アキュフェーズは、プリメインアンプの新モデル「E-380」を、11月上旬より発売します。価格は450,000円(税抜)。従来モデル「E-380」(2015年発売、40万円・税別)の後継機。
従来モデルとほぼ同等の筐体サイズで、定格出力を20%、ダンピングファクターを25%増強したのが主な違いです。
定格出力は180W(4Ω)/120W(8Ω)。また、基板や部品の配置を見直したことで、スピーカー駆動に影響を及ぼすダンピングファクターも25%向上。400から500になっています。看板のボリューム機構AAVAも改良を施し、SN比が高まっています。
大出力化を支える電源部には、従来モデルよりも容量が10%大きい33,000μF 平滑用アルミ電解コンデンサー、および大電力容量のトランスを新開発して搭載しています。
音に直接関係ありませんが、アナログ式ピーク・パワーメーターに少し変更が。出力電力を従来の-40dBから-50dBまで表示できるようになりました。より微小な音楽信号の時にもメーターが動くのを目で見て楽しめるようになります。
一方で、従来から引き継いでいる完成度の高い技術や機能もたくさんあります。
バイポーラトランジスターを2パラレル・プッシュプル構成で採用したAB級動作である基本内容は同様。パワー部全体でバランスアンプを構成する「インスツルメンテーション・アンプ構成」、出力信号を電流の形で帰還する「カレント・フィードバック回路」も同様に採用しています。
音量調整には同社独自の音量調整機構「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifer)方式ボリュームコントロール」を搭載。アナログ方式ながら可変抵抗体を使用しない機械接点のないボリュームで、ガリ、ギャングエラーを排除し、音量位置による音質の変化なども極小化させた優れたボリュームで、アキュフェーズの看板ともなっている技術です。
アンプの異常時に働くプロテクション回路は、接点のない「MOS-FETスイッチ」を引き続き採用。接点の増加や経年劣化による音質低下を防止します。
加算型アクティブフィルター式トーンコントロールや、小音量時に低域の量感を補うコンペンセーターなども引き続き搭載。AAVAボリュームを効かせられるヘッドホンアンプも搭載しています。
音声入力端子としてTUNER/CD/LINE1/LINE2/LINE3/バランス/CDバランス、レコーダー端子としてレコーダー再生/録音、プリアンプ出力端子、パワーアンプ入力端子、スピーカー端子A/Bを搭載。
背面には、従来同様にオプションボードを接続できる増設スロットを2基搭載。USB/同軸デジタル/光デジタル入力を増設できるデジタル入力ボード「DAC-50」、MM/MCフォノイコライザーを内蔵したアナログディスク入力ボード「AD-50」、ライン入力を増設するライン入力ボード「LINE-10」といったオプションボードを装着し、機能を増強できます。
外形寸法は465W×171H×422Dmm、質量は22.8kg。
見た目はほとんど変わっていませんが、価格の上昇分には見合うだけの出力アップは果たしていますので、割高になったとは言えないでしょう。
単に音質だけで言えば、劇的な変化はあまりないかもしれません。もともと完成度が高く、オーソドックスな再現性を持つメーカーによる中級クラス機なだけに(プリメインアンプ+Accuphase)。