FANZAは、同社が運営するFANZA動画にて、同サービス初の4K動画を「近日」無料公開すると発表しました。
大手アダルト動画配信サイトで、4K配信を積極的に行っているところはまだないため、大きなニュースと言えます。FANZAが国内では最大手クラスのアダルト動画配信サイトであることもポイントです。
アダルト動画というと、どうしても眉をひそめたり、その存在から目をそらしてしまう人もいるでしょうが、映像規格の発展と普及に多大な影響を及ぼしてきたという側面から(VHSビデオがβよりも性能やコンパクトさで劣りながらビデオテープの主流になった最大の要因だったと言われているなど)、その業界動向は無視できないどころか、映像規格の生き死にをも握っていると思っている人も少なくはないようです。
このニュースについても、オーディオ・ビジュアル系のニュースサイトでは国内最大で、普段は本当に真面目な内容に終始している「Phile Web」で取り上げられています。
最近はコロナウイルスによる影響で、家にこもって動画を見る機会が全世代的に増えている状況にあって、さまざまな動画配信サービスや団体が、動画配信サービスの一部コンテンツの無料開放を行っています。
アダルト動画業界もその波に乗って、期間限定無料配信や格安配信などを行っています。
国内業界をリードするFANZAも、この4月に限定コンテンツを1作品わずか10円で販売する大サービスを行い、大きな話題になっています。
アダルト動画業界の無料や格安配信の実施後、大変な数のアクセスが集中したために、サーバーが落ちてしまいなかなかユーザーが見られない状況が続き、それがまたニュースになるなど、この業界が持つ影響力の大きさをまざまざと見せつけました。
このようなことですから、この業界が本格的に4K動画配信に乗り出すことは、4K映像の普及に役立つことは間違いないでしょう。
そういう意味ではやはり、アダルト動画に興味はないビジュアル愛好家にとっても、注視すべきニュースであることは間違いないと思います。
ただ、昔のように物理メディアの普及につながるかはわかりません。4K対応の物理メディアというとUHD BDなわけですが、仮にアダルト業界がUHD BDを発売しても、もはや普及しないかも。4Kが普及するとしてもネット配信のみでしょうか。