ハイセンスジャパンは、BS/CS 4Kチューナー内蔵液晶テレビ「U7FG」シリーズを2021年11月上旬より発売します。
4サイズ展開で、いずれもオープン価格。実売予想価格はカッコ内。43型「43U7FG」(7.5万円前後)/50型「50U7FG」(8.5万円前後)/58型「58U7FG」(10万円前後)/65型「65U7FG」(13万円前後) 。
4K液晶テレビの人気モデル・「U7F」シリーズの後継。もともと大手メーカーでは最高クラスのハイコスパと言われていたモデルで、「U7FG」シリーズでも相変わらずのリーズナブルな価格設定に期待も高まります。
参考:「U7F」シリーズ発売時の税込み実売価格(現在はもっと下がっていますが、発売時という同条件で比較するため)
43型「43U7F」(8万円前後)/50型「50U7F」(9万円前後)/55型「55U7F」(10万円前後)/65型「65U7F」(14万円前後) 。
「U7F」シリーズと比較しての違いも織り交ぜながら、「U7FG」シリーズの特徴と魅力に迫りたいと思います。
まず、内容以前の違いとして、「U7FG」シリーズでは「U7F」シリーズにはなかった58型が加わっていることが違い。これにより、58型と65型と、大画面方向にラインナップが充実。大画面かつハイコスパ志向のユーザーにとっては大いに歓迎すべき新シリーズでしょう。
ただし、58型の代わりに「U7F」シリーズにあった55型は無くなっています。ご注意ください。
BS/CS 4Kチューナー1基、地デジ/BS/CS 2Kチューナー3基を搭載する4K/HDR対応の液晶テレビという基本は同様。チューナー数は「U7F」シリーズと同じ。
別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K放送の2番組同時録画、4K放送の1番組録画が可能なのも同様。著作権保護技術のSeeQVaultも引き続きサポート。
HDMI入力端子は4系統。HDMI入力は従来同様、HDMI2.0準拠で、最新の上位クラスの4Kテレビでは採用が広がっているHDMI2.1には対応していません。これはエントリークラスとしては現時点で妥当なところでしょう。
HDRはHDR10に加えてHLGにも対応。これも「U7F」同様で、4Kテレビのエントリーとしては標準的な装備です。
液晶パネルの構成がサイズ別に一部変更。
液晶パネルは、「U7F」では全サイズで正面コントラストに優れるVA(Vertical Aligment)型の広色域(デジタルシネマ規格のDCI-P3をほぼカバー)パネルでした。
今回、「U7FG」シリーズでは50型、58型が従来どおりVA型で、43型と65型は視野角が広いIPSパネル系であるADSパネルに変更になっています。VAとADSパネルの見え方や雰囲気はいくらか異なるので、自分の欲しサイズの画質をしっかりと見極める必要があるかもしれません。
VAパネルながら、テレビの視野角を広げることが可能な「ワイドビューアングル」機能については「U7F」シリーズでは全モデルに搭載されていましたが、パネル構成の変更により、50型、58型のみの搭載となっています。
画面解像度は3,840×2,160ドット。駆動は等速(60Hz)。直下型LEDバックライト仕様でローカルディミングはなし。このあたりは「U7F」同様。
バックライトと液晶パネルの間に挟んだバックライトブーストフィルムにより輝度を引き上げる仕様も同じ。
「低遅延ゲームモード」を引き続き搭載。ただ、メーカーHPを見ると、HDMI 2560×1440 60p出力のPCゲームに対応、最小遅延は約0.83msといった「U7F」では謳われていた内容が「U7FG」では削除されています。
一方、白とびや黒つぶれを復元して、自然な色彩に。暗い物陰に隠れている敵もより見つけやすくなる「HDR再現処理」が新搭載されています。
映像エンジンは「U7F」の「NEOエンジン 2020」から最新の「NEOエンジン2021」に進化。映像エンジンの基本的な内容や搭載回路は従来を踏襲していますが、さらに人肌表現などの質感表現やノイズ処理が進化したとしています。
映像を複数のエリアに分けて解析する「エリア別高精細復元」機能や、映像のエッジ部や平坦部を識別しノイズの種類に合わせて処理する「高精細ノイズ処理」機能など、信号の処理制度を向上させることで、階調表現力と微小信号の再現性を高め、地デジ・BS/CS 4K放送まで、グラデーションなどでより滑らかで精細な美しい表現力となっているとしています。「テクスチャ―復元」も引き続き搭載。
パネルの駆動は等速(60Hz)なため、残像感は倍速駆動機に敵いませんが、それでも残像を減らすための残像感軽減処理(LEDの点滅コントロールなど)は行われています。「U7F」シリーズでは「SMR180」という回路を搭載していましたが、「U7FG」シリーズでも引き続き搭載しています。
操作性の面では、独自UIである「VIDAA」を引き続き搭載。NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoなど様々な動画配信(VOD)サービスを利用可能(4Kには非対応)。リニューアルされたDisney+にも新たに対応。Disney+については「U7F」シリーズでもアップデートで対応します。VODサービスへの対応具合やネット関係の利便性は従来同様のようです。
「U7F」シリーズでは音声操作は、GoogleアシスタントとAmazon Alexaに対応し、対応するスマートスピーカーやスマートフォンを介し、チャンネル変更や音の調整などが音声で操作できましたが、「U7FG」シリーズではこの機能は省略されたようです。
二画面表示も引き続き可能で、生中継されるスポーツのダブル観戦、ニュースとアニメの同時視聴などが可能です。二画面表示時の画面サイズは3段階で拡大・縮小が可能。ただし、外部入力同士の表示、録画番組、動画配信サービス視聴中は二画面表示できません。
二画面表示は「U7F」シリーズの後に発売されたさらなるエントリークラス機「A6G」シリーズでは無くなっており、また、東芝ブランドのテレビでも省略される方向でしたので、今回、この機能が維持されたのは大きなポイントかもしれません。
スピーカーの3次元マトリックス測定と独自の音響解析理論に基づいて開発された音響最適補正技術「Eilex PRISM」を引き続き搭載。
内蔵スピーカー出力は43型のみ7W+7W、それ以外は10W+10W。このアンプ出力値は従来同様。
「U7FG」シリーズではテレビ背面にはウーファースピーカーも新たに搭載。従来の薄型テレビでは実現できなかった重低音を外付け音響機器を使用することなく楽しめます。
4K入力対応のHDMI入力4系統で、HDMI入力 1のみARCが利用できます。そのほかビデオ入力、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力も搭載。USB×2、LAN端子も備えています。これらのインターフェース関連も従来同様。
「U7F」シリーズと「U7FG」シリーズの比較では基本的な機能や性能は維持しながら、映像エンジンの向上により、画質を向上させた「U7FG」シリーズがより魅力的な印象。
全てVA型だった「U7F」シリーズから43型、65型ではADSパネルに変わっているのは大きな違いで、IPS系パネルにより魅力を感じる向きには大きな選択ポイントでしょう。
「U7FG」シリーズではスピーカーも低音側の向上が期待できそうです。
「U7FG」シリーズで機能が後退している点はあまりないのですが、スマートスピーカー連携の音声操作機能が省略されたのは違いではありますので、注意してください。
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ADSパネルとVAパネルの説明間違ってないですか?
ご指摘の通りです。
間違い(ADSパネルを採用しているサイズとVA型を採用しているサイズ)を訂正させていただくとともに、読者の皆様にお詫びいたします。
教えていただきありがとうございました!