アユートは、Astell&Kern初の完全ワイヤレスイヤホンとして2022年4月に39,980円で発売した「AK UW100」について、原材料と部品不足により生産の継続が困難となったため、生産を中止し、製品販売も終息すると発表しました。
ハイエンドクラスのDAPでおなじみのブランドからの、初めての完全ワイヤレスイヤホンとして高音質志向モデルとして期待を集めていました。
DAPに搭載されている独自のアンプ・オーディオ回路技術と32bit Hi-Fi DAC「AK4332」を搭載、aptX Adaptive(最大24bit/48kHz)にも対応するなど、内容面ではブランド初の完全ワイヤレスイヤホンとは思えない充実ぶりを示していました。BluetoothチップはQualcomm QCC5141を採用。
イヤホンのドライバー構成はKnowles製BA(バランスド・アーマチュア)型をフルレンジで1基搭載した1BA型。
筐体には、人間工学に基づいたという五角形デザインと、クラス最高レベルというパッシブノイズアイソレーション(PNI)を搭載。一目でAKシリーズの製品と分かるデザインとカラーリング、質感に仕上げているのもポイントでした。
機能面ではマルチポイントに対応しています。デュアルマイクによるクリアな通話品質も謳っており、通話用やリモートワーク用などのヘッドセットとしての利用も想定。
イヤホン本体の操作はタッチ式。装着センサーを内蔵しており、イヤホン着脱により再生一時停止と再生再開の機能も有しています。
独自開発の専用スマートフォンアプリ「AK TWS」に対応。EQ調整や各設定が行えます。
バッテリー持続時間については、本体のみで6時間、付属の充電ケース併用で最大24時間の再生が可能としています。10分充電で1時間再生が可能な急速充電にも対応。充電ケースはワイヤレス充電にも対応しています。
イヤホン本体の重量は片側7g、充電ケースは65g。5サイズのイヤーピースが付属。
本機のレビュー情報を見てみると、音楽の再生音質は満足しているという意見が多かったものの、パッシブノイズキャンセリング性能(ようは遮音性)が思ったほどではない、アプリが不安定、ケースが大きい、ケースの高級感がいまひとつ、など、音質以外のところでの不満や不安が散見されました。また、この価格でアクティブノイズキャンセリング機能がないことは、いくら再生音質重視であっても残念に思う向きはあったようです。
音質重視機としてもこの価格でBA型1基はワイドレンジ性でやはり不利ですし、aptX Adaptiveが最大24bit/48kHz対応も、すでに24bit/96kHzのSnapdragon Sound対応機が他社から出てきている状況なのも不利です。
ですから、発売から時間が経っていないとはいえ、思い切って早めにディスコンにして、新たな高音質モデルを開発するとしても納得できる気はします。
本機の音質自体は良好なようなので、新品購入できなくなっても、中古価格が安ければ、aptX Adaptive対応の高音質モデルとして、しばらくは活躍できるのではないでしょうか。