Zorlooというメーカーが開発したスティック型USB-DAC/ヘッドホンアンプ「Ztella」というモデルが、国内のクラウドファンディングサイト・Kibidangoで扱われる形で国内上陸しました。
クラウドファンディングは2月6日より開始。目標金額は850,000円で既に達成済み。期限は4月2日23時59分まで。50本限定・9,999円(送料/税込)の早割プランなどを用意しています。また、オプションとして支援者限定のLightning変換ケーブル2本セット3,000円(送料/税込)もあります。
スマートフォン等に接続してハイレゾ音源がイヤホンやヘッドホンで楽しめる、スティック型のUSB-DAC/ヘッドホンアンプ。最近モデル数が増えている形態です。長さ11cm、重量5gと軽量・コンパクト。
本機のポイントは、1万円を切る価格でMQA再生に対応している点です。
そのほか、本機の内容としては、USB Type-C端子を備え、対応OSはAndroid/iOS/macOS/Windows 10。USB-Aアダプタが付属するほか、別途支援するとLightning変換ケーブルによってiOSデバイスと直結できます。
ESS TechnologyのHiFi DAC+アンプチップ「ESS Sabre ES9281PRO」を搭載。PCMは384kHz/32bit、DSDは5.6MHzをサポート。SN比は120dB。THD+Nは0.0006%。
ヘッドホン端子は3.5mm径アンバランスのみです。最近増えているバランス接続には対応しません。
ヘッドホンインピーダンスに基づく自動出力レベル調整機能を持っており、150Ω未満の場合は1 V、150Ω以上の場合は2 Vとなり、インピーダンスに合った適切なアンプ動作による音質向上が期待できます。出力インピーダンスは2Ωと低いので、高級なイヤホンの実力も発揮できる性能も期待できます。
一部の対応Android端末ではイヤホンのボタン操作やマイクの使用ができるというのは同様製品のなかでは特徴的です。
接続部のLEDインジケーターが、 青<赤<マゼンタの3段階で再生楽曲の音質レベルを表示する仕組みも備えています。
すでに、中国メーカーを中心に、1万円程度でPCMは384kHz/32bit、DSDは5.6MHzをサポートする同様のスティック型のUSB-DAC/ヘッドホンアンプはいくつもあります。
Xduoo Link、iBasso DC01、iBasso DC02など。iBasso DC01に至っては、2.5mmバランス接続に対応するため、国内市場でも大人気です。
それでも、本機はこれらにはない「MQA再生に対応」というアピールポイントがあります。この点で競合している製品としては、「DragonFly Red(税抜29,500円)」「DragonFly Black(税抜14,600円)」あたりがあります。
MQA再生可能、という点では、スティック型のUSB-DAC/ヘッドホンアンプとして、国内で最も安いというのが本機の魅力でしょうか。ですから、本機は、MQA再生にモバイル環境でこだわる人で、できるだけ安くUSB-DAC/ヘッドホンアンプが欲しい人に向いているでしょう。
なお、「DragonFly 」も同様ですが、本機「Ztella」は「MQAレンダラー」です。「MQAレンダラー」は、PC用有料再生ソフトである、Audirvana PlusのようなMQAのコアデコーダーを搭載するハード機器やソフトに組み合わせ、MQA再生をフルに楽しめるデバイス、という定義。ですから、Audirvana Plusの購入費用と用意も必要になります。ご注意ください。
「Ztella」単体だと最大96kHz/24bitのリニアPCM系ハイレゾ再生までにしか対応できません。Audirvana Plus に接続してソフトウェアの設定から「MQA Renderer device」を選ぶと、DACチップの性能がフルに発揮され、384kHz・352.8kHz/24bitのDXDフォーマットまでのMQAファイルも再生できるようになります(スティック型USB-DAC+Zorloo)。