飯田ピアノは、同社が取り扱う中国・HiByブランドから、コンパクトなハイレゾ/2.5mmバランス接続対応DAP「R3Pro」のDACチップを変更したバリエーションモデル「R3ProSaber」を7月31日より発売します。オープン価格で税抜きの予想実売価格は23,000円程度。カラーはブラック。
「R3ProSaber」と「R3Pro」を比較しての違いをご紹介します。
最大の違いは搭載するDACチップを、ベースモデル「R3Pro」のシーラスロジック「CS43131」2基から「R3ProSaber」ではESSテクノロジー製「ES9218P」2基に変更したこと。
基本的な機能や性能はほとんど同一のまま、DACチップの違いに起因する音色・音質の違いが最大のポイントとなります。
また、このDACチップの変更によって、「R3ProSaber」の最大連続再生時間はアンバランス接続時で約19時間/バランス接続時で約14時間と「R3Pro」のアンバランス接続時で約20時間/バランス接続時で約16時間より少し短くなっています。
ヘッドホン出力は「R3ProSaber」でアップ
一方、ヘッドホン出力は「R3ProSaber」のアンバランス接続が80mW+80mW(32Ω)/バランス接続が280mW+280mW(32Ω)と「R3Pro」のアンバランス接続が60mW+60mW(32Ω)/バランス接続が210mW+210mW(32Ω)よりもアップしています。
価格は「R3ProSaber」の税抜き実売価格は23,000円、「R3Pro」は21,000円。「R3ProSaber」は税抜き価格で約2千円高くなっています。
なおカラバリは「R3ProSaber」はブラックのみ、「R3Pro」はブラック、グレー、レッドの3色。追記:2021年5月21日に「R3ProSaber」にグレーが追加されます。
それ以外の機能は同様。外形寸法は61W×82H×13Dmmの手のひらサイズのコンパクトさも同様。なお、このサイズは「R3Pro」の先代モデル「R3」でも全く同じです。
再生フォーマットはPCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまで対応。イヤホン出力は3.5mmステレオミニに加え2.5mmバランスを搭載。3.2型IPSタッチスクリーンに6つの物理ボタン、独自開発で使いやすさに定評のあるHiBy OSに操作系を搭載。内蔵メモリはなく、microSDカードで最大2TB(国内代理店は512GBまでとしています)に対応します。
5GHz/2.4GHz帯両対応のWi-Fi、SBC/AAC/aptX/LDACコーデックに対応し送受信に対応するBluetooth、DLNA/AirPlayをサポート、音楽再生アプリ「HiBy」をインストールしたスマホからのリモートコントロールが可能など、ネットワーク/ワイヤレス関連機能も充実しています。ストリーミングはTIDALとQobuzに対応。OSはAndroidそのものではないため、ストリーミング対応の追加は難しいでしょう(HiBy OSのアップデート具合によっては不可能ではないかもしれませんが)。
音質調整機能もパラメトリックEQを内包した音響補正機能「MSEB(Mage Sound 8Ball Tuning)」で好みのサウンドに調整できます。
データ通信/充電端子にはUSB Type-Cを採用。USB-DAC機能に加え、本機をトランスポートにする機能にも対応します。
「R3Pro」は価格を考えると非常にコスパの高いハイレゾDAPとしてすでに定評のある機種です。とくにイヤホンのバランス接続と多彩な音質調整機能、なにより高音質が魅力。一方、Bluetooth送信機能については接続安定性に難があるというユーザーレビューが国内では目立ちます。DLNA/AirPlayをサポートするなど多機能ではありますが、Android機ではないため、国内で主要なストリーミングに対応していないのも弱点です。
「R3ProSaber」は「R3Pro」の特徴をはじめ、長所、短所もほぼそのままのモデルと言えそうです。ただ、バッテリー持ちがやや減少している一方、ヘッドホン出力が増大していることから、音質面では確実に向上していると思われます。
「R3ProSaber」は税込み2.5万円程度までの予算で、音質重視のバランス接続対応DAPが欲しい方に向いているモデルと言えそうです。その際にはBleutoothはあまり重視しない、ストリーミングもDAPで対応する必要はない、という前提も必要でしょう(DAP+HiBy)。
新色「Gray」を5月21日に発売することが決まりました。価格や内容は従来の「Black」と同じ。
また、2021年5月7日以降に飯田ピアノから出荷されている「R3 Pro Saber Black」について、ファームウェアアップデートが出来ない初期不良が確認されているそうです。対象製品を持っている場合は販売店に関係なく、飯田ピアノと直接やり取りを行って対処するとのことです。
https://www.iidapiano.store/hibyinfo#comp-kojtvz1x