コペックジャパンは、中国・Cayinブランドのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー「N6ii」向けオーディオマザーボード「E01」を発売しました。単体で税込み47,960円前後、N6ii本体セットは税込159,940円前後での実売が予想されます。
DACごとオーディオ回路を交換できるという画期的な機構を採用したDAPである「N6ii」。その別売り用オーディオマザーボードの第3弾。
今回は、高級な据え置き用DACにも使われるESS製DAC「ES9038PRO」をCayinのポータブル製品として初めて搭載。
また、ヘッドホンアンプ回路はディスクリート設計とし、低ノイズのオーディオグレードJEFTとBJTを採用したことで、ポータブルながら大出力と高いコントロール性能を発揮するとしています。
デュアルアンプ搭載で、Class AおよびABモードがメニューから切り替え可能なのも特徴。バッテリー持続時間はClass Aモードで7.5時間、Class ABモードで9.5時間。
イヤホン出力端子は3.5mmのアンバランスのみ。
また、最大DSD 256(11.2MHz)のネイティブ再生に対応、PCMは最大383kHz/32bitまで対応します。
ES9038PROを搭載するDAPはさすがに少数です。ポータブルオーディオに使うには電力消費が大きく、ロングバッテリーを実現しがたいからです。また、全8chで構成されるDACを使いきれない場合もあります。8chも要らないなら、ch数が少ないだけで内容は同じとされるES9028PROもありますし。
それでも、現在の高級DACチップの代名詞であるため、あえてDAPに組み込むケースもあります。現在までに、Astell&Kernの「KANN CUBE」「SE100」、COWON 「PLENUE L」が挙げられます。
Cayin N6iiの場合、E01を搭載したタイプは、他のES9038PRO搭載DAPや、あるいは、N6ii用の他のオーディオマザーボードとも結構内容が異なっています。
というのも、現在の高級DAPでは必須ともいうべきイヤホンのバランス接続に対応していません。この点は、既発売のオーディオマザーボード「A01」「T01」とも異なっています。
逆に他のDAPや「A01」「T01」にはない、Class A動作が選択可能なのも特徴です。
どうやら、バランス接続は他のオーディオボードを使用する時に楽しみ、「E01」ではあえて、アンランス接続での高音質を追求した、ということのようです。
このような思い切った設計ができるのも、N6iiがDACもアナログ回路も、ヘッドホンアンプ部も交換できるシステムだからに他なりません。
ポータブルオーディオ愛好家にとっては、これほど面白いモデルもなかなか無いのではないでしょうか。据え置きオーディオでも参考にして欲しいくらいです。そういえばアキュフェーズのアンプやDACで使われるオプションスロットは似たような仕組みで、なるほどいいものを随分前から考えていたのだなあと、改めて感心しました(DAP+Cayin)。