RX-A4Aはヤマハが2021年8月27日に発売した7chパワーアンプ内蔵AVプリメインアンプ。税込みの実売価格は12万円程度。
RX-A1080の後継機です。RX-A4Aの内容をご紹介するとともに、RX-A1080と比較しての違いも解説します。
外観デザインは先行して発売されている下位モデルRX-A2Aでも採用されているミニマル&エレガントを目指したデザインで、RX-A1080から刷新。
中央に配置された大きめのボリュームノブやフロントパネルにタッチセンサー式パネルを採用と全面的に変わっています。本体の高精細LCD表示部の表示や表示内容もよりわかりやすくなっています。
最大出力は165W/ch(8Ω)で同じ。7chパワーアンプ内蔵も同じです。
旧モデルより約2倍以上のスルーレート改善を実現したハイスルーレートアンプを採用。入力信号の急激な変化に対応できるとしています。
信号伝送経路を見直す事で、効率的な信号伝送を追求。ローインピーダンス化を実現。さらに、プリアンプ部に多層基板(4層)を採用する事で、理想的な信号・電源・グランド配線を可能に。こうした改善により、クロストークを改善し、音の明瞭度が向上したとしています。
容量をアップさせたヤマハカスタム製のブロックケミコンを新たに採用。パワーアンプのドライブ力が向上し、豊かで芯のある低域再生を可能にしたとしています。WIMAのフィルムコンデンサーも新たに採用。音質を向上させています。
電源トランスの振動による共振を抑えるために、新メカニカル構造を採用。旧シリーズと比較し音の明瞭度が向上。
H型クロスフレームも改良され、接着面を増加。箱全体の強度が倍に向上。音がよりクリアになり、シャープで透明感のある音に。
従来から採用している5本目の脚は旧シリーズの底面中央から電源トランスを支える位置に移動させることで、シャーシの振動を分散させ最大値が約1/10に減衰。音の情報量や質感、低音の制動などが向上しているとしています。
DACチップはESS製の「ES9007S」。これは従来と同様。
新DSPと、FPGA回路を組み合わせ、より柔軟な信号処理と、高度な処理能力を実現。デジタル部分を柔軟にアップデート可能としており、長期的な使用の可能性を高めています。
ドルビーアトモスやDTS:Xといったイマーシブオーディオのデコードが可能。さらに独自のシネマDSP HD3(キュービック)の掛け合わせにも対応。シネマDSP HD3のプログラムは24種類を搭載済み。
ハイトスピーカーを設置していない5.1ch、7.1ch構成でも、高さを含むあらゆる方向から音が感じられるDolby Atmos Height Virtualizer機能も搭載。
AI(人工知能)が視聴中のコンテンツに含まれるセリフや BGM、環境音、効果音などを分析し、シーンに応じて最適な音場効果を自動的に創出する独自のサラウンド機能「SURROUND:AI」も引き続き搭載。
新機種では従来モデル比で約7倍の信号処理性能を持つQualcommの64bit SoC「QCS407」を新たに採用することでより高精度な演算処理が可能になったとしています。
付属のマイクで測定し、設置環境の違いによる音質・音場を補正する「YPAOハイプレシジョンEQ」も引き続き搭載。
新たに64bit演算でイコライジング処理を高精度で行なう事でより演算誤差が無く、ノイズが少ない、音質劣化がほとんど無い補正が可能になったとしています。
新機能「YPAO-Low Frequency Mode」も搭載。波長が長く、定在波として残りやすい15.6Hz~200Hzのみをターゲットに調整を行なう機能で、低域のメリハリや見通しを向上させる事ができるとしています。
ハイレゾ音楽再生はDSD 11.2MHz、WAV/AIFF 384kHz/32bit、FLAC 384kHz/24bit、Apple Lossless 96kHz/24bitを幅広くサポート。音楽配信サービス「Deezer HiFi」や「Amazon Music HD」に対応したほか、音楽配信サービス「Spotify」のストリーミングも「Spotify Connect」機能を利用して便利に楽しめます。ネットワーク再生機能のMusicCastにも対応。Bluetoothもサポートし、SBC/AACコーデックに対応。Wi-Fiも内蔵。このあたりは従来同様です。音声アシスタント機能「Amazon Alexa」にも対応。
スマホ用操作アプリはAV CONTROLLERを廃止しMusicCast CONTROLLERに統合。
HDMI端子はHDMI2.1を新たにサポートするなど大幅に進化。
HDMI2.0だったA1080から、A4AではHDMI2.1を新たにサポート。HDR映像の伝送や、8K/60Hz、4K/120Hzのパススルー/4Kアップスケーリングも可能な7入力/3出力のHDMI端子を搭載。
全ての端子が8K/60Hz、4K/120Hz信号に対応しているため、複数の8K再生機器を同時に接続できます。
今後のファームウェアアップデートにより、4K100AB/120AB、8K/24/25/30、8K50AB/60AB映像に対応可能(A=10bit 4:2:0非圧縮、B=10bit 4:4:4圧縮、AB=どちらもサポート)。ファームアップによりHDR10+にも対応予定。
また、ゲーム用の機能として、VRR、QMS、QFT、ALLMにも対応する予定。これらの4つはHDMI2.1の機能のため、新搭載となります。
さらに、HDMI出力の電源容量も、従来の150mAから300mAに強化。アクティブタイプのHDMIケーブルを使った際に、十分な電源供給により安定した伝送が可能となっています。
アナログ音声入力は、4系統(RCA×4※Phono×1含む)。デジタル音声入力は、光デジタル×2、同軸デジタル×1。このあたりは従来同様です。