audio-technica AT-LP3XBT Bluetooth送信機能搭載レコードプレーヤー
AT-LP3XBTはオーディオテクニカ(audio-technica)が2022年10月7日に発売したアナログ・レコードプレーヤー。オープン価格で発売当初の税込み実売価格は約3.7万円。2023年現在の実売価格は2.5万円程度。
2017年発売のフルオート式モデル「AT-LP3」(定価32,868円・生産完了)をベースに、Bluetooth送信機能(トランスミッター)を追加したモデル。
Bluetoothの送信コーデックはSBC、aptXのほか、最大24bit/48kHzでの高音質での送信が可能なaptX Adaptiveに対応しているのが特徴。
Bluetooth機能以外は「AT-LP3」と同等。
外形寸法は435.6×374×128mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5kg。
ベルトドライブ方式でフルオート再生が可能。33 1/3、45回転に対応。底面にピッチ調整用のネジ穴があり。
オーディオテクニカ製のVMカートリッジ「AT-VM95C」と、ヘッドシェル「AT-HS3BK」を付属。針先はAT-VM95シリーズと互換性があり、針交換も可能です。フォノイコライザーも内蔵。
制振設計を施したアルミニウム合金ダイキャスト仕上げのプラッターとフェルトマットを採用。さらに筐体内部に配置した金属プレートで共振を抑制。
ダストカバー、フェルトマット、プラッター(ドライブベルト付き)、ダストカバーヒンジ、カウンターウエイト、VM型ステレオカートリッジ(AT-VM95C)付きヘッドシェル(AT-HS3 BK)、EPアダプター、オーディオケーブル(約1.0m)、ACアダプター(約1.5m)が付属。
珍しいaptX Adaptive送信対応レコードプレーヤー
aptX Adaptiveで送信できるレコードプレーヤーは2023年現在でも少なく、ほかにTEACの「TN-400BT-X」がありますが、実売価格が約6万円と本機よりも高額です。
aptX Adaptiveの高音質でレコードを手軽にワイヤレスリスニングしたいのであれば、本機が適しています。
AT-LP3XBT レビューサイト
audio-technica AT-LP3XBT レビュー情報から読み取れる傾向
単体レコードプレーヤーとしての品位
AT-LP3XBTの純粋なレコードプレーヤーとしての音質、使い勝手などはすでに発売され、定評のある「AT-LP3」と同等と考えられます。
単体のレコードプレーヤーとしては、「AT-LP3」のレビューなども参考にすれば、ベルトドライブ方式でフルオート再生が可能という、2万円台程度までの典型的なエントリークラスのレコードプレーヤー的な品位と言えそうです。
ただ、このクラスのエントリークラス・レコードプレーヤーというと、オーディオテクニカはVMカートリッジの自社品を付属できるなどの総合的な設計ができることもあり、それこそ何十年も定評があります。
AT-LP3XBT(「AT-LP3」)も、高額なプレーヤーやダイレクトドライブ機とは比較にならなくとも、レコードを楽しむには十分な音質を備えていると言えそうです。内蔵フォノイコライザーも、長年のノウハウを生かして、この価格帯ながらうるさく言わなければ十分な品位を備えているようです。当然、内蔵フォノイコを切って、外部フォノイコを使うこともできます。
高音質を追求できる伸びしろ・拡張性のあるプレーヤー
とはいえ、付属カートリッジ「AT-VM95C」は、接合丸針タイプのリーズナブルなモデルであり、より高価な同社製のカートリッジに替えるとさすがに音質は向上するようです。
逆に言うと、付属カートリッジのままでは、たとえばクラシック音楽などのニュアンス感や陰影感や、楽器の質感表現までは難しいとはなりそうです。ただ、ロックやポップスメインだと付属カートリッジでも十分楽しめたという声もあります。聴くジャンルにもよりそうです。
良く言えば、いっそうの高音質を追求できる伸びしろ・拡張性のあるプレーヤーとも言えましょう。カートリッジ交換可能なプレーヤーの中では最安価格帯というのも見逃せないポイントでしょう。
マイナス面として評価されるポイント
ストロボも回転数を微調整するダイヤルも無いので正確な回転数かは不明、アームレストのホールドが浅いので、不意な衝撃でトーンアームが落ちる可能性がある、ベルト幅が細く(約5ミリ)て、薄い(約1ミリ)ので、ベルト交換の頻度が高い可能性がある、などのマイナス的な使い勝手面での評価もあります。
せっかくのBluetooth送信機能はあまり活用されず?
本機の売りはBluetooth送信できること、さらにレコードプレーヤーでは珍しいaptX Adaptiveでのハイレゾ伝送ができることです。
しかし、せっかくの機能ですが、あまり活用されていない印象です。使っているにしてもSBCやaptXどまりのユーザーが多いようです。
これは、aptX Adaptive受信対応機器は完全ワイヤレスイヤホンではかなり多いものの、レコードプレーヤーと組み合わせることが多いであろうアクティブスピーカーやアンプでは少ないことも関係ありそうです。ちょっとユーザーの実態とずれた装備となっているのかもしれません。
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