イギリスのB&Wが他社に先駆けて注目のBluetoothコーデックに対応したヘッドホン・イヤホンを発売しました。
いずれもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する3モデル。
オーバーイヤー型ヘッドホン「PX7」、オンイヤー型ヘッドホン「PX5」、イヤホン「PI4」を用意し、11月末に国内発売されました。実売価格はPX7が6万円程度、PX5が5万円程度、PI4が5万円程度(税別)。
いずれも、3種類のアダプティブ(環境適応型)ノイズキャンセリングモードを搭載(要は環境に応じた適切な騒音低減効果を得られるモード切替・ソニーあたりではすでに搭載しています)しているなど、ワイヤレス・ノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホンとしても最新機らしい意欲作です。
ヘッドホンはいずれも、新たに開発されたカスタム設計のドライバーを搭載。PX7は43mm径、PX5は35mm径ユニットを採用。再生周波数帯域は10Hz~30kHzなど、なかなかのもので、有線接続利用も可能なので、高音質なワイヤードヘッドホンとしても活躍できるでしょう。
ただ、今回のモデルの最大の特徴は、対応コーデック。3モデルとも、Bluetoothのバージョンが5.0、対応コーデックがaptX Adaptive、aptX HD、aptX Classic、AAC、SBCをサポート。
注目はaptX Adaptive。固定レートで伝送(CBR方式)する従来のaptX/aptX HDと比べ、aptX Adaptiveはレートを変動させて伝送(VBR方式)できるのが特徴、最大48kHz/24bitの音声データをサポートするといった、高音質と伝送安定性の高さが売りでした。
これがクアルコムがつい最近、新たな発表を行い、aptX Adaptiveで最大96kHz/24bitのハイレゾ相当の伝送を可能にするとしました。
これにより、LDACと同じように最大96kHz/24bitに対応する高音質コーデックが新たに誕生しました。
96kHz/24bit送信が可能な機器はまだなく、まだまだこれからの話ですが、本機の受信能力が最初から96kHz/24bit対応なので、あれば、将来性という点でも大いに魅力的です。このあたりの詳細は今後のメーカーからの発表を見ないとわかりませんが。
現時点でaptX Adaptive対応のヘッドホン・イヤホンはB&Wくらいしかなく、もし、96kHz/24bit対応であるならば、B&Wはかなりのアドバンテージを持つと思います。
B&Wのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンというと、これまでPXという高音質志向の素晴らしいモデルがありました。USB接続でも使えるという汎用性の高さも魅力でした。
今回はUSBポートはUSB-Cになるなど、最新の装備になりましたが、残念ながらUSB-DAC機能は省かれました。それだけ、ワイヤレスでの利用に力を入れているのでしょう。それもまたわかります。
今後は他社からのaptX Adaptive対応のヘッドホン・イヤホンの登場も注目したいところです。また、aptX Adaptive対応であれば、96kHz/24bitに対応できるのかの情報も待たれます(ヘッドホン+B&W)。