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THIEAUDIO Prestige LTDはTHIEAUDIOの新たなフラグシップイヤホン。2023年10月2日に発売。価格は192,500円。
静電型ドライバーを搭載するトライブリッド構成。超高域用にSonion製静電型ドライバーを4基、高域用にKnowles製バランスド・アーマチュア(BA)型を2基、中低域用にSonion製BAを2基、低域用に10mmダイナミック型ドライバー1基を搭載。
再生周波数帯域: 20Hz ~ 80,000Hzというワイドレンジ再生を実現しています。
精巧なパッシブクロスオーバー設計によって各ドライバーの性能を最適化していると謳います。それにより、物理特性上は全高調波歪みの低減を実現し、音質面ではサウンド全体のまとまりのよさを実現したとしたとしています。
ハウジングは耐久性に優れるという医療用樹脂で成形。専任のエンジニアによって1台ずつハンドメイドで製造されています。煌めくようなフェイスプレートのデザインは、銀河系の壮大な景色からインスピレーションを得たもので、ブランド最高の品質を象徴しているとしています。
ケーブルは、高純度6N OCC銀メッキ線とグラフェンメッキ線のリッツ構造を採用。独自のモジュラープラグデザイン「スマートスイッチ」により、プラグエンドを交換するだけで、4.4mm/2.5mm/3.5mmプラグのいずれにも標準の付属品で対応できます。イヤホン側コネクターは0.78mmの2pinタイプ。
ドライバー構成: 4EST (Sonion) + 4BA(Sonion/Knowles) + 1DD
インピーダンス: 22Ω
音圧感度: 98dB @1kHz
再生周波数帯域: 20Hz ~ 80,000Hz
ケーブル仕様: ケーブル長:約1.20m、線材:22AWG 6N OCC、グラフェン銀メッキリッツケーブル、入力端子:2.5/3.5/4.4mm プラグ、イヤホン接続:0.78mm 2pin
重量: 約50g(ケーブル・プラグ含む)
付属品: 銀メッキリッツモジュラーケーブル、プラグ3種(2.5/3.5/4.4mm 端子)、シリコンイヤーピース3ペア(SML 各1ペア)、フォームイヤーピース3ペア(SML 各1ペア)、キャリーケース
これだけの多ドライバー、ドライバー方式も3種類と、なかなか音をまとめるのが難しそうな構成ながら、メーカーが謳っているように、サウンド全体のまとまりのよさを基本的に備えているようです。音の情報量、解像度、音場感のいずれにも優れており、いわゆるオーディオ愛好家が好みそうな、ワイドレンジでハイレゾリューションなサウンドに仕上がっているようです。
音楽全体の見通しがクリアで、楽器の配置や輪郭が明確にわかるタイプの再現性のようです。帯域バランスもフラットで、低音は締まりがよく程よい量感、高域はクリアながらも耳障りにならない自然さを維持しているようです。ハイスピードでハイレスポンスなサウンドでもあり、現代的なプログラムをキレよく余裕を持って描写できる実力を備えているようです。
複数のレビューで同様の音質傾向を指摘しつつ、高い評価が与えられています。女性ボーカルやアコースティック系にしても小編成が好ましいという感想もあるので、編成の大きなクラシックよりもロック、ポップス系を中心にボーカルや小編成の音楽により適しているようです。
スペック的にも聴感的にも最新性を感じさせるので、聴く音楽もハイスペックなハイレゾ録音によるプログラムとの相性がよさそうです。録音側が仕掛けたギミックを余すところなく提示し、もっと言えば録音時の状態を暴くような冷徹さもあるようで、穏やかに音楽鑑賞するよりは、オーディオファイル的な聴きこみやクリエイター的なチェックに適しているようなところもあるようです。
9ドライバーも収めていながら筐体も大型化を防いでおり、装着感も良好なようです。