YAMAHA SR-B40A Dolby Atmos対応サブウーファー別体サウンドバー 約5万円
ヤマハは、サウンドバーの新モデルとして、Dolby Atmosに対応した別筐体のサブウーファー付属の「SR-B40A」を2023年8月上旬に発売。オープン価格で税込みの実売価格は50,600円前後。
同じく別筐体のサブウーファー付属の既存モデル「YAS-209」(2019年発売・実売約4万円)に新たにDolby Atmosに対応させたようなモデル(「YAS-209」からDTS対応やネットワークオーディオプレーヤー機能、アレクサ対応など省かれている機能もあります)。
サウンドバー部の外形寸法が910W×68H×133Dmm、質量が2.9kg。サブウーファーは外径寸法が194W×419H×407Dmm、質量が8.1kg。リモコン付属。
ワイヤレスサブウーファーが付属
アンプ部、スピーカーユニットについては、フロントL/Rが50W×2、サブウーファーが100W、ドーム防磁型・25mm トゥイーター×2基、コーン非防磁型・46mmウーファー×4基、コーン非防磁型・160mmサブウーファー×1基を搭載。サブウーファーはフロントバスレフで、ポートの開口部にはラウンドフロントフェイスを採用。サブウーファーとサウンドバー部はワイヤレス接続。サブウーファーは電源コードのみの接続で使えます。
イネーブルドスピーカーなしでDolby Atmosバーチャルサラウンド
リアルなリアスピーカーや天井反射を使うイネーブルドスピーカーは搭載していませんが、フロントのサウンドバーだけで、Atmosのバーチャルサラウンド再生が楽しめるように設計。
筐体デザインも一新。筐体が斜め上を向いた形状として、前面に広がるようなデザインにすることで、サウンドバーからの音がユーザーの耳へとスムーズに届くように設計したとのこと。また、背面部分をスリムにすることで、テレビの脚元に置きやすくし、壁掛けの場合では底面の汚れなどを目立ちにくくしているとしています。
入出力端子には、HDMI出力端子(eARC対応)、光デジタル音声入力、アップデート専用のUSB入力を1基ずつ搭載。eARC対応のHDMIケーブル(1.5m)が同梱。
デコーダー機能は、Dolby Atmosの他にDolby TrueHD、Dolby Digital Plus、MPEG-2 AAC、PCM(最大7.1ch)に対応。DTSフォーマットのデコードには非対応となっています。また、バーチャルサラウンド機能はAtmosの入力時のみに作動します。
ムービー/ステレオ/スタンダード/ゲームの4種類から選べるサウンドモードも搭載。
「Clear Voice」「Bass Extension」
従来モデルから搭載されている、声をクリアにリスナーに届ける「Clear Voice」、ベースブースター機能の「Bass Extension」といった2つの機能もブラッシュアップ。両機能とも「Dolby Audio Processor」による音声処理を採用。
Clear Voiceは、小音量で声が聴き取りにくい場合でも声がクリアできるように調整でき、中域の音を持ち上げることで、前面に声が届くとしています。Bass Extensionは、同社のサウンドフィロソフィーである「TRUE SOUND」を軸とした音のバランスを崩すことなく、低域の調整を可能としています。
新たにイコライザー機能「Tone Control」も搭載
新たにイコライザー機能「Tone Control」も搭載。専用のコントロールアプリ「Sound Bar Remote」から、コンテンツ再生時の高音と低音に対してイコライザー操作ができ、高音と低音ともに±6の範囲で調整が可能となっています。専用スマホアプリ「Sound Bar Remote」からは、モード切り替えや音量調整などの各操作も行えます。
ワイヤレス機能では、Bluetooth接続に対応。バージョンはBluetooth Ver 5.1、音声コーデックはSBCとAACに対応。Wi-Fiやネットワークオーディオプレーヤー機能、Alexa Voice Serviceなどの機能は非搭載。
YAMAHA SR-B40A レビュー・口コミサイト
YAMAHA SR-B40A 各種レビューから読み取れる傾向
薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーには好評
SR-B40Aの購入者のレビューを読むと、薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーと、サラウンド感を求めているユーザーとでは、やや評価の温度感が異なる印象です。
薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーは、別筐体のサブウーファーの威力も相まって、いわゆる重低音の迫力を中心に、大いに満足しているようです。薄型テレビのサウンドとの違いには驚くようです。
声をクリアにリスナーに届ける「Clear Voice」、ベースブースター機能の「Bass Extension」の2機能は従来から性能アップしていると謳っていますが、確かにそのようで、迫力がありながら声やセリフが明瞭で聴き取りやすいという評価が多く、テレビ用のサウンドバーとして実用性が高いことをうかがわせます。
サラウンド感はほどほど?Dolby Atmosがメインなのもポイント
一方、本機のアピールポイントであるDolby Atmos対応のサラウンド機能については、フロントスピーカーのみの構成で、イネーブルドスピーカーもないという簡素な構成ゆえか、それほどの音の立体感や回り込み感はないという感想が見られます。もっとも、これは本機に限らず、フロントスピーカーのみの構成で、イネーブルドスピーカーもない他社のモデルでも同様に言われています。この部分のサラウンド感をアップして楽しむなら、リアルなリアスピーカー対応タイプやフロントタイプでもイネーブルドスピーカー内蔵タイプを選ぶべきということでしょう。
Dolby Atmos以外ではバーチャルサラウンド機能は働かないので、サラウンドソースとしてDolby Atmosがメインというユーザーに適していることもポイントでしょう。
ステレオ音声にしてもサラウンド音声にしても、ヤマハならではの自然で聴きやすい音質という評価でまとまっていることは幅広いユーザーにおすすめできる特筆点のように思われます。
既存モデル「YAS-209」からの機能削減に注意
機能面ではDolby Atmos新対応や、イコライザー機能が充実した反面、既存モデル「YAS-209」からDTS対応やネットワークオーディオプレーヤー機能、アレクサ対応などが省かれていることを残念に思う向きもあります。これは昨今のサウンドバーにユーザーから求められる機能をマーケティング調査したうえでの判断でしょうし、また、最近の電機製品関係の部材の値上がりに対応するための策という部分もあるのでしょう。
総じて、Dolby Atmosメインで低音が欲しい方向け?
総じて、サブウーファーなしのサウンドバーでは低音が物足りないけど、5万円以上は出したくない、フロント完結型にこだわるけれどサラウンドソースはDolby Atmosがメイン、ネットワークオーディオなどのプレーヤー機能は不要、なによりヤマハというメーカーを信頼している、というようなユーザーに適しているのではないでしょうか。
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