agブランドの完全ワイヤレスイヤホン「TWS04K」
SNEXTは、自社ブランドagから、完全ワイヤレスイヤホン「TWS04K」を2020年5月1日に発売します。価格は15,800円(税込)。
新製品「TWS04K」は、「マニアのサブ機としてふさわしい音質を目指した」というagブランドの完全ワイヤレスイヤホン・Kシリーズの最新モデルで、「TWS01K」(2019年・12,800円)の後継モデルの位置づけ。
「TWS04K」の特徴
音質は、これまで同様、finalが全面監修。透明感のあるクリアなボーカルと十分な低音感という両立が難しい音質を実現したという音作りをアピール。
水没させても大丈夫なレベルのIPX7準拠の高い防水性能も装備。イヤホンで防水性能を高めるには、ノズル内部に音質調整用のフィルターとは別に防水フィルターを設置するのが一般的だそうですが、本機では音質が低下するため採用せず、「音質への影響がほとんど無い」という防水機構を開発したと謳っています。
音質チューニング云々よりも、意外とこのあたりの工夫が音質に効いてくるかもしれません。
ただ、音質を重視して完全ワイヤレスイヤホンを選ぶような人が、たとえスポーツ時や屋外で使うにしても、ここまでの防水性が必要なものなのでしょうか。大手メーカーではIPX6以下程度のモデルも多いだけに、ちょっと不思議です。
finalの新設計イヤーピース「TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様」を5サイズ同梱しているのも特筆点。ソフトに装着するタイプで、異物感がほとんどない“至上最高の装着感”を実現したと強力にアピールしています。高品位なイヤーピースも独自開発しているfunal関連ブランドならではの強みでしょう。
片耳を紛失した際は、ag公式Webサイトで片耳のみの購入が可能なのもありがたいアフターサービスと言えるでしょう。
BluetoothチップにQualcommの「QCC3020」を採用。コーデックはSBC、AAC、aptXに対応。1回のフル充電での本体バッテリーの持続時間は約9時間。革シボ仕上げの専用充電機能付きケースは2,600mAhの大容量バッテリーを搭載。ケースでの充電を含めると、最大180時間の再生が可能な超ロングバッテリーなのも特徴です。充電ケースはモバイルバッテリーとしても使用できます。
「TWS01K」と比較しての違い
先代モデルの「TWS01K」と比較しての違いとしては、まずバッテリー持続時間。イヤホンのみで9時間、充電ケースと併用して最大54時間の再生が可能でした。ケースは2,000mAhの大容量バッテリーを搭載し、モバイルバッテリーとしても使用できるのも同様でした。
また、「TWS01K」では防水性には全く触れていませんでしたが、「TWS04K」では一気にIPX7の防水性。音質や機能よりもこの防水性が最大の違いでしょう。
イヤーピースが新設計になっているのも「TWS04K」の特徴です。
顕著な違いは防水性とイヤーピースのように見えますが、それにしては価格の差があります。この差は音質向上に振り向けられている可能性は高いと思います。いずれにしても「TWS01K」は生産完了なので、購入することは難しいですが。
完全ワイヤレスイヤホン市場で存在感を示したい中小メーカーの努力が見えます
アップルのAirPodsをはじめ、ソニー、ボーズ、そして最近では新規参入のパナソニック、新製品を投入したゼンハイザーと、大手メーカーが鎬を削っている完全ワイヤレスイヤホン業界。
どうしてもfinalを擁するSNEXTのような中小メーカーでは存在感を発揮するのも難しいようです。それでも、本機は、実際の設計や、宣伝文句、宣伝方法など、かなり工夫しているように感じます。
実際、4月25日の「春のヘッドフォン祭 2020 ONLINE」では、声優の小岩井ことりさんに本機のレビューをしてもらうという企画を行うなど、アピールに余念がありません。
「マニアのサブ機としてふさわしい音質を目指した」という宣伝文句も、気に入らないという意見がネット上で見られますが、そういう反応も含めて、あえて行っている気もします。
充電ケースを大きくして大容量バッテリーを搭載することで、充電込みでの超ロングバッテリー、という手法も、人によっては不満に思う可能性もありますが、これもいろいろ考えた上での作戦でしょう。
SNEXTは、メインのブランドであるfinalでもついに完全ワイヤレスイヤホンを発売します。ただ、その第一号機は、いきなりエヴァンゲリオンとのコラボ商品という、思い切ったもの。
SNEXTが完全ワイヤレスイヤホンでは販売促進も含めて、試行錯誤していることがうかがわれます。
「TWS04K」もどのように市場で受け入れられ、評価されるでしょうか(完全ワイヤレスイヤホン+ag)。
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