ULTRASONE Signature PURE レビュー・音質情報

ULTRASONE Signature PURE 3.3万円の密閉型ヘッドホン

ULTRASONEのオーバーイヤー密閉型ヘッドホン「Signature PURE」が2023年9月30日に発売。価格は33,000円。プロ向けに展開する「Signature」シリーズのエントリーモデルと位置づけ。前世代モデルの名機・Signature DJの流れを汲みます。

Signature DJと同じく密閉のダイナミック型で、50mm径のマイラードライバーを採用。最新チューニングを施すことで、「広い再生周波数帯域において低歪でレスポンスに優れつつ、力強くサブベースまでしっかりとモニタリングできる深い低域再生を実現した」としています。

ヘッドホン特有の頭内定位を改善し、スピーカーのような自然な音場の再現を目指す独自の「S-Logic」テクノロジーは最新版「S-Logic3」を搭載。ハウジング内部に新開発の「ダブルデフレクターフィン」(DDFテクノロジー)を配置することでさらに洗練されたS-Logic効果が得られたとのこと。一方、これまでのS-Logicのようにトランスデューサー(ドライバー)に角度をつけて配置してはいないくなっています。

ヘッド付パッドはスエード製。ヘッドパッド下には通気性の良いメッシュ構造を採用し、汗による蒸れを少なくしているとしています。イヤーパッドは25mm厚と、一般的なヘッドホンよりも厚めで、優れたノイズアイソレーションと長時間の使用でも快適な装着感を実現したとしています。

再生周波数帯域は8Hz~35kHzで、インピーダンスは32Ω。出力は114dB。重量はケーブル含まずに、約294g。

6.3mm標準プラグへの変換が可能なネジ式 3.5mmプラグ採用の2m着脱式カールケーブルを採用。

※ULTRASONEのS-Logic技術について

S-Logic(Spatial-Acoustic Logic)は、ULTRASONEが開発した独自の音響技術です。この技術は、従来のヘッドホンとは異なる方法で音を伝え、聴衆により自然で立体的な音響体験を提供することを目的としています。

S-Logic技術の主要な特徴と原則について以下に示します:

立体的な音場再現: S-Logic技術は、音響波がイヤーカップ内で反射し、外部の耳の形状によって変形することに基づいています。これにより、音が立体的な音場内で再現され、音楽やサウンドエフェクトが頭の外側で聞こえるように感じられるとされています。

自然な音体験: S-Logicを採用したヘッドホンは、通常のステレオヘッドホンに比べて、音が自然で立体的に感じられると言われています。これにより、音楽やオーディオコンテンツの鑑賞時に、より臨場感豊かなエンターテインメント体験を提供できます。

音圧レベルの低減: S-Logic技術により、音の圧力が外部の耳により均等に分散されるため、同じ音量であっても、通常のヘッドホンよりも聴覚に対する負担が軽減されることがあります。このことは、長時間の音楽鑑賞において快適さをもたらすかもしれません。

音場の拡張: S-Logicを採用したヘッドホンは、音場を広げる傾向があるとされており、音楽の詳細さや空間的な表現を向上させることが期待されます。

このように、S-Logic技術は、ULTRASONEのヘッドホン製品に適用され、ユーザーに立体的で臨場感豊かな音楽体験を提供することを目的としています。

ULTRASONE Signature PURE レビューサイト

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ULTRASONE Signature PURE レビュー(Xから)

ULTRASONE Signature PURE 各種レビューなどから読み取れる傾向

発売発表時点で、最近のULTRASONEとしては比較的安価ということと、価格にしては内容が充実していると見えることから、ULTRASONE愛好家だけでなく、ヘッドホン愛好家から注目されたモデルです。また、発売発表前からイベントなどでの試聴機展示もあり、そこでの反応が良好だったことも注目の要因です。

「Signature」シリーズのエントリーモデルということで、MASTER、NATURAL、PULSEといった堂々たる上位機とは見た目の豪華さなどで差がありますが、前世代モデルの名機・Signature DJ(これも10万円ほどしていました)の流れを汲むモデルでハイコスパを狙っているようで、質実剛健な意欲作となっているようです。

その音質も高評価です。

ULTRASONEらしいキレのあるメリハリサウンドと、広い音場再現性を実現するお得意の「S-Logic」の効果も十分あり、密閉型らしい低音の充実と密閉型らしからぬ空間・定位表現力の高さを持っているようです。

上位のMASTERとなると、スタジオマスタリング用途を謳っていることもあり、フラットでやや几帳面な面もありますが、本機「PURE」の場合は、もっとリスニング寄りというか、音に若干の遊びや演出を加え、聴きごたえのあるサウンドにまとめているようです。

上位とはさすがに細かな音の情報量や楽器・声の質感などで差が出るようですが、定価33,000円のヘッドホンとしてみた場合のサウンド面でのコスパがかなり高いと評価されており、この価格でとくに音場表現力に優れた密閉型ヘッドホンを探しているユーザーには有力な選択肢になりそうです。空間・定位表現力の高さは以前からULTRASONEの持ち味ですが、今だとFPSなどのゲーム用途にも適していそうです。

「Signature DJ」の流れを汲むということで、DJ向けでもあり、リズムがつかみやすいといった音の面だけでなく、仕様もDJ向けのところがあります。厚いイヤーパッドと強めの側圧により遮音性が高いというのもDJ向けのためでしょう。このため、純粋な音楽鑑賞用としては人によっては側圧の強さや長時間装着による蒸れを感じる場合もありそうです。なお、イヤーパッドについては付け替えは可能で、シープスキンタイプも装着可能という情報もあります。

「密閉型らしい低音の充実と密閉型らしからぬ空間・定位表現力の高さ」という、ULTRASONEに共通の(「S-Logic」の効果)音質的特徴を手軽に楽しめるヘッドホンとして、幅広いユーザーにおすすめできる密閉型ヘッドホンと言えるようです。

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