FiiO R7 据え置きの“デスクトップオーディオストリーマー”

中国のFiiOは、据え置きの“デスクトップオーディオストリーマー”と称するDAC複合機「R7」を2023年2月3日に発売しました。オープン価格で税込みの実売価格は約11万円程度。

デジタルオーディオプレーヤーに据え置き用のアンプを搭載させて電源を強化して、据え置きネットワークオーディオプレーヤーにするというコンセプトの「Rシリーズ」の第1弾。

要はデスクトップ置き対応の据え置き型の小型ネットワークオーディオプレーヤーですが、DAP由来ということで、Android OSの搭載や視認性の良いディスプレイ、microSDカードスロット(最大2TB)を装備など、一般的な据え置きネットワークオーディオプレーヤーとは一味違います。

ベースとなるDAPは「M11Plus ESS」。Qualcomm製8コアSoC「Snapdragon 660」と、4GB RAMと64GBのストレージメモリを搭載。FiiOカスタム仕様のAndroid 10を搭載。4.97インチ、解像度1,280×720ドットのタッチパネル・ディスプレイも搭載。

ESS製DAC「ES9068AS」を搭載し、PCM 384kHz/32bit、DSD256の再生に対応。デジタル入力端子は、USB3.0のType-C、USB2.0のType-A、RCA同軸デジタル、光デジタル、Bluetooth受信機能を搭載。Roonの認証を受けたRoon Readyモードも備え、ネットワークプレイヤーとしても動作。外部ディスプレイを接続して、動画コンテンツを楽しめるDisplayPort Alt Modeも搭載。

ヘッドホンアンプにFiiOではおなじみとなった「THX AAA-788+」を搭載。ヘッドホン用出力は、6.3mmのシングルエンドヘッドホン端子、4.4mmバランスヘッドホン端子、4ピンXLRのバランスヘッドホン端子を搭載。

最大出力は3.2W(32Ω/バランスヘッドホン出力/Ultra highゲイン)、630mW(300Ω/バランスヘッドホン出力/Ultra highゲイン)。対応ヘッドホンインピーダンスは16~300Ω(バランス)。Ultra high、Super high、High、Medium、Lowの5段階のゲイン設定が用意。

Bluetooth受信対応コーデックはSBC、AAC、LDAC。Bluetooth送信はSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC、LHDCをサポート。AirPlay受信モードも備えているため、iPhoneなどのiOSデバイスからのワイヤレス受信も可能。

DAPライクな内容が並びますが、据え置きならではの機能として、4pin XLRバランスヘッドホン出力や、FiiO初のXLRライン出力、LAN端子も備えているのが特徴。ライン出力は可変動作も可能で、アクティブスピーカーなどに直結して据え置き機として使えます。RCAライン出力×2も搭載。

デジタル出力は、USB3.0 Type-C、USB2.0 Type-A、RCA同軸デジタル、光デジタル、Bluetooth送信を搭載。光/同軸/USB端子から外部DACへのデジタル出力も可能。

高品位外部電源による音質強化が可能なDC給電モードも用意。これもFiiOの高級DAP「M17」でおなじみの機能であり、本機の特徴となっています。

回路部分にも、パナソニック製のPPSフィルムコンデンサーや、高精度・低ジッターを実現する位相同期ループテクノロジーを搭載する第4世代FPGA、2系統の超高精度水晶発振器など、オーディオ向けの高品位パーツを随所に採用。

FiiO R7 レビューサイト情報

1台でデスクトップ周りを全方位カバー! FiiOの超多機能ストリーマー「R7」がすごい - 価格.comマガジン
DAP/USB DAC/ヘッドホンアンプ/ネットワークオーディオ機能を1台にまとめ、デスクトップ周りの音楽リスニングを全方位カバーできる注目の1台、FiiO「R7」を徹底レビュー!
R7 【FIO-R7-B】 専門店スタッフレビュー / e☆イヤホン
イヤホン・ヘッドホンの専門店e☆イヤホンのスタッフによる製品レビュー

FiiO R7 レビュー(ツイッターから)

FiiO R7 各種レビューから読み取れる傾向

これ1台でデスクトップオーディオ用途に使える接続性をほぼ全方位でカバーしており、従来のDAC複合機という枠も、ネットワークオーディオプレーヤーという枠も超えた、てんこ盛りのデジタルセンター、まさにFiiOが言うところの据え置きの“デスクトップオーディオストリーマー”が相応しい機器のようです。

あまりに何でもできるため、どのような用途向けに適しているというのが難しいほどですが、Android OSを搭載していることから、所有音源だけでなく、Apple、amazonなどのハイレゾ対応ストリーミングサービスを使って、ストリーミング再生を楽しむのが良さそうです。

Android端末として動画やゲームをメインで楽しむものではありませんが、それでもできるにはできるというのは楽しい機能でしょう。Antutuは約21万ということで、最新のAndroid機器としてはさすがに控えめ。重いゲームは避けたいところですが、動画鑑賞に支障はないでしょう。

接続する機器もヘッドホンやイヤホンだけなく、せっかくライン・プリアウトもあるので、アクティブスピーカーにもつなげて、デスクトップでスピーカー再生も楽しみたいところです。

機能面では強いて言えば、送受信でaptX AdaptiveとaptX LLにも対応して欲しかったところ(当初のメーカー説明ではこの2つにも対応していると発表されたのち、非対応と訂正され混乱がありました)。メーカーも間違ってこの2つを対応していると言うくらいですから、あったほうがいいと思っていることの表れでしょうか。

音質面では解像度が高く全体に音がかっちりしており、低音の締まりも良いというFiiOの基本傾向を備えているようです。もう少し具体的な特徴としては音場感はあまり広くなく、ややオンな傾向で聴こえるようです。ヘッドホンアンプとしては、組み合わせるヘッドホンによっては低音が少な目な腰高傾向や、硬質な印象になることもあるようです。

HD 820のようなハイエンドヘッドホンでは不満のあるユーザーもいるようなので、DACヘッドホンアンプとしてはそこそこの力かもしれません。この価格でこれだけの機能となればやむを得ないところでしょうか。

avgadgetken

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