Astell&Kernはポータブルオーディオプレーヤー・A&norma SR35を2023年5月20日に発売。直販価格は129,980円。
Astell&Kern製オーディオプレーヤーのスタンダードライン「A&norma」シリーズの新モデルで、従来モデル・SR25 MKIIの後継機(2021年発売・99,800円)。
Astell&Kern A&norma SR35は、Cirrus Logic製DAC「CS43198」を4基搭載し、A&normaシリーズで初となるクアッドDAC構成を採用。 最大384KHz/32bitまでのPCMと、DSD 256のネイティブ再生に対応する高性能プレーヤー。 また、新世代アンプ技術や最新のオーディオ設計を採用し、高音質・コンパクト・長時間再生を実現しています。なお、OSは独自組み込みでAndroidではありません。
A&norma SR35の主な特徴は以下の通りです。
クアッドDAC構成:Cirrus Logic製Master HIFI DAC「CS43198」を4基搭載。 最大384KHz/32bitまでのPCMと、DSD 256のネイティブ再生に対応。
新世代アンプ技術:Astell&Kern独自の新世代アンプ技術を搭載。 電流処理能力が向上し、様々なイヤホンやヘッドホンを余裕をもってドライブ可能。
最新のオーディオ設計:新設計のオーディオ回路や独自のTERATON ALPHAテクノロジーにより、高音質を実現。
豊富な入出力:2.5mm/3.5mm/4.4mmのヘッドホン出力、Bluetooth 5.0、デュアルバンドWi-Fi、USB-C
コンパクトサイズ:幅約64mm、高さ約122mm、厚さ約15mmの手のひらサイズのコンパクトサイズ。 持ち運びに便利。
長時間再生:内蔵バッテリーで約20時間の連続再生が可能。
A&norma SR35は、高音質とコンパクトサイズを両立したポータブルオーディオプレーヤーです。 高音質な音楽をいつでもどこでも楽しみたい方におすすめのモデルです。
Astell&Kernのポータブルオーディオプレーヤー・A&norma SR35の仕様
仕様 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | 3.6インチタッチスクリーン |
オーディオ出力 | 3.5mmアンバランス出力、2.5mmバランス出力、4.4mmバランス出力 |
DAC | Cirrus Logic製Master HIFI DAC「CS43198」を4基搭載 |
最大再生周波数 | 384KHz/32bit、DSD 256 |
アンプ | Astell&Kern独自の新世代アンプ技術 |
バッテリー容量 | 3,300mAh |
連続再生時間 | 最大20時間 |
サイズ | 幅約64mm、高さ約122mm、厚さ約15mm |
重量 | 約184g |
ストレージ容量 | 64GB(内蔵)/256GB(microSD) |
対応ファイル形式 | FLAC、WAV、APE、DSD、ALAC、MP3、WMA、OGG、AAC、M4A、AIFF |
その他機能 | Bluetooth 5.0(aptX HD,LDAC対応)、Wi-Fi(デュアルバンド)、USB DAC |
Astell&Kern A&norma SR35とSR25 MKIIは、どちらも同社のエントリークラスのポータブルオーディオプレーヤーです。しかし、両者の間にはいくつかの重要な違いがあります。
SR35の主な特徴は以下の通りです。
クアッドDAC構成(Cirrus Logic CS43198 DAC x 4)
DSD512/PCM384kHzのネイティブ再生
2.5mm/3.5mm/4.4mmのヘッドホン出力
Bluetooth 5.0
デュアルバンドWi-Fi
USB-C
バッテリー駆動時間約20時間
SR25 MKIIの主な特徴は以下の通りです。
デュアルDAC構成(Cirrus Logic CS43198 DAC x 2)
DSD256/PCM384kHzのネイティブ再生
3.5mm/4.4mmのヘッドホン出力
Bluetooth 4.2
Wi-Fi(2.4GHz)
USB-C
バッテリー駆動時間約20時間
ご覧の通り、SR35はSR25 MKIIよりも高性能なDAC部とヘッドホンアンプ部を搭載し、より幅広い音源をネイティブ再生することができます。また、ヘッドホン出力も豊富で、幅広いイヤホンやヘッドホンに対応しています。Bluetooth5.0やデュアルバンドWi-Fiも搭載しているので、スマートフォンやPCとより安定的に接続することができます。
一方、SR25 MKIIはSR35よりもコンパクトで軽量ですが、その差はわずか。ただ、価格差はそれなりに大きく、昨今の半導体不足や為替などによる価格上昇傾向を考慮すればSR25 MKIIがお得という見方もできるかもしれません。
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Astell&Kern A&norma SR35は、Dual DACモードとQuad DACモードの搭載が特徴。Dual DACモードでは、2つのDACチップを使用してオーディオ信号を処理します。Quad DACモードでは、4つのDACチップを使用してオーディオ信号を処理します。
Quad DACモードでは、Dual DACモードよりも詳細で広い音場を実現していると評されています。また、低音域の力強さや高音域の明瞭さも向上しているとしています。ただし、Quad DACモードはDual DACモードよりもバッテリーを消費します。
レビューでは、Quad DACモードのサウンドがDual DACモードよりも優れているとだいたい評価されています。クリアで詳細なサウンドを実現し、あらゆるジャンルの音楽を楽しめると指摘されています。また、低音域が力強く、高音域が明瞭であることも指摘されています。
ただ、何かをしながらとか、リラックスして音楽を聴きたい場合にはQuad DACモードのサウンドは細かい音が聴こえすぎるきらいや、音楽も分析的に聴こえるおそれもあるようで、Dual DACモードの適度に肩の抜けたサウンドも悪くないようです。
たしかにQuad DACモードは、ハイエンドなサウンドを体験したい方に最適です。ただし、バッテリーの持ちが悪いため、外出先で長時間使用する場合はDual DACモードを使用するのがよさそうです。
また、小型の割に音質が良いことも特筆されています。ポータブルオーディオ愛好家向けのDAPは、サイズも価格もやたら大きくなっているインフレ傾向ですので、DAP本来の姿に立ち返ったようなコンパクトぶりと、それでありながらの高音質は高く評価されてしかるべきでしょう。価格はちょっと高い印象かもしれません。
SR25 MKIIとの音質比較では条件の近いDual DACモードの比較中心になりますが、SR35が上回っているということで良いようです。価格上昇と回路構成の改良はしっかりと反映されているようです。
デザイン面では、SR35はスタイリッシュでコンパクトな筐体が特徴です。Astell&Kernが続けている斜めのデザインは好みが分かれるとは言われていますが。バッテリー駆動時間もコンパクトなわりには長く、約20時間の連続再生が可能です。また、汎用性の高いUSB-Cポートを搭載しているので、充電やデータ転送が簡単にできます。
全体的に、Astell&Kern A&norma SR35は、十分に高品質なサウンドと優れた機能を備えたポータブルオーディオプレーヤーです。とくに小型で高音質のプレーヤーをお探しの方や、Astell&Kernブランドを初めて体験したい方に最適のようです。ただ、価格的には幅広いライトユーザーにおすすめできる範囲ではないのは残念です。ある程度DAPについての知識や、DAPでの高音質再生に理解のあるユーザーが対象になるでしょうか。