アップルがPrimephonicを買収
アップル(Apple)は8月30日、クラシック音楽ストリーミングサービスの「Primephonic(プライムフォニック)」を買収したと発表しました。買収額は非公表。
Apple Musicのクラシック音楽充実が狙い
Primephonicはクラシック音楽に特化した検索システムやメタデータ、練られたプレイリストなどに強みがあるということで、アップルが運営する音楽ストリーミングサービス「Apple Music」のクラシック音楽ジャンルの強化が狙いとなります。
今後数カ月のうちに、作曲者別の検索機能やクラシック音楽のメタデータの詳細表示など、多彩な機能が「Apple Music」で利用可能になるとしています。また、来年には、Primephonicのユーザーインターフェイスを活用した、専用のクラシック音楽アプリケーションも公開される予定としています。
クラシック音楽愛好家だけでなく、幅広いユーザーに恩恵?
不勉強でPrimephonicという存在すら知りませんでした。個人的にはクラシック音楽メインで聴くだけに、なおさら不勉強です。
また、ストリーミングサービスは個人的にはAmazon Music HDとspotifyがあればクラシックの主要な録音はカバーできているとは思っており、Apple Musicの必要性は感じていませんでした。
今回の買収は、クラシックコンテンツの充実のため、というだけでなく、クラシック音楽再生における検索やデータ表示の面での強化が狙いのようです。
たしかに、クラシック音楽は同曲異演が極めて多く(クラシック音楽鑑賞の目的の多くが、名曲のさまざまな演奏を比較して聴くことですから当然ですし、これまでに積み上げられてきた録音も膨大。しかも、60年以上前のステレオ初期の録音の多くも現役の名演奏として遇されているような業界ですから)、初心者からライトユーザーまでがクラシック音楽を聴こうとしても何をどうしたらいいのかわからない、ということがストリーミングで起こっているようです。
また、月額千円くらいの聴き放題だとクラシック音楽を聴いてみたいというユーザーも思ったよりも多いのかもしれません。
Apple Musicのクラシック音楽の検索システムやプレイリストは、どうやら全然、クラシック音楽初心者向けの内容を備えていないようで、このあたりへの大幅な改善が期待できるようです。特に検索が現状ではまずいようです。
また、既存のプレイリストにしても「朝のクラシック」「モチベーションが上がるクラシック」「癒やしの合唱音楽」みたいなものばかりで、これはこれで初心者向けではありますが、クラシックを聴きこんだユーザーにはほぼ不要なものであり、Primephonicはこの点で強みがあるようで、クラシックのヘビーユーザーにも響くサービスも狙うようです。