audio-technica AT-SB727 レコードを挟んで聴ける「サウンドバーガー」
オーディオテクニカは、レコードを挟んで聴ける「サウンドバーガー」の通常販売モデル「AT-SB727」を2023年6月23日に発売。オープン価格で税込みの実売価格は24,000円前後。
オーディオテクニカ60周年記念モデル「AT-SB2022」の通常版
1980年代に販売されていた「AT727」というレコードを挟んで再生するコンパクトプレーヤーを現代的に復刻したモデル。オーディオテクニカ60周年記念モデルとして「AT-SB2022」という型番で限定発売したものを通常販売化したもの。
AT-SB727とAT-SB2022の違いは?
60周年記念モデルの「AT-SB2022」では、レッド(レッド×ブラック)のカラーリングを採用していたが、今回の通常モデルでは、ブラック(ブラック×ブラック)、イエロー(イエロー×ブラック)、ホワイト(ホワイト×ブラック)の3色のカラーバリエーションがラインアップ。両モデルの違いは本体カラーの違いのみ。仕様・機能は同一なので、オーディオ機器としては同じものとなります。そのほかパッケージデザインも異なります。
audio-technica AT-SB727の内容
外形寸法は100×290×70mm(幅×奥行き×高さ)、重さは900g。携帯性とトーンアームの安定性を両立させるため、バネにより針圧をかけるダイナミックバランス方式を採用。VM型のステレオカートリッジを搭載。オーディオテクニカの交換針「ATN3600L」(別売)に交換して使用できる。
33/45回転に対応可能なベルトドライブ方式。安定した回転を保持する高精度DCモーターを採用。プラッターは制振設計を施したアルミニウム合金ダイキャスト仕上げ。
ライン出力とBluetooth送信機能を搭載。Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBCをサポート。本体スピーカーは搭載していません。
USB-Type C経由で充電。フル充電で12時間再生可能。リチウムイオンバッテリー(2100mAh)の搭載。バッテリー交換は2750円。
audio-technica AT-SB727 レビューサイト
audio-technica AT-SB727 各種レビューや製品情報から読み取れる傾向・考察
レトロアイテムとして限定版のときから人気
実際に1980年代に発売されていたモデルがベースということもあり、外観は現代の感覚からすると、まさに1980年代テイストのレトロ感あふれるもの。文字のフォントなども当時のまま。往時を知る人には懐かしいでしょうし、当時を知らない若者には新鮮に映るでしょう。
60周年記念モデルの「AT-SB2022」は大変な人気となり、すぐに売り切れ。そのため、通常販売が待ち望まれていました。待望の通常販売となります。機器としての内容は同一ですが、限定モデルのレッドのカラーリングは通常品にはなく、そのあたりは差別化されています。赤のほうがいいという人には残念でしょうが。
本機はポータブルレコードプレーヤーという実用的な側面だけでなく、おしゃれアイテム的な面も強く、レビューや評価にしても、見た目やインテリア性も考慮して判断しなければならないでしょう。
単品のレコードプレーヤーとしてはそこそこ
単品のレコードプレーヤーとしてはそれほど音質を期待できるものではないようです。ライン出力からの再生音質については特筆できるものではないようです。ただ、オーディオテクニカは廉価なレコードプレーヤーには長年のノウハウと実績があり、しかも音質面での評価も高いため、本機の音質も同様の品をノウハウの少ない他社が作るのとでは相当違うとは思いますが。レコードにはじめて触れる方や久しぶりに触れる方が日常でレコードを楽しむには十分な品位は備えているようです。
機能面で惜しいところ
ただ、Bluetooth送信可能という現代化はいいにしても、オリジナル「AT727」に搭載されていた内蔵スピーカーは付けて欲しかったという声があります。手軽な小型レコードプレーヤーは他にもありますが、たいていはモノラルであってもスピーカーは付いていることからしても、この点は残念です。オリジナル「AT727」に搭載されていたヘッドホン端子も無くなっています。
Bluetooth送信機能も標準のSBCのみというのも残念。あまりコストをかけずともaptX Adaptiveのような高品位コーデックにも対応できたのではないかとも思います。
USB-C充電でのバッテリー駆動は評価
USB-C充電でのバッテリー駆動は評価されています。屋外にも持っていけるのはうれしいところでしょう。オリジナルの単2型電池×3で動作する仕様はさすがに盛り込めませんでしたが。内蔵バッテリー交換ができるので、末永く使えるのも見逃せないところです。
おしゃれなレトロアイテムと実用性を両立
おしゃれアイテム的な立ち位置からしても、幅広いライトユーザー向けの製品にも見えますが、全くのレコード初心者では説明書を見ないとわからない操作や初回時のセッティングなどがあり、しかも、力任せにしようとすると壊しかねないところもあるそうなので、扱いには注意が必要のようです。
コンパクトでデザイン性のあるレコードプレーヤーが、レコードを挟んで再生する様子自体、見ていて楽しいもので、これだけでもインテリアとして高い価値があると評価する人が多いです。
安くはありませんが、総合的に見るとおしゃれなレトロアイテムとしての価値を大いに持っている逸品と言えそうです。レコードプレーヤーとしても十分に実用的です。
今後、機能や端子を充実させた上位機を期待したいところです。
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