ASUS ROG Ally RC71L-Z1E512 Windows 11搭載ポータブルゲーミングPC
ASUS JAPANはWindows 11搭載ポータブルゲーミングPC「ROG Ally」を日本発売。「Ryzen Z1 Extreme」搭載上位モデル「RC71L-Z1E512」(10万9,800円)の発売日は6月14日。「Ryzen Z1」搭載下位モデル「RC71L-Z1512」(8万9,800円)の予約開始日と発売日は2023年夏予定。
ここでは6月14日に先に発売された「Ryzen Z1 Extreme」搭載上位モデル「RC71L-Z1E512」についてご紹介。
7インチのフルHD・120Hzディスプレイを搭載するポータブルゲーミングPC(ゲーミングUMPC)。CPUにAMDのハンドヘルドPCゲーミング向けプロセッサーである「AMD Ryzen Z1 Extreme」を搭載しており、内蔵グラフィックスは最大8.6テラフロップスと、プレイステーション 5の10.2テラフロップスに迫る性能を発揮すると謳っています。冷却用にはデュアルファンを内蔵。
OSにWindows 11を採用しており、SteamやEpic Games Storeから様々なPCゲームをインストールできるほか、Google Play Gamesなどを用いることで一部Androidゲームもプレイできるなど、様々なゲームをプレイすることができます。Windows 11搭載のPCとして使うことももちろん可能。
メモリは16GB(LPDDR5-6400、オンボード)、ストレージは512GB(PCIe Gen4 x4 M.2 2230 SSD)。
ディスプレイは7型IPS液晶(1,920×1,080ドット、315ppi、500cd/平方m、120Hz、7ms、光沢、ペン非対応、タッチ対応、Corning Gorilla Glass Victus)。
ディスプレイの左右にコントローラーを搭載しており、両側から掴んでプレイするポータブルゲーム機そのものの操作感。コントローラーはアナログスティックや十字キー(D-Pad)、A/B/X/Yボタンのほか、左右のバンパーボタンとトリガーボタン、そして背面にカスタマイズ可能なマクロボタンも備えています。
サウンドはDolby Atmos対応のステレオスピーカー(1W×2)搭載。ヘッドホン端子も搭載。イヤホン・ヘッドホン接続時はハイレゾ音源の再生に対応。
インターフェイスはROG XG Mobileインターフェイス×1(同社の外付けGPUボックス「ROG XG Mobile」を接続するための専用ポート)、USB 3.1 Type-C(データ転送、映像出力、本体への給電対応)×1、microSDメモリーカードスロット(UHS-II)×1、3.5mmコンボジャック×1。
本体サイズは280.0×111.38×21.22~32.43mm、重量は約608g。
バッテリは40Whのリチウムポリマーが内蔵されており、バッテリー駆動時間はJEITA 2.0基準で約10.2時間、ヘビーゲームプレイ時で約2時間、クラウドゲームプレイ時で約6.8時間、動画再生時で約6.8時間と公称しています。
パッケージには本体、ACアダプタ、説明書、スタンドが同梱。
ROG Allyの発売に合わせて、ゲーミングコントローラ「ROG Raikiri」(価格未定)、充電・データ転送・映像出力に対応するドック「ROG Gaming Charger Dock」(価格9,980円)、専用ケース「ROG Ally Travel Case」(価格3,980円)が発売。
ROG Ally Travel Caseについては、ROG Allyの購入と、レビューサイトへの投稿という条件を満たすとプレゼントされる全員キャンペーンが実施されます。
ASUS ROG Ally RC71L-Z1E512 仕様など
スペック | ROG Ally RC71L-Z1E512 |
---|---|
OS | Windows 11 Home 64bit |
CPU | AMD Ryzen Z1 Extreme(8コア、16スレッド、3.3/5.1GHz、45W、4nm)、Zen 4アーキテクチャ |
GPU | AMD Radeon Graphics(RC71L-Z1E512:最大8.6TFLOPS FP32)、RDNA 3アーキテクチャ |
メモリ | 16GB(LPDDR5-6400、オンボード) |
ストレージ | 512GB(PCIe Gen4 x4 M.2 2230 SSD) |
ディスプレイ | 7型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、315ppi、500cd/平方m、120Hz、7ms、光沢、ペン非対応、タッチ対応、Corning Gorilla Glass Victus) |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.1 |
インターフェイス | ROG XG Mobileインターフェイス×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、本体への給電対応)×1、microSDメモリーカードスロット(UHS-II)×1、3.5mmコンボジャック×1 |
サウンド | ステレオスピーカー(1W×2)、Dolby Atmos対応、ハイレゾ対応(イヤフォン利用時)、アレイマイク |
バッテリー容量 | 40Wh(リチウムポリマー) |
バッテリー駆動時間(最大) | JEITA2.0:約10.2時間、ヘビーゲーム:約2時間、クラウドゲーム:約6.8時間、動画再生:約6.8時間 |
バッテリー充電時間 | 約1.6時間 |
本体サイズ | 280.0×111.38×21.22~32.43mm |
重量 | 約608g |
セキュリティ | 指紋認証センサー一体型電源ボタン |
同梱品 | ACアダプタ、製品マニュアル、製品保証書、「必ず初めにお読みください」 |
カラー | ホワイト |
価格 | 10万9,800円 |
※ASUSのROGシリーズに属するポータブルゲーミングPC全般の特徴
ROG Ally RC71L-Z1E512は、ASUSのROGシリーズに属するポータブルゲーミングPCです。以下に一般的なROGシリーズの特徴と、類似した製品に期待される特徴を示します。
パフォーマンス: ROGシリーズは、ゲームに最適化された高性能なハードウェアを搭載しています。高速なプロセッサ、大容量のRAM、高性能なグラフィックスカードなどが組み合わされており、快適なゲームプレイを実現します。
ディスプレイ: ゲームに適したディスプレイもROGシリーズの特徴です。高解像度や高リフレッシュレートのディスプレイが搭載されており、滑らかな映像と鮮明な画質を提供します。
デザイン: ROGシリーズの製品は一般的に洗練されたデザインが特徴で、ゲーマーに人気です。独自のデザイン要素やRGBバックライトキーボードなどが備わっている場合があります。
冷却システム: ゲーミングPCは長時間の使用や高負荷の処理により発熱する傾向がありますが、ROGシリーズは効果的な冷却システムを搭載しています。これにより、高いパフォーマンスを維持しながら適切な温度範囲内で動作します。
拡張性と接続性: ROGシリーズのPCは一般的に多くのポートや拡張スロットを備えており、周辺機器の接続やアップグレードが容易です。
ASUS ROG Ally RC71L-Z1E512 レビューサイト
https://パソコンの選び方.com/review/rogally.html
ASUS ROG Ally RC71L-Z1E512 各種レビューから読み取れる評価・考察
処理速度について
「ROG Ally RC71L Z1E51」のオペレーティングモードは、Windowsの初期設定を使用する「Windows」、動作音を低減する「サイレント」、性能・温度・ノイズのバランスを取る「パフォーマンス」、処理性能を最大化する「Turbo」、自由に設定が可能な「手動」の5つのモードがあります。ゲーム機として最高の処理速度を発揮できるのは「Turbo」ですが、TurboではACアダプタ接続時に30W、バッテリー動作時に25Wと消費電力が違います。つまり、本機を最大限の能力にするには「Turbo」モードをACアダプター動作させる必要があります。
以上を踏まえたうえで各ニュースサイトはベンチマークを実測し、以下のような結果となっています
Cinebench R23でRyzen 7 6800U搭載機の129~134%のスコアを記録
実際のゲームプレイ時の性能としては
ゲームプレイ時の性能チェックは基本的に最高性能の「Turbo」でおこなわれています。
Forza Horizon 5は普通に楽しめるレベル、サイバーパンク2077は普通だともっさり、画質の設定を落とせば60fpsほどで遊べる、APEX:Legendsは普通に遊べる、ELDEN RINGは解像度を1,280×720に落とせば普通に遊べる、BIOHAZARD RE:4は解像度を1,280×720に落として60fpsを大抵は維持できるもときにfpsがもっと下がる、テラリアのような2Dゲームだとサクサク・快適、といったところのようです。
本機は最高画質がフルHDですが、それだとフレームレートが落ちたり、動作が遅くなる、などの症状が起こる場合があり、解像度を1,280×720に落とすと普通に遊べるというパターンが多いようです。それでもフレームレートが下がりカクつく場合もありますが、もっと画質を落とすと滑らかになります。解像度を落とすと画質低下が気になりますが、本機の場合は7インチサイズですので、画質を落としてもあまり気にならないという声も多いです。
グラフィック性能について
ASUSはディスプレイについて色域を公表していません。AVニュースサイトのPCウォッチが実測値を公表しています。
「sRGBカバー率は94.1%、AdobeRGBカバー率は73.2%、DCI-P3カバー率は72.7%」
とのことで、モバイルノートPCのディスプレイとしては標準的な性能ですが、本機のような小型のゲーミングPCで価格を考えると立派です。実用的にも十分でしょう。
ポータブルゲーミングPCとしては初めて120Hzのリフレッシュレートを実現しているため、動画の滑らかさという点ではこのジャンルのモデルとしては現在最高と言えそうです。
上記のゲームプレイ時の性能からすると、最新ゲームを遊ぶ場合は本機の画質性能を生かしきれないきらいもあります(フルHDとハイフレームレートの両立は難しい)。しかし、通常のPCとして鑑賞用の動画を見る場合には本機の画質性能を十全に活かせます。その場合は高画質な動画鑑賞用端末として大いに活躍できる高品位と言えるでしょう。
コントローラーについて
コントローラはポータブルゲーム機の代表機であるNintendo Switch、Steam Deckと同等の出来と考えてよさそうです。とくに気になるような問題はいようです。
ただ、本体が重いので、長時間持っていると疲れるという声はありました。
音質について
Dolby Atmos対応のステレオスピーカー(1W×2)搭載という本体のサウンド性能については好意的な評価が多いです。このように小さな端末が搭載するスピーカーとしては立派なスピーカー音質を備えていると言えそうです。
バッテリー性能について
バッテリー性能については厳しい感想がありました。とくに重いゲームを「Turbo」モードで遊ぶと、1時間少ししか持たなかったという声がいくつもあります。負担の軽いモードにすればバッテリー持ちは長くなりますが、ゲームの描画性能は落ちますし、遊ぶのに支障が出ることもありそうです。
バッテリー動作時は、パフォーマンスかサイレントモードで無理なく遊べるゲームで使うのがポイントになりそうです。
通常のPCとして使う分には公称のような長さで問題なく使用できるようです。
また、過充電の心配なくコンセントにつないでおけます。また、最大充電を80%にセーブする設定もできます。内蔵バッテリーを傷めない工夫があるので、末永く使えるでしょう。
携帯性について
本体サイズは280.0×111.38×21.22~32.43mm、重量は約608g。
小型・軽量というほどではないにしても、性能を考えると頑張って小型・軽量化したと納得できるようです。小型・軽量化を優先してバッテリー性能が犠牲になったと思う人が多いくらいです。
拡張性・端子について
本体のUSBが1ポートしかないため、充電しながら周辺機器を使用したり、外部ディスプレイに出力したりといったことはできないため、拡張性に関しては別途USBハブなどを利用することになります。この端子の少なさや拡張性の乏しさを否定的に評価している向きもあります。サイズや価格などから仕方ないという見方もあります。既存のROGシリーズが拡張性に優れているのとは勝手が違うようです。
なお、拡張性を備えたGaming Charger Dockが今夏発売予定です。本機の拡張性は今後改善すると見込めます。
内蔵ストレージが512GBのため大型タイトルを複数インストールするような使い方はできません。ここはmicroSDメモリーカード増設で対応することになります。
なおストレージ(PCIe Gen4 x4 M.2 2230 SSD)の換装について、メーカー保証については明確な回答はないものの、換装作業自体は難しくはないとのこと。はやくも換装したというユーザーがおり、問題なく使えているという情報もあります。もちろん、自己責任で行ってください。
コストパフォーマンスについて
現在最新のポータブルゲーミングPC(ゲーミングUMPC)として、十分に実用的な性能を備えながらこの価格とサイズということで、発表時から大きな注目を浴び、実際に発売されると大変な人気で、価格コムの売り上げランキングではゲーミングノートPCで1位のほか、モバイルノートPC、さらにはノートPC全体でも1位という快挙。
その背景としては、やはりこの内容で約11万円という圧倒的なコストパフォーマンスがあるようです。同価格帯のモバイルノートPCくらいの性能で、Windows 11搭載の汎用PCとしても使えること、世界的なPCメーカーであるASUSによる製品ということも相まっています。
総評
PCやXboxのゲームを、無理なく出先や寝転んだ状態で遊べるというのが本機の価値でしょう。ゲーミングUMPCのメインストリームとなり得る機種というのが総評では。この価格・サイズでPCの3Dゲームを曲がりなりにも楽しめるというだけでも驚異です。ただし、汎用のモバイルPCとして過度の期待を持つものでもないようですが。
最新のポータブルゲーミングPC(ゲーミングUMPC)として、このジャンルの製品に興味があり、ゲームを実際に楽しむという人にとっては価格に関係なく試してみたい一台と言えそうです。最新のデジタルガジェット全般に興味のある方にとってもその汎用性の高さとコスパの高さから、触れてみるのも面白そうです。
いずれにしてもこれだけ幅広い層に話題になるポータブルゲーミングPCはなかなかないでしょう。ゲーミングPC入門機、サブPCとしてもおすすめできそうです。
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