ハイセンスジャパンは、BS/CS 4Kチューナー内蔵液晶テレビ「U7F」シリーズを2020年5月下旬より発売します。
4サイズ展開で、いずれもオープン価格。実売予想価格はカッコ内。43型「43U7F」(8万円前後)/50型「50U7F」(9万円前後)/55型「55U7F」(10万円前後)/65型「65U7F」(14万円前後) 。
4K液晶テレビの大ヒットモデル・「E6800」シリーズの後継。もともと大手メーカーでは最高のハイコスパと言われていたモデルがどのように進化したのか、大いに注目されます。相変わらずのリーズナブルな価格設定に期待も高まります。
(「U7F」は、型番的には一見、ハイクラスな「U7E」の後継に見えますが、「U7E」の後継は、同時発表の「U8F」です)
「E6800」シリーズと比較しての違いも織り交ぜながら、「U7F」シリーズの特徴と魅力に迫りたいと思います。
まず、内容以前の違いとして、「E6800」シリーズにはなかった、55型と65型が加わっていることが大きな違い。「E6800」シリーズのコスパを認めつつも、55型以上の大画面を欲しているために購入を躊躇っていたという声は大きかっただけに、大画面かつハイコスパ志向のユーザーにとっては大いに歓迎すべき新シリーズでしょう。
BS/CS 4Kチューナー1基、地デジ/BS/CS 2Kチューナー3基を搭載する4K/HDR対応の液晶テレビという基本は同様。チューナー数は「E6800」シリーズと同じ。
別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K放送の2番組同時録画、4K放送の1番組録画が可能なのも同様。なお、新たに2画面機能も追加されたのは大きな違いです。HDMI入力端子は4系統。
HDRはHDR10に加えてHLGにも対応。これも「E6800」同様で、4Kテレビのエントリーとしては標準的な装備です。
液晶パネルは、正面コントラストに優れるVA(Vertical Aligment)型の広色域(デジタルシネマ規格のDCI-P3をほぼカバー)パネル。駆動は等速(60Hz)。直下型LEDバックライト仕様でローカルディミングはなし。「E6800」同様と思われます。
バックライトと液晶パネルの間に挟んだバックライトブーストフィルムにより輝度を引き上げる仕様も同じ。
最小遅延が約0.83ms(パネルによる遅延を除く)となる「低遅延ゲームモード」を引き続き搭載。HDMI 2560×1440 60p出力のPCゲームに対応します。低遅延という点では、映像処理がシンプルな分、上位モデル「U8F」をもを上回るので、ゲーム用途にも注目です。
映像エンジンは「E6800」の「NEOエンジン」から最新の「NEOエンジン2020」に進化。
映像を複数のエリアに分けて解析する「エリア別高精細復元」機能や、映像のエッジ部や平坦部を識別しノイズの種類に合わせて処理する「高精細ノイズ処理」機能など、信号の処理制度を向上させることで、階調表現力と微小信号の再現性を高め、地デジ・BS/CS 4K放送まで、グラデーションなどでより滑らかで精細な美しい表現力となっているとしています。LEDの高速点滅による残像低減効果も期待できます。
また、映像設定で「ワイドビューアングル」を選択できるのが新機能。ソフトウェアでサブピクセルの駆動を工夫することにより、広視野角を実現するというもの。
視野角に弱点のあるVAパネルながら、テレビの視野角を広げることが可能という注目の機能で、テレビを斜めから見ることが多いために、VAパネルのテレビを敬遠していたユーザーには大変気になる機能です。
なお、動作原理上、解像度が犠牲になってしまう副作用がありますが、斜めから見る場合にはもともと解像度は気になりにくいのでやはりメリットが際立つ機能です。
ニュースサイトでの最速レビューの印象では、2019年モデルの4Kテレビ全般で問題になっていた、4K放送で時に暗さを感じるという現象は払拭されているようです。
操作性の面では、独自UIである「VIDAA」が、最新の「VIDAA 3.0」に変更。「E6800」の「VIDAA 2.5」では左右にスクロールする形の操作系でしたが、「VIDAA 3.0」では、横だけでなく縦にもスクロールする形の操作体系に改められました。これによりホーム画面の情報量が増し、より直感的な操作が行えるようになっています。操作レスポンスの早さも備えています。
動画配信(VOD)サービスでは新たにAmazonプライム・ビデオやABEMAにも対応。とくにAmazon対応は朗報でしょう。
リモコンのデザインも大きく変更。「E6800」シリーズでは、動画配信サービスへのダイレクトボタンは、「Netflix」と「YouTube」の2つのみでしたが、「U7F」では「Amazon Prime Video」「Hulu」「AbemaTV」「U-NEXT」といった使用頻度の高いと思われるVODのボタンが追加されています。
音声操作は、GoogleアシスタントとAmazon Alexaに引き続き対応。対応するスマートスピーカーやスマートフォンを介し、チャンネル変更や音の調整などが音声で操作できます。
スピーカーシステムは、信号処理に新たに「Eilex PRISM」を採用し、補正を行うことで高音質を実現。エントリークラスの薄型テレビでどこまで音を良くできているかも注目です。
セーリング(帆船)をイメージさせるスタンドを組み合わせたスタイリッシュなデザインに変更。わずか1.6ミリの狭ベゼルで、画面がふっと浮き上がってくるような印象です。
見た目のかっこよさだけだなく、揺れにも強いという実用性の面でも注目です。
スタンドを含む外形寸法/重量は、65型が144.7×29.4×90.4cm(幅×奥行き×高さ)/19.5kg、55型が122.7×25×77.1cm(同)/14.7kg、50型が111.2×25×70.4cm(同)/12.3kg、43型が95.9×19.4×61.5cm(同)/9.1kg。
従来の「E6800」シリーズは大変人気が高く、「U7F」発表時においても、50E6800は価格コムのランキングでテレビの総合1位、43E6800も総合14位です。
この人気を支えているのはやはり価格の安さで、50E6800は約7万円、43E6800は約5.5万円です。
「U7F」シリーズは、発売当初はどうしても現在の「E6800」よりは幾分高くなるでしょうが、その差額以上の向上が達成できているような印象はあります。
特に、上記の記事で記した2シリーズの違いに注目して、その違う部分が自分の使い方で気になる点に当たる人にとっては「U7F」シリーズは大いにおすすめできると思います。
また、「E6800」にはなかった55型と65型がラインナップされているので、大画面派は比べる必要もなく「U7F」となるでしょう。
「U7F」シリーズは発売後、しばらくして、価格がよりこなれたら、「E6800」同様のベストセラー街道を走るような気がします。
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ご指摘の通りです。
等速なのはわかっていたつもりでしたが、上位機のU8Fの説明の一部をよく確認せずに写してしまったために起きたミスです。
訂正させていただきました。ありがとうございました。