AZ40M2は、3台マルチポイント接続に対応したことで、3台のデバイスを同時に接続できるようになりました。また、専用アプリも機能性がアップしています。
これらのことから、EAH-AZ40M2は、音質、ノイズキャンセリング性能、使い勝手など、さまざまな面でEAH-AZ40よりも優れた完全ワイヤレスイヤホンと言えます。
EAH-AZ40M2は、音質やノイズキャンセリング性能を重視するユーザーにおすすめのモデルです。EAH-AZ40M2は、EAH-AZ40と比べて、音質のバランスやノイズキャンセリング性能が向上しています。そのため、EAH-AZ40より高音質で快適な音楽や通話を楽しみたいユーザーにおすすめです。
EAH-AZ40M2は、マルチポイント接続やアプリの操作性など、便利な機能を搭載しています。そのため、日常使いで使い勝手の良い完全ワイヤレスイヤホンを探しているユーザーにおすすめです。
もちろん、EAH-AZ40M2は、EAH-AZ40よりも高価なモデルです(定価は同じですが、EAH-AZ40の実売価格は数千円安くなっています)。そのため、予算や用途に合わせて、EAH-AZ40M2とEAH-AZ40を比較検討することをおすすめします。LDACコーデックやノイキャン機能が不要な場合は安く入手できるEAH-AZ40でもいいかもしれません。ただ、EAH-AZ40はEAH-AZ40M2発売にともない生産終了になるので、EAH-AZ40が欲しいのであればお早目に。