デノンなどの一部AVアンプが4K/120Hz出力できない問題に解決策
D&Mホールディングスはデノン、マランツブランドの一部AVアンプ所有者に対し、次世代ゲーム機などからの8Kまたは4K/120Hz入力を可能にするHDMIアダプター「SPK618」を無償提供すると発表しました。
両ブランドの一部AVアンプ(8K/60および4K/120pのパススルーに対応すると謳うHDMI入出力を搭載する機種)では、8K対応ゲーム機などから8K、または4K/120Hz信号を、AVアンプに入力すると画面がブラックアウトし、音声も出力されなくなる問題が発生していました。この問題は4K/120Hz HDRのHDMI入力をサポートするディスプレイが使用されている場合にのみ発生します。
ファームウェアアップデートでの対応が不可能であり、また、基板交換を行うという大規模な対策の選択肢も難しいということでの今回のアダプターの無償提供という判断です。
なお、このアダプターをメーカーからもらう場合にはいくつかの質問(所有しているAVアンプのモデル名とシリアルナンバー、接続しようとしているゲーム機、グラフィックボード、テレビ、ディスプレイ)に答える必要があります。
該当と思われるAVアンプ:DENON
AVC-A110、AVR-X2700H、AVR-X4700H、AVC-X6700H
marantz
SR8015、SR6015、NR1711、
ヤマハにおいては無償での基板交換を選択
両メーカーでは特定のゲーム機の明言を避けていますが、同様の問題を抱え、原因も同じ(HDMIチップの供給元が同じ)ヤマハにおいては、基板交換を選択するとともに、ゲーム機「Xbox Series X」、およびグラフィックボード「NVIDIA GeForce RTX30シリーズ」から4K/120Hz信号を入力した場合と、機器を明らかにしています。
デノンの場合も不具合が起こる機器は同じと思われます。「接続しようとしているゲーム機、グラフィックボード」の答えはゲーム機「Xbox Series X」、およびグラフィックボード「NVIDIA GeForce RTX30シリーズ」となるものでしょう。
とにかく問題の解決にはなります
HDMIアダプター「SPK618」はメーカーの図を見たところ、フルサイズないしそれよりは横幅の小さいコンポスタイルの機器で、いわゆるACアダプターのようなサイズではありません。「SPK618」を動作させるためのACアダプターも図には見えており、「SPK618」にはAC電源の供給も必要です。
HDMIアダプター「SPK618」は不具合のあるAVアンプの8K HDMI入力端子と不具合を起こすゲーム機などとの間にHDMIアダプターを接続して使います。そうすると、4K/120Hz HDR信号が正しくディスプレイに表示されるようになります。
場所も取りますし、見た目も不格好ですが、とにかく問題の解決にはなります。
両メーカーの対応にはいろいろな意見もあるようですが、コストやユーザー側の面倒なども総合的に考慮したうえでの選択でしょう。
今後はどうなる?使い方によっては無関係な人も
おそらく、今後、モデル名はそのままに対策を施したバージョンも出てくるのでしょう。そうなったらそうなったで、市場や販売店は混乱しそうです。
だからといって、早期にモデルチェンジして対策済みモデルを別モデルで出すのも昨今の半導体事情やコロナの影響から難しそうです。
本来はコロナとも半導体不足とも関係ない問題ではありますが、ちょっと時期がわるいというか運のないタイミングで面倒なことになってしまったと思います。
とりあえず、対象ゲーム機やグラボを使うにしても、4K/120Hz信号を使用しないのであれば、不具合は起こりません。そもそも対象機器を持っていなければ関係はありません。今回のアダプターを用意しなくてもよいことになります。
そういう意味ではいわゆる映画主体にAVアンプを使う人には関係ないのですが、4K/120Hz対応のゲーム機と使用するAVアンプユーザーが結構多いということなのでしょうか。多くても少なくても対応は必要ですが。
コメント