HiBy WH3 世界初のLDACコーデック対応完全ワイヤレスイヤホン
DAPやBluetoothレシーバー、そして音楽再生用スマホアプリで有名な中国・HiByから、世界初と思われる、LDACコーデック対応完全ワイヤレスイヤホン「WH3」が発表されました。
本国での価格は1,098人民元(約17,000円)。
LDAC以外にも注目の特徴
BluetoothチップにはQualcomm 「QCC5121」を採用し、TWS Plusにも対応。接続安定性の向上も狙います。Bluetoothのバージョンは5.0。
対応コーデックはSBC・aptX・AAC・LDACに加え、HiBy独自で、ハイレゾ相当伝送が可能なUATに対応するのも大きな特徴です。UATはLDACをも超える最大192kHzまでの伝送が可能な高品位コーデック。送信にも対応機器が必要ですが、HiByのスマホ用アプリを導入することで送信可能にできるなどの方法があり、こちらもLDAC同様に注目です。
なお、本機での伝送ビットレートはLDACが最大990kbps、UATは最大550kbpsとなっており、ともに最大96kHz/24bitまでの伝送となっています。
イヤホン自体もかなり意欲的な内容
また、HiByはDAP、Bluetoothレシーバーいずれにおいても、ハイコスパであると同時に高音質にもこだわっていて、本機もイヤホンそのものとしてもかなりの高音質を狙っています。
まず、完全ワイヤレスイヤホンとしては現在でもあまり採用例のないBA型とダイナミック型のハイブリッド構成を採用。音質向上は見込めますが、バッテリー消費が大きい、本体サイズが大きくなるといった理由で、大手メーカーではまだ及び腰の構成です。
本機では1BA+1DDの構成を採用。さらに、DSPによりクロスオーバーが可変、アンプは各ドライバーごとに独立のバイアンプ駆動と、Bluetoothイヤホンでここまで凝った内容のものはほかに見当たらないほどです。イヤホンの重量は片側6g。
バッテリー持ちは健闘
相当音質に凝っていますが、こうなると心配なバッテリー持ちですが、これは5時間と健闘。また、充電の利便性を大きく向上できるワイヤレス充電(Qi)に対応しています。付属の充電ケースの使用で最大24時間の再生が可能。付属充電ケースの重量は53gです。
本体と充電ケースのカラーは白。イヤホンのデザインはAirPodsに類似していて、いわゆるうどん形状。AirPodsに見た目は似ていますが、形式は遮音性の高いカナル型です。
なお、じつは同時に下位モデルとなるLDAC対応の完全ワイヤレスイヤホン「W2」も898人民元(約14,000円)で発表されていました。対応コーデックなどは同じですが、ユニット構成がダイナミック型1基とごく普通になっています。また、デザインもかなり違います。Qiにも非対応。この価格差でこの内容の違いであれば、「W3」を選びたいところです。
とにかく、大注目の新製品。日本でも発売されることを期待します。
初のLDAC対応完全ワイヤレスイヤホンはソニー以外でした
LDACコーデックはソニーが開発したものですから、LDAC対応完全ワイヤレスイヤホンはソニーに期待が集まっていたと思いますが、中国の新興オーディオメーカー、しかも、ポータブル機中心のメーカーに持っていかれるのは、まさに現在の世界の工業界の状況を示しているようです。
いずれにせよ、技術的な困難をクリアして、ソニーも含めた多くのメーカーからLDAC対応完全ワイヤレスイヤホンが出てくることも期待したいところです(完全ワイヤレスイヤホン+HiBy)。
追記:9月12日 TBSの「開運音楽堂」で本機が取り上げられました。国内発売も近いようです
【お客様へのお知らせ】
明日9月12日(土)の朝4時15分から、TBSテレビ開運音楽堂にてHiByのWH3を特集して頂いております!
WH3は日本発売準備中、皆様ぜひチェックしてみてください! https://t.co/dGePXMPEIN— HiByMusic Japan (@hibymusic_jp) September 11, 2020
急に検索でこのページに来る人が増えたと思ったら、「HiBy WH3」がTBSの「開運音楽堂」(9月12日朝放送)という番組で取り上げられたからのようです。
HiByの国内公式ツイッターでも触れられており、そこでは、「HiBy WH3」の近いうちの国内発表も見て取れます。「HiBy WH3」の国内発売が楽しみです。
追記:11月7日 国内正式発表されました。11月13日に税抜き約1.8万円で発売!
11月13日に、税抜き実売価格約18,000円で発売されます。国内発売当初はUATとLDACに対応していません。のちにアップデートで対応されるとの情報があります。いずれにしてもLDAC対応完全ワイヤレスイヤホンを待っていた人にとっては大きな存在となりそうです。
また、デジタルクロスオーバーはiOS/Android OS両対応アプリ「HiBy Blue」を使用して、40Hz~19kHzまで1Hz単位で調整可能。これにより、好みの音質を追い込むこともできます。こんな凝った機能は有線/ワイヤレスを問わずに例がないほど。今後の高音質イヤホンの新たな方向性さえ感じさせます。https://www.hiby.jp/detail.php?id=1602687258
追記:11月14日 国内発売直前になって、LDACコーデック対応が未定と変更になりました
IIDAPIANO INFORMATION@iidapiano
HiBy WH3に関しまして、情報の変更がございます。
本日、本国HiByより、WH3のLDAC対応に関しまして、
一旦、対応未定に変更との通達がありました。発売直前の変更で大変申し訳ございません。
今後、LDACに関しての情… https://t.co/Wix8pVPSiZ
一方、UATについてはHiByのDAPでUAT送信対応アップデートが行われていることもあり、対応できるようです。LDACコーデック対応未定についてはソニーとの関係性や技術的な問題など理由は推測されますが、詳しくは不明です。LDACコーデックにこだわる方は留意してください。
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