ハイセンスの4K液晶テレビのエントリーラインの2021年モデルが「A6G」
ハイセンスの4K液晶テレビのエントリーラインの2021年モデルが「A6G」シリーズ。50型「50A6G」(税込み実売価格6万円程度)に加え65型「65A6G」(同9万円程度)、55型「55A6G」(同7万円程度)、43型「43A6G」(同5.5万円程度)を4月7日より順次発売。さらに75型「75A6G」も夏に発売予定。
「U7F」シリーズの存在
ハイセンスの4K液晶テレビのエントリークラスというと、2020年に「U7F」シリーズが発売されています(43、50、55、65型。75型はなし)。
とすると、「U7F」シリーズは生産終了?と思いきや、販売継続。というのも、どうも「A6G」シリーズは単純に「U7F」シリーズの後継というのではなく、「U7F」シリーズよりもさらに手ごろな価格の新エントリーモデルという位置づけのようです。
実際、実売価格も発売されたばかりの「A6G」シリーズはそれぞれのサイズで「U7F」シリーズよりも1万円ほど安い価格になっています。発売されたばかりでこうですから、今後はもう少し下がると思います。
「A6G」シリーズと「U7F」シリーズを比較しての違い
では、「A6G」シリーズと「U7F」シリーズを比較して、どこが違うのかを見ていきましょう。
①映像エンジンの違い
テレビの画質を大きく左右する映像エンジンは「A6G」シリーズでは「NEOエンジンLite」、「U7F」シリーズでは「NEOエンジン 2020」となっています。
いずれにしても東芝系の高画質な映像エンジンですが、グレード的には「NEOエンジンLite」のほうが下となるようです。
②各種高画質化回路
最近の4K液晶テレビは4K以外の放送波やネット動画なども4K相当などの高画質にアップコンバートして表示してくれます。両シリーズともそうなのですが、その回路の内容が少し異なります。
「A6G」シリーズでは映像エンジンに含まれる「エリア別クリア復元」「クリアノイズ処理」「テクスチャ―復元」によって高画質化を行いますが、「U7F」シリーズでは「エリア別高精細復元」「高精細ノイズ処理」「テクスチャ―復元」というように少し内容が異なっており、名称からわかるように、「U7F」シリーズのほうがいくぶん高品位な回路となっているようです。
また、両シリーズともパネルの駆動は等速(60Hz)なため、残像感は倍速駆動機に敵いませんが、それでも残像を減らすための残像感軽減処理は行われています。「U7F」シリーズでは「SMR180」という回路ですが、「A6G」シリーズでは「SMR120」を搭載。数字が大きいほどより効果の高い回路ですので、「A6G」シリーズのほうがいくらか残像軽減では劣る、ということになります。
幅広い色表現が出来る「広色域」への対応も「U7F」シリーズではなされている一方、「A6G」シリーズでは非対応です。
③パネルの違い
「U7F」シリーズでは4K液晶テレビのエントリークラスでは一般的なVAパネルでした。一方、「A6G」シリーズでは43/55/65/75型は、IPSと同じタイプのADSパネルとなっています。
IPSパネルは視野角が広いのがメリット。「U7F」シリーズではVA型の視野角をカバーするため「ワイドビューアングル」という視野角を広げられる画質設定がありましたが、「A6G」シリーズではなくなっています(不要なため)。
④HDMI入力の違い
HDMI入力端子は「U7F」シリーズでは4系統。「A6G」シリーズでは3系統。HDMI入力は18Gbpsまでで、ARCに対応。
「U7F」シリーズではHDMI2.1に規定される機能は搭載していませんでしたが、「A6G」シリーズでは入力機器からの情報に連動して低遅延モードと高画質モードを自動的に切り換えるALLM(Auto Low Latency Mode)に新対応。4K解像度や、2,560×1,440ドット/60p出力のPCゲームも楽しめるスペックをより生かせる装備となっています。
共通の機能・内容
直下型LEDバックライトに等速駆動、部分駆動非対応と、エントリークラスによくある基本内容は同等です。
BS/CS 4Kチューナー1基、地デジ/BS/CS 2Kチューナー3基を搭載する4K/HDR対応の液晶テレビという基本も同様。
別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K放送や、4K放送の番組録画が可能なのも同様。
HDRはHDR10に加えてHLGにも対応。これも同様で、4Kテレビのエントリーとしては標準的な装備です。
操作性の面では、独自UIである「VIDAA」を搭載。NetflixやYouTube、Amazon Prime Video、ABEMA、hulu、U-NEXTなどの映像配信サービスが利用できます。RakutenTV、Paraviが「A6G」シリーズで追加されました。
また、GoogleアシスタントやAmazon Alexaを搭載したスマートスピーカーに対応し、テレビをハンズフリーで操作できます。
サウンド面では、スピーカーの3次元マトリックス測定と、独自の音響解析理論に基づく音響最適補正技術「Eilex PRISM」を両シリーズとも採用しています。
録画機能の違いは注意
搭載チューナー数は同じながら、外付けHDDを接続しての録画機能に違いがあります。「U7F」シリーズでは2K放送の2番組同時録画、4K放送の1番組録画が可能でしたが、「A6G」シリーズではこのうち、2K放送の2番組同時録画はできず、視聴中の裏番組録画のみ対応となっています。
そのほか、2画面表示機能も「U7F」シリーズのみとなっています。
「A6G」シリーズと「U7F」シリーズの選択のポイント
一見、「A6G」シリーズは「U7F」シリーズの単純に下位のように感じてしまいますが、どうもそうではないところもあるようです。というのもパネルが50型以外は低価格4K液晶テレビでは珍しいIPSタイプであることや、HDMI2.1のALLM機能に対応するなど、「A6G」シリーズが優位と思える点もあるからです。
それでも、正面から見たときの基本的な画質や録画、2画面機能など「U7F」シリーズが上回っている点もあります。
「A6G」シリーズのほうが1万円ずつほど安いのも確かで、1万円の差が大きい低価格帯のモデルということもあり、両シリーズから選ぼうという場合は、自分の用途や重視するポイントをはっきりさせて、よりよいと思えるほうを選びたいところです。
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