Astell&Kernブランドのデジタルオーディオプレーヤー「KANN」シリーズの第4弾「KANN MAX」が2022年5月28日に税込み199,980円で発売されました。
高出力と、低歪み・高SN比を追求した「KANN」シリーズの第4弾。今回は高出力DAPが大きく重くなりがちな弱点を改善し、比較的軽量・小型ながら高出力という設計を採り、屋外での携帯性の向上を図っています。実際に従来機「KANN APLHA」よりも薄型・軽量化を実現しています。
外形寸法は117×68.3×23.6mm(縦×横×厚さ)、重量は約305g。ディスプレイは4.1型で、720×1,280ドット。
据え置き型ヘッドフォンアンプである「ACRO CA1000」に搭載していた4段階のゲインレベル調整と、バランス接続時最大15Vrmsの高出力をポータブルサイズで実現。ハイインピーダンスの高性能ヘッドフォンも余裕をもってドライブできるという高性能も実現しています。Astell&Kernが開発した主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA」も組みこみ。ヘッドホンアンプ部のボリュームはアナログ式を採用。
出力は、3.5mm 3極アンバランス(光デジタル出力兼用)、2.5mm 4極バランス出力、4.4mm 5極バランス出力(GND接続あり)を各1系統。
ESSの「ES9038Q2M」クアッドDACを搭載。KANNシリーズで初めてDACを左右2基ずつ、計4基搭載。最大PCM 768KHz/32bit、DSD 512(2.4MHz/1bit)までのネイティブ再生に対応。MQAフォーマット音源の再生にも対応。
USB-DAC機能や、USBデジタルオーディオ出力機能、DLNAを用いたネットワークオーディオ再生「AK Connect」も使用できます。動画/音楽ストリーミングサービス「V-Link(Movie/Music)」機能を備え、音楽ストリーミングサービスアプリなどをインストールする「Open APP Service」も利用可能。
Bluetoothにも対応。コーデックはLDACとaptX HDの24bitコーデックに対応。
本機のレビュー記事はネット上ではまだ少ないものの、ツイッターには発売当初から結構な数の購入者のレビュー・感想が上がっています。
その傾向としては、従来機「KANN APLHA」よりも薄型・軽量化を実現していながら、むしろ音質は向上している印象。
音質傾向としては色付けや演出の少ないニュートラルな方向性のようで、リファレンス的な安心感や安定感がありそうです。
売りにしている駆動力の高さも確かなようで、鳴らしにくいことで知られるイヤホンのひとつ、RHA CL1(160Ω)もしっかり鳴らせたという実際の声は参考になります。ゼンハイザーのHD 660 Sといった、開放型ヘッドホンのハイクラス機も音量不足を感じずに鳴らせるのも見逃せない情報です。
一方、高能率なイヤホンやヘッドホンでは音量が大きくなりすぎる可能性もあり、音量調節に苦労したという人もいるようです。
「KANN MAX」は価格や発売時期に見合った高性能・高音質なDAPと十分に言えるようですが、DAPに小型・軽量さよりも、DAPらしからぬほどの駆動力やパワーを求めたい向きにとくに適しているような感じです。このようなタイプのDAPとしては大型・重量級過ぎないというのも魅力でしょう。なかなかに絶妙なバランスとニーズを突いた好モデルのようです。